○遠山
委員 構造改革特区で通達の
特例措置を求めている例があるというのを私は初めて知りまして、大変勉強になりました。
ただ、私も
地元を抱える国
会議員として、初当選からもう十年なんですが、一市民から相談を受けて、どうしても
役所がこの件で動いてくれないといって、私みずから市
役所とか県庁に乗り込んでいって話を聞いたら、一枚の中央省庁からの通達で、できませんと言っていたことが確かにあったんですね。その通達を逆に中央省庁に私が確認したら、いや、それは問題があるなら変えますということで、すぐ変わったんですね。
ただ、やはり
地方の
役所の職員から見ると、なかなか、一通達といえども、ほとんど法律に近い扱いをしている場合もあると思うんですね。だから、そこはやはり私ども国会にいる人間がきちんと
配慮して、
地方の
役所の職員と我々国
会議員とが見る通達とは全然見え方が違うと思いますから、そこは私どもで反省をして、
地方の方々がもっときちんと現実の問題に対処できる形で
対応していかなきゃいけないんだろうと思いました。
そこで、ちょっと角度を変えて
伺いたいんですが、実は、
日本における
特区制度というのは、始まりは沖縄なんですね。私は沖縄に事務所を構えておりまして、いろいろとお話は聞くんです。
昭和六十二年からあります那覇空港周辺の自由貿易
地域、もともとは昭和四十七年から
特区の
構想があったと聞いております。それから、沖縄のうるま市の中城湾港新港地区の特別貿易
地域、これは
平成十一年から事実上
特区です。それから、
平成十四年から始まっております名護市全域の
金融業務特別地区、
金融特区、これも三つ目としてあります。最後に、那覇、浦添、名護、宜野座四市の情報通信
特区ということで、沖縄県だけで異なる
特区が四つ設置をされているわけでございます。それぞれ成果を上げているんですけれども、
地元のお話を聞きますと、名護市全域を的とした
金融特区が余りうまくいっていないという話が多いんです。
私の手元に
金融庁さんからもらった書類がありまして、これによると、この沖縄の
金融特区、名護市ですけれども、立地企業数は十四社、雇用者数は六百名ということで、沖縄の名護市、人口五万人
程度の市でございますから、そこそこの成果じゃないかというとらえ方もできるんですが、実は、この沖縄の
金融特区の中で、所得控除
制度の優遇
措置、法人所得の三五%、十年間、直接人件費の二〇%を上限とする
特例的な優遇
措置を
税制上受けている会社は、十四社のうちの一社だけなんですね。残りの十三社は投資税額控除のところだけ利益を享受した形で
特区に名を連ねているという形になっております。
ですから、沖縄の
金融特区で
大臣から
事業認定をされている会社という意味でいうと、一社しかないんです。一社ですから雇用効果も非常に小さくて、
地元では鳴り物入りで、これは
片山大臣の所管のところではないんですけれども。
私が申し上げたいのは、沖縄でつくった
特区は、導入当初はいろいろバラ色の話をしていたんですが、実は私も、
平成十四年、既に与党の参議院議員でございましたので、当時を覚えております。これをやれば名護市にオフショアバンクだとかいろいろな、東京ベースの証券会社とか来るよというふれ込みでやったんですけれども、実は、実質的には一社しか来なかったということでございます。
これはなぜなのかということをいろいろ専門家の方に聞きますと、
一つは、やはり、先ほども
小泉委員からありましたけれども、
韓国とかシンガポールとか香港等と比べて
税制の優遇
措置が余り思い切っていない、ちょっと中途半端であるという国際競争力の面からの問題点の指摘と、あともう
一つは、余り
関係ないのでちょっとだけ申し上げておきますけれども、
特区の中において専ら
金融業を営むという一条件がありまして、この専らという
言葉が、実は、本社を名護市に置かなければいけないという規定でございまして、これがボトルネックになっているということが言われているわけでございます。後者のボトルネックの方は、また沖縄北方特別
委員会とか
関連のところでただしていきたいと思っております。
いずれにしても、これから国際競争力の強化を柱とする
総合特区制度をやっていく際にも、まだ期待どおりの成果を上げていないこの沖縄の
金融特区のようになってしまうんではないか。つまり、
税制優遇
措置の面とかでアジアの中で競争力が相対的に弱い、あるいは中途半端になるということになるんではないかという懸念がありますが、それにはどうお答えになるか。よろしくお願いします。