○橘(秀)
委員 ふだん論旨明快な
江田大臣なんですが、率直に申し上げて、答弁書を読んでいただいていると思うんですが、全く納得いくものではありませんでした。
例えば、宗教上の理由から医療ネグレクトをやったとき、手術を
子供に受けさせないとか、そういうのはまさに
身上監護権のみ。しかも、このときには、この
事例では
親権の
喪失という宣告をせざるを得なかった、その後、治療が終わってから回復をさせたという
事例もありましたので、容易にこうした
事例はたくさんあります。
児童虐待の問題というのは、
財産管理権の問題ではなくて、まさに体の部分、
身上監護権の問題だと思いますので、それはちょっと理由にならないのではないかという思いをいたしました。
率直に、実務が大変になっていく、裁判所のいろいろな問題があると思うんですが、そうした実務が大変になるとか司法の権威とか、そういうことよりも、
子供の命と人権に関して、やはりそっちの方が重いと思いますので、今後また政治主導でここのところはきちんとグリップをしていただければと思っております。
それから、先ほど、
児童福祉法の
法案の
改正の中で、
施設長の権限の強化ということがありました。病気の
子供を入院させるかどうかの判断は
施設長の方が優先をするということ。ただし、非常に迷う
事例、私も実は
児童養護施設の方で二カ月研修をして、
子供にかみつかれるとかいろいろな思いをしてきたんですが、軽度の知的障害を持った
お子さんが非常にふえているようであります。そのときに、親の意向としては普通学級に入れたい、だけれ
ども、
施設長の判断としては特別
支援学級に入れたい、こういう判断が分かれるというときに、本当に微妙な話でありまして、
施設長の権限の強化というところは、非常に難しい問題もたくさんはらんでいるものと考えています。
それから、
施設長の資格についての問いをしたいと思います。
もう皆さんだんだん記憶から薄れてきていると思うんですが、かつて、千葉の恩寵園の
事件がありました。千葉県船橋市の
児童養護施設で、結局、園長が傷害罪で逮捕をされる、それから園長の次男の
職員は強姦で立件をされる、それで懲役四年の実刑判決を受けるという本当にひどい
事件がありました。男の子の、
子供の性器を切りつけるとか、強姦、
洗濯機に、乾燥機に入れる、金属バットや木刀で殴る、
施設長が主導してこれを行ったところでありました。
一般に、
児童養護の
施設長さんたちは、本当にすばらしい人格者の方がなられています。私の研修先でもお寺の住職さんが
施設長さんをされていたんですが、非常に心配なのは、
平成二十一年度における被
措置児童等
虐待届け出
制度の実施
状況、これは、二十一年四月に施行された
児童福祉法の
改正で、
児童福祉
施設の中での
虐待を
通告していくという
制度ができたわけなのでありますが、残念ながら、
通告が二百十四件もあって、都道府県市で
虐待と認められたものは五十九件、百二十人でありました。
こうした
児童福祉
施設の中での
虐待ということ、それから
施設長自身が犯罪に、
虐待にかかわったという
事例がありますが、
現状の対策についてお伺いしたいと思います。
それから、
児童養護施設で働く方、例えば
児童福祉
施設最低基準の四十二条の中で、
児童指導員、保育士、嘱託医、栄養士など規定があるんですが、
施設長についての資格要件が全くないのではないかということ。これは、まず資格要件が必要ということと、研修なり、継続してチェックする仕組みがどうしても必要と思うんですが、このことについて答弁いただきたいと思います。