○松野(博)
委員 今の
局長の答弁は、全く私の質問に対しての答えになっていません。検定教科書であっても、事実関係がこれはもう明らかにおかしいではないかというようなことに関して、民間の方であったり、
教育関係者、また政治家が、どのような手続にのっとって
異議の申し立てができるのかという質問をしたわけでありますから。
恐らく、今の制度の中においては、そういう制度はありません、検定で受かったものは、次の検定が終わるまで、どのような指摘があろうが正しいものだということで扱われますということなのかもしれません。
しかし、もう一点、今
局長がおっしゃられた中で、あくまで検定教科書の意義は、執筆者と出版社に責任が一義的にあるものだという話の繰り返しがありましたが、私が質問の中で申し上げたとおり、しかし、検定がある以上は一定の基準というものがあってしかるべきだし、なければ検定をやる
意味がないわけであります。
そして、その中において、非常に不幸な事件でありますが、震災後の混乱期のデマやそういった流言飛語によって二百数十名の方のとうとい命が失われたということは、繰り返しになりますが、大変悲しい事件であります。しかし、軍や警察が関与して数千人を虐殺したということになれば、これは全く事実関係自体が違いますし、この事件に対する歴史的評価も全く違ってくるわけでありますから、それは一義的に執筆者と出版社の責任だと言えば、これほどの重要な、歴史的な評価の再検討が必要な事項が動かなくなってしまうということになって、全くもって納得ができない答弁であります。
繰り返し私
たちもこの件を研究、質問を続けたいと思いますけれども、ぜひ、教科書検定のありようの中において、検定に受かったといえども、明らかに事実認識に間違いがあるというものに関しては、何らかの
対応ができる制度が必要である。私
たちも、その制度に関して研究、提言をしていきたいというふうに考えております。
続きまして、
朝鮮高級学校の審査に関して、
不測の
事態によって審査が一時中断、停止をしているという
状況にあって、三月の
委員会でありますが、
不測の
事態と
朝鮮高級学校についてはどのような関係があるのか、それについての
政府等の統一見解をお示しいただきたいという質問、要望をいたしました。
委員長の御高配をいただいて、その答えが出てきたわけでありますが、きょうは、
福山官房副
長官にお忙しい中お越しをいただいております。
委員会冒頭で
説明をいただきました。
この中身は、我が党の義家議員の質問主意書に関して答弁したものと変わらないわけでありますが、官房副
長官、中身はとりあえずきょうはおいておいて、私が前回質問をした意図は、今、関東大震災の後のそういった特殊な混乱
状況下における人間の心理の中で、デマとか流言飛語とか、そういうのが通常よりも大きく作用して不幸な事件を起こすというような話もさせていただきました。
その中で、前回、北朝鮮から韓国に関しての砲撃事件があって、そして、これは
政府答弁の中にもあるように、相当日本の中でも安全保障上緊迫をした
事態の中にあった。
そして、
予算委員会の答弁も、我が党の下村議員を初め、議員からの質問に関して、枝野官房
長官も、
不測の
事態とは何かということに関しての質問は、
不測の
事態を今この場で明らかにすることは、
不測の
事態を起こそうと思っている人間また集団に対して情報を提供することになるから言えませんという答えと、そして、今後、この
事態において最も重要なことは日本
国民の
生命と
財産を守るということだ、情報収集にも努めなければならない、そういう
状況の中において、
不測の
事態というものが起こり得るから、朝鮮高校に関する審査を停止したいという答弁をされています。
そして、その後の
予算委員会の答弁の中で、大分論調が変わってきまして、いや、これは静ひつな環境が維持できないから一時審査を停止するということだというふうになりました。
また、当
委員会でも、
高木文科
大臣のお答えの中で、そういった朝鮮高校と、例えばテロ
行為であったり、また反社会
行為を関連づけるような意図は全くないんだというような御答弁もいただきました。
そこは、今ここで議論をしてもあれですから、そういう意図ではないということにしても、しかし、あの
状況において、あの
予算委員会の答弁が続いた中で、そして質問主意書に対する答えが、やはり、
不測の
事態に備え万全の態勢を整えていく必要があることにかんがみ、
朝鮮高級学校についての審査を停止するという答弁書が
内閣から返ってきているわけであります。
私は、私の国語能力がどうかはわかりませんが、あの
状況の中においてあの答弁があって、かつ、この質問主意書に関する答弁がまた返ってくれば、
不測の
事態というものに関して
朝鮮高級学校とのかかわりを感じる方、読み取る方がいて当然だと思いますが、この読み方に関して、副
長官、そうお思いになりませんか。