○高野
委員 具体例を挙げていただいて、
笠政務官、ありがとうございました。
やはり、こうした実践的な経験というか、そういったことを四年制大学においても経験をする、実体験をしていただくということは、これはもう教壇に立つ前にぜひしていただきたいというふうに実は私は願っております。
というのは、まじめな先生ほど一生懸命になり過ぎちゃってマイナスになったり、あるいは先生自身が悩んでしまったりとか、これは押しつけではなくて、教師を志した方にはぜひそうした、例えば、不登校や引きこもりの子供を抱えた親御さんからの話を直接聞くものを
一つの講座にするですとか、そうしたことが大事だなと思います。
また、出てこれる子供
たちはまだいいんですね。初期
対応が実は私は非常に重要だと思っていまして、私自身もそうした親御さんや子供
たちと接しているのでありますけれ
ども、やはり、初期
対応がうまくできないがために、あとは二十歳以上になるまで、放っておくじゃないですけれ
ども、事実上待つという、ですから、可能性としては最初の段階だというふうに思っておりまして、そういう意味で、教師のそうした力というものを、知識の習得でもいいですから、深く学ぶ
機会を持たせるようなそういったことを大学
教育において考えていっていただきたいというふうに思っております。
時間がありませんので、教職大学院のことについてもちょっとお聞きしようかと思ったのでありますけれ
ども、教職大学院も、よりそれを深めた人材を育てるという意味で設置をされている方向性は私はいいとは思っておりますけれ
ども、これは中身が非常に重要でありますので、私自身偉そうなことを言えませんけれ
ども、よりそうした実践的な面に
対応できるように、学力の問題、今言われておりますけれ
ども、昔は、昔はというか、勉強ができる人はできるんですよ。そういう言い方をしては終わっちゃいますのでそれ以上は言いませんが、要するに今大事なのは、意外とみんなが今まで意識していなかったこうした引きこもり、不登校、単に情けない子だとかそういう形で見ちゃいけないというふうに私は思うんですね。そこからやはり未来の日本を担うような人材というのは隠れているかもしれない。ぜひ、そういった視点を持って取り組んでいただきたいというふうにも思います。
きょうはちょっと資料も用意したのでありますけれ
ども、それで次に、厚生労働省とのこの問題についての連携という観点から、私はきょうは、厚生労働省はすばらしいとか、実は余りそうも思っていないのでありますけれ
ども、
提案という意味で、厚生労働省の資料を配ったら厚生省立派だよという意味で出したんじゃないんですけれ
ども、
取り組みをちょっと御紹介というか、共有をしたいと思って出させていただきました。
ほかの資料はちょっと省きましたけれ
ども、厚労省では、ふれあい心の友訪問援助・保護者交流事業という中で、児童相談所の児童福祉司やコーディネーター、コーディネーターというのは、児童相談所のOBとか引きこもりの子供を持っていた親御さん
たちがコーディネーターというふうに位置づけられているんですけれ
ども、そういった
指導のもとに、学生等のボランティア、これをメンタルフレンドというふうに呼んでいるということでありますけれ
ども、このメンタルフレンドの学生のボランティアさんが、引きこもりの児童の家庭を訪問したりこのような児童と触れ合うというような
取り組みがなされています。
この
担当者に話を聞きましたところ、福祉系の学生が学部や学科でいうと比較的多いそうでありまして、教職系はどうなのかなといったことも感じました。こういったことについても連携して、こういったありますよということをもっともっとぜひ発信をしていただきたいということをちょっとお願いをしておきます。
そのほかに、保護者を
対象にしたペアレントトレーニングなどを設けて支援の充実を図ったりもしておりまして、また、自閉症などの発達障害の親御さんを、自身がそういった子供を抱えている親御さんが相談に乗るような形で、これはペアレントメンターというふうな名称をつけて、その先輩という言い方もおかしいですけれ
ども、実際に経験をされてきた親御さんがペアレントメンターとなって、今抱えて苦しんでいる親御さんの心のアドバイザーといいますか相談役になっているというふうな制度も、これも聞いたところまだまだなのでありますけれ
ども、しかし、制度としてそういったものをつくっております。
そうした経験者の親御さん
たちをこうしたアドバイザー、相談者として、この養成を発達支援支援推進事業の
一つに厚生労働省としては明記をしておりまして、そうした相談技術を持った
方々、経験者の
方々を大事な資源として位置づけて取り組んでいこうという、これは
担当者はなかなか意欲的でありました。課長さん
たちでありましたけれ
ども、大変一生懸命な方
たちだなというふうな印象も持ちました。
私は、これは
文部科学省、直接いろいろなことに対して上から目線で言えない立場もあろうかとは思いますけれ
ども、今のこの
実態を見ますと、こういったことにもっと積極的な発信と
取り組みというのを、
笠政務官からいろいろなことを先ほどお聞きいたしましたけれ
ども、やはりもっと力を入れてほしいというのが私の率直な気持ちでありまして、そういう意味では、ペアレントメンターというのは、それで聞いたところ、これは発達障害に限ってペアレントメンターと呼んでいるらしいんですね。ペアレントメンターというのはどういう子供
たちやどういうところに
対応するんですかと聞いたところ、これは発達障害だけというか、に一応限定をして始めているようなんです。
そういう意味では、不登校者、引きこもりの親御さん
たち、もちろん発達障害がそうなっている場合もあろうかと思いますけれ
ども、私は、もっと不登校の経験者、親御さん
たちにもぜひボランティアで参加していただいて、そういった人材づくりのネットワークみたいなものをつくっていく必要があるというふうに思っています。
それは、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの人数だけではとてもこの予算的にも早急な
整備も難しいし、これは、
一つの社会問題として
対応していくためには、やはり私は、むしろ
文科省が旗振り役をぜひしていただきたいというふうに思っております。
ちょっと長くなって恐縮ですけれ
ども、「ひきこもり
地域支援センターの概要」ということで厚労省の資料をちょっと配らせていただきました。ここに、学校というのがちょうど真ん中にありますけれ
ども、学校というのは、昔から学びの場だけではなくて、
地域コミュニティーのやはり
中心だったと僕は思うんですね。
いよいよ新しい公共という、鈴木副
大臣も基調講演もされておりますし、そういった方向性というのはとても大事だし、そういったことをこの引きこもり、不登校の問題へも踏み込んでいくというか、旗振り役というか、
文科省は新しい公共のもっと
中心的な役割をぜひ果たしていただきたいというふうに思っているんですけれ
ども、いかがでしょうか。ちょっと御見解をお伺いをしたいと思います。