○福島(伸)
委員 民主党・無所属クラブの福島
伸享でございます。今世界をとどろかす福島という名前ですが、地元は茨城でございます。
きょうは、与党の
議員にこうした
質問の時間をいただきましたことを、
委員長を初め
理事、そして同僚
議員の皆様方に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
最初につけられた地震の名前が東北太平洋沖地震という名前だったからか、茨城が
被災地じゃないように一時思われたときがありましたけれ
ども、地震、津波、そして液状化といった
被害を受けております。ただ、映像で見る東北地方の津波の甚大な
被害に比べればまだまだましな
被害でございますので、東北の
皆さんを励ます上でも、
自分たちは頑張ろうとみんなで言い合いながら今復旧復興に努めているところであるんですが、やはり一番の懸念は、原子力に伴う災害のことでございます。
ある程度の生活インフラが整ってきますと、日々の生活をどうしていこうということになるときに、一番大きな影響を及ぼすのが風評
被害、あるいは原子力の放射能汚染による出荷停止等による経済的な影響であります。
例えば、うちの地元の平均的な小規模な酪農家、五十頭を家族で飼っているような家ですと、大体月に四百五十万円ぐらい、ミルクを売って収入が入ります。一方、えさ代は毎月二百五十万円ぐらい。それで、もろもろの経費を除くと、手取りの額面が、税とか引かないで大体月五十万円ぐらい。それでつつましやかに生活しているというのが酪農家の姿なわけでありますけれ
ども、このたびの原乳の出荷制限によりまして、この四百五十万円の乳代収入が入らない、えさ代はかかる、そうした
状況が続いております。
野菜の方も同じでございまして、ホウレンソウなどの出荷制限を受けている農家以外にも、風評
被害で、例えばKEKという
会社形態でやっているところがあります。一玉二百円もする高級トマトを
自分で直接売って歩いている方です。これからはハウスの中で小玉スイカをつくられて、それも高い値段で千疋屋とかそういうところに売っているというところです。
ここは、パートさんも入れて百五十人の従業員がいるという、立派な、地域の雇用を支えている
会社でございますけれ
ども、この風評
被害の後、私の携帯に
電話がかかってまいりまして、全然売れないよ、福島君、値段がもう三分の一以下だよ、これじゃやばいよと言って、今まで聞いたことのないような声で訴えていらっしゃる。そうした農家の方あるいは農業
関係の方がいっぱいいらっしゃいます。
先の見通しが見えないというのが何よりも一番の不安でございまして、雇用を抱えなければならない、
自分たちも生活をしていかなければならない、その中でいろいろな、携帯
電話代とか、公租公課もかかってくる、子供の学費も支払わなければならない、そうした
状況にあるということを前提に、私は、地元の皆様方の思いを代弁してきょうは
質問をさせていただきたいと思っております。
先日、山古志村の村長だった
長島忠美
議員が、
自分は
法律を知らなくてよかったという発言がありました。これは重い発言であると私は思っておりまして、何かやろうとするときに必ず既存の法令が問題になることがあると思いますけれ
ども、我々は立法府の人間であり、
政府に入っていらっしゃる政治家の皆様方も立法府の人間でございますので、
法律があるからできないということではなくて、やれるためにはどうしたらできるのかという観点での、血の通った答弁をぜひともお願いしたいというふうに思っております。よろしくお願いを申し上げます。
まず一点目は、出荷制限の話なんですが、いろいろな議論があって出荷制限を行い、また、さまざまな影響がありました。その後、我々も要望をさまざま出させていただきました。全県単位をやめて市町村単位にしてくれとか、ハウスのものも露地のものも一緒に扱うのは合理的じゃないんじゃないか、いろいろなことを申し上げて、今、それぞれきめ細かく対応していっていると思います。ただ、残念なのは、これももうちょっと血の通った対応をいただきたいなと思っているんです。
例えば、茨城県の原乳は四月十日付で出荷制限が解除されました。これはどういうふうに行われているかというと、茨城県知事の橋本昌から原子力災害
対策本
部長である
内閣総理
大臣菅直人さんあてに、「原子力災害
対策特別
措置法第二十条第三項に基づく
平成二十三年三月二十三日付け指示について、下記のとおり申請する。」「次に掲げる品目について、出荷規制を解除すること。」「1茨城県において産出された原乳」と。
これに対して、総理
大臣から知事に行く答えは、貴県に対する原子力災害
対策特別
措置法第二十条第三項に基づく指示は下記のとおり変更する。「なお、
平成二十三年三月二十一日付け指示については、引き続き
措置されたい。」「貴県において産出されたパセリについて、当分の間、出荷を控えるよう、
関係事業者等に要請すること。」という、これだけで、要するに、今まで乳製品がだめだったものを、今度はパセリだけになりますよというふうに変更しなさいという通知なんです。
まあ、役所の文書ですから血の通っていないのは仕方ないのかもしれませんけれ
ども、私は、ここでぜひ枝野官房
長官に、こうした出荷制限があった後に、必ず記者会見の場で、安全なんだ、安心して食べていただきたいということを力強くおっしゃっていただきたいと思います。官房
長官が出向いていただいて、いわきのトマトなどをほおばる姿も見ております。非常にありがたいです。
今、一番地元で信頼される
政府の話し手は枝野官房
長官なんです。これは本当にそうなんです。ですから、官房
長官から、我々は自信を持って暫定基準をつくらせていただき、自信を持って出荷制限を行い、自信を持って出荷制限を解除したんだ、私たちは政治家の責任として皆様方に安心した野菜を市場に提供している、乳製品や畜産製品を提供している、だから安心して食べてくださいというのをぜひ記者会見の場でおっしゃっていただきたいのですが、いかがでしょうか。
〔津村
委員長代理退席、
委員長着席〕