○池坊
委員 公明党の池坊保子でございます。
仙谷官房副長官にはお忙しい中お出ましいただき、感謝いたしております。
今、公明党の
斉藤鉄夫さんが、最後に、
政府の総力を結集してという言葉を申しておりました。私は、この
原子力問題に関しても
政府の総力を結集する必要があるかと思っておりますので、きょうは、
日本の
エネルギー政策をどのように行っていくか、これは未来に向かって極めて重要な
課題ではないかと思っております。
私は、いつも、政治家として未来に何を残していくことができるのか、それが政治家の使命ではないかと思っておりますときに、与野党を超えてこれからの
日本の姿を描いていかなければいけない。浜岡を中止すれば済む問題ではないと思っております。
私は、フランスの
原子力事情を知りたいと思いまして、一人で心細かったのですが、パリに行ってまいりました。御存じのように、フランスというのは五十八基の
原子力発電所を稼働しております。そして、全電力量の七八%が
原子力に依存しております。現在の原子炉開発、それからITERの
原子力分野の研究開発を積極的に推進しております。
なぜ推進しているかといったら、これは単純に
二つあって、一つは、現状の快適な
生活を維持したいから。
二つ目には、中国、インド、フィンランド、韓国、ヨルダン、南アフリカなど、海外への原発輸出を積極的に推進している。そういう経済的な推進力、この経済力の担保のためでもあると思います。
私
たちの
福島第一原発
事故発生後にも、早期に
日本に原発関連支援物資を提供いたしましたし、また、アレバ、女性社長でしたけれ
ども、高レベル汚染水の
処理とか土壌除去などに係る協力に向けた専門家の派遣等な
ども行っていました。
五つの、
原子力庁を初めとした、アレバ、そしてまた研究機関などがございまして、私は、
原子力安全規制当局、ASNと、ASNを
技術面で支援する機関である
放射線防護・
原子力安全研究機関、IRSNから話を聞いてまいりました。
原子力安全規制当局、ASNは、民生用の
原子力施設を規制することを目的とし、省庁から独立した機関として二〇〇六年に設立いたしました。五名の有識者から成る
委員会で設立されておりますけれ
ども、三名は大統領が決める。二名は、一名ずつ上院、下院の議長が選任して、罷免は行われない。
日本でいいましたら、
原子力安全・保安院と
原子力安全委員会を合わせたようなものですけれ
ども、申し上げたいのは、これが会計検査院のような独立性を持たせた機関なんですね。
原子力安全委員会は内閣府、保安院は言ってみれば
経済産業省ですよね。それぞれの省庁の下にある。これが私は問題なのではないかというふうに思っております。
構成員は四百五十人、予算は約一・五億ユーロですか、二百億ぐらいです。〇・八億ユーロは、特別支援機関である
放射線防護・
原子力安全研究機関に対しての
分析費用として支出しております。
このASNの主な任務というのは五つございまして、一つは、言うまでもなく
安全規制です。
二つ目は
原子力施設の許可、三つ目は検査執行、四つ目は緊急時の対応です。五つ目は国民への広報なんですね。国民への広報というのは、後で浜岡の、先ほど下村
委員がおっしゃいましたけれ
ども、これについても伺いたいと思っておりますけれ
ども、やはりこの五つをしっかりとしていく必要があるのだと私は思っております。
それの研究を補完いたします
放射線防護・
原子力安全研究機関、IRSNというのは、
安全規制を担当する
原子力安全規制当局を
技術面で支援する機関として二〇〇一年に設立いたしました。
原子力及び
放射線のリスクについて評価、研究などを実施する。
日本の
原子力安全基盤機構と
原子力研究開発機構の一部を合わせたような機関なんですね。
福島第一原発の
事故についても、
日本政府などが公表しているデータに基づいて、
放射線物質の拡散予測などを独自に実施しております。
私、そのとき思いましたことは、
日本は今まで一体何をしてきたのだろうか。
日本が努力してきたことは、四万人の小中高校生に配付する副読本の中にも、大津波、大地震があっても
原子力発電所は絶対安全ですという、この安全神話を徹底さすことにだけ努力をしてきたのではないか。
私は、もちろんそれは私
どもの反省も含めてですけれ
ども、やはり必要なのは、これからいかにチェックをして安全性を保たせるかということではないかというふうに思っております。第一次的に、ストレスチェックとかリスク管理というのが今まで何もなされてこなかったのではないか。
フランスでは、ストレスチェックを十年ごとに行って、リスク管理に力を注いでおります。つまり、危険を伴うことを
前提として、原子炉の安全性の確認作業をきめ細やかに行っているんです。フランス国内においては、地震、津波という危険性が極めて低いです。低いですが、想定されるそれらの災害を超える規模を
前提にした安全性の確保を事業者に求めているわけです。
一時、想定外、想定外という言葉が出まして、余りにもそれがひどいので、今は鎮静化いたしましたけれ
ども、私は、リスク管理というのは、やはり想定外のことをきっちりと管理することがリスク管理なんだと思うんですね。想定内のことを管理したって、それは別にリスク管理にならないのではないかと思います。
私が
仙谷官房副長官に申し上げたいのは、今みたいな組織の
あり方、つまり、例えばSPEEDIにいたしましても、これは国土交通省と共管です。
経済産業省の人も出てきて一緒になってやっていく。それから、大気は
文部科学省がする。だけれ
ども、水の方は環境省がしているのではないかと思うんです。何かみんな、省庁がそれぞれ別個にやっている。その省庁の下にあるということが問題ではないのか。
私は、
原子力政策に関する行政組織の
あり方を見直さなければいけないのではないかと考えておりますが、それについての御
見解を伺いたいと思います。