○河井
委員 今、めどが立たない勉強会を続けているということをあなたはみずからおっしゃった。時期的なめどがない。時期的なめどを持っていない勉強会を口実に死刑の執行から逃げ回っているというのは、隠れみのにすぎない。省内勉強会なんというのは、あなた
自身のアリバイ工作ですよ。しかも、その勉強会はあなたがつくった勉強会じゃないんですよ。ほかの人がつくった勉強会、あなたの前の前の前の千葉景子
大臣のときに、しかも、千葉さんが死刑を執行した後につくった勉強会。あなたはその勉強会について、今、執行を
自分が決断することから逃げ回っているだけじゃないですか。その勉強会は結局、お勉強を続けることが目的ではなくて、あなたが執行をしないことを続けるための口実にすぎなくなってきている。
大臣、もう一度お尋ねしますよ。一体、
江田大臣は何から逃げようとしているのか。
だれだって、好きこのんで死刑執行の命令書に署名をしたい
法務大臣なんていなかったと私は思いますよ。そんな人は一人もいない。二〇〇七年の八月から一年弱の間、私は鳩山邦夫
法務大臣のもとで副
大臣をさせていただきました。当時、事務方から上がってきたさまざまな資料、斎戒沐浴をして、命を文字どおり削るような覚悟で、誤りのない
判断を期そうと全身全霊を傾けたんだと後になって鳩山
大臣から聞きました。
実はそのころは、私、副
大臣のところにも稟議書が回ってきた。もちろん最終決定者は
法務大臣でありますけれども、
大臣の数百分の一、数千分の一の重みかもしれませんが、あの重圧は、私は今でも決して忘れることはできません。
確かに凶悪犯ですよ。人を一人じゃなくて二人も三人も、そして四人も殺す、命ごいをする被害者を残忍な方法でめった殺しにする、中には、抵抗することができない幼児や高齢者の命を奪った、その資料をずっと私も熟読をさせていただいて、
現場の状況がよみがえってくるような、そんな気がいたしました。
それでも、凶悪犯人といえども、今現に拘置所の中で生きている人間、その人間の命を、国家の名のもとにおいて人が人の命を奪うということのつらさといいましょうか苦しさ、それを真に味わっているのは、私は、
現場の職員の方々だと思う。刑務官であり、医師であり、立ち会いの
検察官の
皆さん、そういった人々は、でも、
法務大臣からの命令によって、職務と
自分自身に強く言い聞かせて、毎日の仕事をとうとく遂行してきていただいている。
先ほどから
江田大臣は、悩んでいる悩んでいるとおっしゃるけれども、本当に葛藤の中で悩んでいるのはそういう
現場の方々であって、
法務省の
大臣室のきれいな冷房のきいた部屋で悩んでいるあなたのことではないと私は
考えております。
関係者の手記などを見ると、中には精神が参った人も見受けられる。みんな逃げないで
法務大臣の命令を一生懸命遂行してきたんじゃないですか。あなただけが悩んでいるという安全地帯に引き込んで、刑の執行から目をそらせようとしている。私はどうしても納得することができない。
もう
一つ、
大臣、
裁判員
裁判の導入なんです。
裁判員
裁判では、一般の
国民が死刑を決めなければならなくなった。
ここに平成十八年二月二十四日の当
委員会での
議員の質問がありますので
紹介させていただきます。一般市民の方が死刑判決の責任まで負う、一般の市民にそれだけの重責を担わせておきながら、判決が確定して、
法務大臣が死刑執行のサインをするのかしないのか、なおわからないというのは、
法務行政として大変に無責任なことではないか。質問されたのは自民党の
議員ではありません。あなたの所属する政党、
民主党の石関貴史
議員がこの質問をされた。
裁判員
裁判に参加した
国民や刑執行の係官らには判決とか執行という精神的な重圧をかけておいて、命令権者のあなたがその重圧から逃げ回っている。
大臣のお
考えを聞きたいんです。あなたはよく民意を大切にしなきゃいけないとおっしゃる。さっきもおっしゃいました、
国民のいろいろな
考えも
参考にしなきゃいけないと。ところが、政府の
調査によると、大多数の
国民は、死刑制度の存置、存続に賛成をしている。
刑事局長、最新の数字がありましたらお答えをください。