○古屋(圭)
委員 これは四月一日に変えたところで、震災の
対策もあったと思いますけれども、しっかり総務
大臣と
担当大臣がリーダーシップをとって、ぜひ具体的な取り組みをしていただきたいというふうに思います。
今、地方公共団体でも、厳格な法適用という一環で、例えば朝鮮総連に対して優遇をしているところは相当減ってきましたけれども、では、現実に全部なくなっているかといったら、まだ必ずしもそうではない。やはり、そういうところもきちっと対応していく必要があろうというふうに思います。このことは、拉致問題の本質を地域の住民、要するに、市民、村民、県民に正確に伝えるということにもつながるんですね。だから、ぜひその辺はしっかり対応していただきたいというふうに思います。
それから二つ目ですけれども、4で「学校教育においては、児童生徒の発達
段階等に応じて、
拉致問題等に対する
理解を深めるための取組を推進する。(文部科学省)」と書いてあるんですね。これが四月一日の閣議決定をされた追加文書の中で入っています。
そこで、ちょっときょう私が
理事会で御了解をいただいて、こういう資料を
皆さんにお届けさせていただきました。
大臣、これはごらんになっていただけましたか。
これは、ことしの四月に、今回の夏に採択が行われる中学校の教科書の検定に合格をした本のコピーでございます。代表例として二つ持ってきました。
一つは東京書籍、もう
一つは育鵬社。全部で七社、検定に合格をいたしました。この東京書籍は、実は採択率、公民は六〇%を前回超えています。だから、これは圧倒的な多数なんですね。
では、まずここを見てみましょう。右ページの下。拉致問題については、本文では下の方に、
日本との関係では拉致問題が残り、
北朝鮮との関係はまだ好転していません、この一行だけです。まずこれをごらんになって、それで次のページを見てください。
育鵬社、これは同じく公民の教科書ですけれども、一枚めくっていただいた表紙のところに
横田めぐみさんと横田滋さん御夫妻の写真が載っておりまして、もう一枚めくっていただきますと、具体的に拉致問題のことを書いています。
右側のちょっと下の方で、このような中で、二〇〇二年九月に
北朝鮮の
平壌で日朝首脳
会議が行われ、拉致を認めた、
日本は、拉致の問題が
解決しなければ、
北朝鮮との国交正常化はあり得ないという
立場をとっていると。まさしく
政府が言っていることそのものを書いているわけで、脚色しているわけでも何でもありません。もちろん、検定に合格しているわけでありますが、その後にも、
北朝鮮は核実験等を実行しているということが書いてあります。
三ページ目。これは、主権が侵害されることというのはどういうことなのかということを説明しているわけです。この主権侵害ということは、実は
平成二十二年十一月二十九日、これは、
対策本部長である菅総理が「拉致問題の
解決に向けて」ということで指示を出したペーパーですけれども、冒頭に、「
我が国に対する主権侵害かつ重大な人権侵害であり、許し難い行為である。」と、「許し難い行為」というところまで入れているんですね。前は、この言葉がなかっ
たんですよ。そこまで入れている。ということは、当然、こういうことを子供たちの中で勉強させるというのは当たり前のことだと思います。
なおかつ、今私が
指摘した、四月一日に閣議決定をして、四番に、学校教育については、児童生徒の発達
段階に応じて、拉致問題に対する
理解を深めるための取り組みを推進する、こういうことです。もちろん、
拉致担当大臣は教科書の問題の
担当大臣じゃないということはよく承知をいたしておりますが、
政府を挙げて拉致問題に取り組んでいる、なおかつ、教育でしっかりそれを啓蒙させるということを
指摘しているわけでありますから、そういうことを
考えた場合に、果たしてこの両方を見た場合に、まず、どういう印象を持たれますか。
これは、政治主導と主張されている
民主党さんのことですから、
担当が違うからわからないとか、そういう答弁を私は一切聞きたくありませんので、ぜひ率直な気持ちを聞かせていただきたいと思います。