○河井
委員 自由
民主党の河井
克行です。
三月十一日、あの
東日本大震災の映像をテレビの画面で見ながら、私は涙がとまりませんでした。たくさんの家々や車が大津波によって流されていくさま、その中には逃げおくれた、かけがえのない、とうとい
方々がいらっしゃっていたに違いがない。お悔やみを申し上げますと同時に、
被災された
方々に心からお
見舞いを申し上げます。
私は、江田五月
大臣のお隣の広島の出身であります。昭和二十年八月六日、原子爆弾が投下をされた直後、黒い雨が大雨として降った、いまだに
政府はそれを認めておりませんけれ
ども、まさにその
地域が私の幼いころから育っていた
地域であります。広島市のちょうど北西部であります。もちろん、私はそのときには生まれておりませんでしたけれ
ども、小学校のころから、被爆体験、さまざまな教育を受け、そして、知り合いや友人の中にたくさんの被爆者、被爆二世の
方々がいらっしゃいますし、今なお突然、原爆被爆が原因と推定され命を落とされる方もいらっしゃる、苦しんでいらっしゃる方も数多くいる、そういう地で幼いときから育ってまいりました。
だからこそ、私は今回の地震と津波までは自然災害だ、でも、その後の福島第一
原子力発電所の一連の事故は到底許すことはできない、私は、人災だ、そう考えており、広島の
皆さんの悲劇、そして長崎の
皆さんがこうむったつらさを、今度は
日本人の手でゆめゆめこれ以上広げるべきではない、毎日そういう気持ちでいっぱいであります。
江田五月
大臣は、
法務大臣でいらっしゃる前に国務
大臣でいらっしゃいます。
内閣の重要な事項には関与をされるお立場でいらっしゃる。しかも、国権の最高
機関である
国会、参議院の議長職を退いた後、異例とも言われる形で、総理から強く請われて
大臣に就任をされたと言われています。さまざまな報道を見ておりますと、
菅総理大臣にとって最大の相談相手であるとか、江田
法務大臣と話しているときが一番心が安らぐんだとか、そういうふうな報道がされております。
この大
震災や
原子力発電所事故、今、
菅総理大臣は最高責任者として対処していらっしゃる。これから申し上げることは、私たちは
野党でありますから直接
お話しすることはできない。
大臣の口から、江田さんの口からぜひ総理にお伝えをいただきたいことが幾つかございます。
一つは、昨日、国際評価尺度、答弁要旨には一切これは載っていません、
政治家同士の話でありますので。経産省の原子力安全・保安院がレベル7に引き上げをいたしました。遅過ぎたのではないかという大きな批判があります。三月の十五日、十六日にはわかっていたんじゃないかと。なぜならば、幾つかの爆発事象がそのときまでにはもう起こっていた。つまり、今回レベル7に評価をされたほとんどの放射線量が、その時点でほとんど放出をされていた。きょうは四月の十三日、何をその後、一カ月近く、ただいたずらに時間だけが無為に過ごされてきたのか。
先ほど
民主党の議員の
質問で、流言飛語についての問いかけがありました。流言飛語が起こる条件は、
大臣、もう明らかなんです。責任ある当局が正しい情報を正しい時期に正しいやり方で国民に周知しないときに流言飛語は発生するんです。流言飛語を取り締まることももちろん重要であります。でも、それはイタチごっこにすぎない。肝心の
政府そのものが、東電や
政府の発表、公表が信頼されていないからこそ流言飛語が起こっている。この本質の問題から目をそらすべきではないと私は考えております。ぜひそのことを総理にもお伝えをいただきたい。
そして、隠すとか、さまざまな問題が起こって都合が悪くなったから情報を小出しにするというやり方が一番よくないんです。さきの大戦でも
日本陸軍の最大の蹉跌は戦力の逐次投入にあったと歴史家はみんな言っている。むしろ、大事なことは、総理の口から最悪の事態を国民にまず示すべきなんです。そして、それを何とか回避するために、今、
日本国を挙げてこういう具体的な措置をやっています、それで、その措置の見通しな
ども同時に明らかにする。そのために全力を傾けているということを、官僚がつくったような作文とかじゃなくて、総理
大臣の真心から言っていただきたい。
最悪の事態を示して、それで国民が大騒ぎになるとかパニックに陥るとか、
日本人はそんな情けない国民ではないと私は信じています。為政者が考えているよりもはるかに優秀な国民であります。私は、まずその点を江田
大臣にしっかりと総理にお伝えいただきたい。
もうこれは一政権の帰趨とか一政党の帰趨とか、そんな段階ではない。あなたは、
法務大臣、
法務行政の責任者という重要な仕事を担っていただいておりますけれ
ども、私たちは、それだけではない、大事な
役割を
内閣の中で果たすべきだし、果たしていかれるに違いないと確信をいたしております。
以上の点について、
大臣のお考えをお示しください。