○谷川
委員 これも二月二十五日の日経ですが、せっかく
マニフェスト選挙が定着し、民主主義の成熟が期待されたのに、肝心の
マニフェストが欠陥商品だった、これを作成した民主党の責任は重い、こう書いているんです、念のために。
答えは要りません。
それで、諫干についての
質問ですが、実は、私は昭和六十二年に長崎の県議
会議員になり、ずっと当選以来、諫干、諫干、諫干。ずっとです。五十五年かけてようやく完成しました。その後、長崎県連の自民党の幹事長になり、議長になったので、人より、
皆さん方には理解できないような思い入れがあります、諫干については。まずこれを御理解ください。
そして、衆議院議員は四百八十人いらっしゃるんですが、
予算委員会で実はやりたかったんです。どうしても理解がもらえませんでした。それは長崎のローカルな問題だよというとらえ方しかしてくれないんです。ですが、私は残念でならないのは、これは決してローカルな話じゃありません。
皆さん方の近くの
公共事業をちょっと頭に描いてください。新幹線であれ、スーパー林道であれ、何であれ、だれの地元にも
公共事業はあります。
法的手続を踏んで、アセスをして、周辺の理解をもらうために二百八十億という補償金を払い、一生懸命苦労して苦労して苦労してでき上がった、国家の威信をかけて。そして、裁判官を、できるなら、三権分立だから、おれはここに呼びたいんだよ、
参考人で。これも、もし可能なら次の機会にやらせてください。三権分立だから、おかしい裁判だったら、それを
質問していいでしょう。まあとにかく、それはおいておいてね。
それで、何が悪かったのかなと僕は思うんだけれども、とにかく運悪く、地裁、高裁で負けた。これは負けたんだから。ただし、今からるる述べていきますが、祈るような気持ちで、
最後のよりどころに、最高裁に上げていただきたい、こういう思いが地元にはあるんです。理由は後で
説明していきます。しかし、総理が自分の一存でそれをけ飛ばして、上げなかった。
今からずっと言っていきますが、農林
大臣も官房長官も、上げるという意見だったでしょう。それを、総理の、要するに環境族というのか、諫干について
公共事業の悪玉のターゲットにしたという歴史というのか、その瞬間は総理であることを忘れているんですよ、私に言わせたら。いまだに野党の党首の気持ちだったんでしょう、ばあんとけ飛ばしているんだよね。それを今から
説明していきます。
なぜこんなに怒るかというと、わかっていただきたいのは、これは大事なことですよ。
大臣、わかってくださいよ。ちょっとだけ諫早の市民になったつもりになってくださいよ、ちょっとだけ。
皆さん、そこにいらっしゃる人たちは。諫干というのは、阿蘇山が何万年か前に噴火した潟が物すごく詰まっているんだ、有明海の底には。それが、
日本一の六メーターという干満の差、激流でどおっと本明川のあの川口に持っていくんだよ。たまってくるんだよね、こうして。ふさぐんですよ、水路を。
だから、地元の人たちは苦労して苦労して、江戸時代から、ずっと昔から、みお筋をつくっているのよ、泥まみれになって。それを、苦労して苦労して、こういう生活は嫌だと。昭和三十二年には大水害で何百人と死にました。そういうのを踏まえて、何とかしてと、苦労して苦労して、五十五年かかってつくったんです、これは。それで、ようやく水害の恐怖から今逃れ出たところなんです。それをあのとおりにつぶした。
それを前提に話をさせていただきますが、これは、判決があった次の日の、去年の十二月十六日の読売新聞です。
仙谷官房長官や農水
大臣も開門
調査は必要と考えたが、常時五年間の開門を求める高裁判決は乱暴だとして、上告に前向きな姿勢だった。にもかかわらず総理が押し切った背景には、上告すれば変節と批判されると、世論を強く意識した側面があると見られる。ただ、総理が決断の前に、
関係者と
議論を尽くしたり、根回ししたりした形跡はうかがえない。地元の長崎県側にも事前連絡はなく、県幹部は、テレビで初めて知った、ひどい話だと言っていた。西岡参議院議長は、記者発表後に首相から電話を受けたが、開門は認められないと首相に怒りをぶつけた、あけたら何が起こるかわからぬ、かんかんだった。こう言っているんです。
常時開門には六百億以上の
対策費が必要との試算もあり、補償金などとあわせ、
予算確保も課題になる。首相の念頭に、具体的な
対策が想定されている様子はなく、
政府内では、三年後の開門時に菅さんが首相でいる可能性は低いから決められたんだ、こういう見方もささやかれている。こういうふうに言っているんです。
諫早湾干拓を実施した
農林水産省は、上告断念は、漁業被害との因果
関係を認めた福岡高裁判決が確定し、同省の
事業を国が否定したことを意味する。こういうふうにも書いているんです。
地元紙には、民主党の
検討チームが十五日に発足した。会合の冒頭で、
筒井副
大臣は、開門
調査は判決にかかわらず行い、排水門開放の判決が出た場合には、上告することで官房長官とは合意していた、こう
説明した。こう書いているんです。これを頭に入れておいてくださいね、まず。
そして、これは公明党の遠山
委員の
質問です。二十三年、ことしの二月三日の
予算委員会の
質問の議事録ですが、農水
大臣は、一月二十三日、諫早にみずから赴かれ、農水
大臣御本人としても、上訴するよう総理にお願いしたが、総理の決断で上訴を断念した、なぜ、これだけ地元が反対するのに、農水
大臣も反対するのに、この判決を確定する上訴を断念したのかという
質問に対し、ノリの被害とかいろいろな漁業被害が出ている、こう言っているんです。
ノリの被害は出ましたけれども、その後、何年か後に大豊作だったんですよ。もし諫干が
関係あるんだったら、ずっと不作なんだよ、本当は。そういうふうに事実を全く把握していないんだよ、この人は。だから、私は残念でなりません。いかがですか、ここまでで。私たちの残念だという気持ちを含めて、
大臣、もうちょっと頑張ればよかったなと思いませんか。