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中川(秀)
委員 時間がないので、もうああだこうだということはあえて申しません。
最後の大事なところをもう
一つだけ言わせていただきたい。日本経済それから国家財政とこの
原発問題という問題について申し上げます。
浜岡の運転停止の要請を出した。これは評価する人もいる。しかし、浜岡だって燃料棒や使用済み燃料はその
原発のサイトにあるんです。運転停止したからって、これは冷やし続けなきゃだめなんです。当たり前のことですね、よく御存じのように。稼働してもしなくても
津波が来たら大変なことになる。
なおかつ、あなたは、五月六日に、浜岡の停止要請をした記者会見で、電力需要に対しては十分
対応できると申されましたが、これはほかの
原発が稼働することを前提にしているんですね。ところが、実際どうですか。今回の停止によって他の
原発も停止せざるを得ない
状況にもうなりつつあるんですよ。
なぜなら、十三カ月に一回定期点検が必要なんです、
原発は。十三カ月に一回なんです。地元
自治体の同意を得られないと再開できないんです。菅
総理が浜岡を停止したんだから、うちの
原発もとめろと言う。そうなる。このままいけば、来年の今ごろは五十四基の
原発すべてが停止になる。来年の今ごろ、とまって電力供給不足にならないと断言ができるんですか。法令に基づかずとめたんだからここの
原発もとめろという声を前に、知事さん
たちが
原発再開の同意ができるんですか。
確かに、定期点検から再開するルールがないんです、今、日本は。運転再開するルールがないんです。その都度安全協定などでやってきているんですが、今こそ国の
責任を明確にする新しいルールが必要なので、その再開ルールができるまではあなた自身が各
原発の再開を要請すべきで、そうでなきゃ日本列島全体が電力不足に陥りますよ。日本経済、
地域経済、
国民生活の打撃は避けられませんよ。
だから、あなたみずからが
原発のある
自治体や特に
住民に、行って再開を要請する、そのことをせざるを得なくなると私は思いますよ。そうでなければ、格好のいいことは要請するけれども、点検から再開するのがつらい、そんなことから逃げるのかと言われますよ。そういう
政治的パフォーマンスでいいのかということになりますよ。
もう
一つ、国家財政のことを申します。
原発の現状認識をしっかり把握しないと、これからどの程度の
対応をするか、これがわからない。これはフリップの四ですが、
専門家は、人工地震を利用した弾性波探査と電気伝導度探査によって、どの程度メルトダウンしているのか、そういうことが簡単に調査できると言っています。
保安院はそれをやらなければいけないはずです。そうでなければ今後やるべき対策が決まりません。単なる水冷式だけで、
工程表で今言っていますが、それだけで今後の
対応をしようというのには問題があります。
もう時間がないから、いろいろなやり方があるということは申しませんが、これで費用が全然違うんです。一兆円から二十兆円ぐらい違うんです。一々細かいことを言いませんが、
専門家に聞くとそういうことです。このフリップの一、二、三というのがそうですね。やはりそういう
意味で、単純に水冷式のこの
工程表を、メルトダウンを認めた
段階で、どう変えていくかということをしなければなりません。
そろそろ私の時間が参りましたから、結論を申し上げて、最後に
総理の答弁を求めたいと思いますが、私は、今のような
対応では、国家財政破綻や日本経済破綻のリスクを避けることはできないと思いますね。また、海洋、大気汚染のリスクも避けることはできないと思います。
菅
総理、あなたは、五月二十五日のパリにおけるOECDのスピーチで、日本には昔から足るを知るという言葉があると言って、この言葉が教えているのは適切な欲望の水準を知るということの大切さだと言われたが、私は、遺憾ながら申し上げなきゃなりませんのは、あなたのリーダーとしての
使命は、この言葉を率先垂範して、日本のリーダーがみずからそんな権力欲の過剰さなんかを反省して潔く職を辞したという姿を示すことじゃないかと思いますね。
昔、同じ橋本
内閣の閣僚として、あなたは厚生
大臣として薬害エイズに取り組む、私は一カ月前に起きた高速増殖炉「もんじゅ」の事故の担当
大臣として科学技術庁長官を務めました。あなたは
情報公開の重要性を強調しておられた。私は、アカウンタビリティー、説明
責任、もう事故が起きておりましたから、その重要性を強調しておりました。
原子力安全委員会を科技庁の建物から別のところに移したり、すべての専門分科会まで
会議を公開させました。敦賀へ行って、
大臣と市民と語る会、数百人を相手に数時間語ったことも私もございます。
閣僚席もあなたと隣り合わせでしたが、いろいろ先ほど言ったようなことで熱く語ったことも今思い出しますが、あのときのあなたはどこへ行ったのでしょうか。何か、残念ながら、
情報もうまく政権が続くようにコントロールしようとか、あるいは、都合のいいときだけ記者のぶら下がりに応じようとか、政権の執着だけでやっているような、そんなあなたの姿はちょっと見るにたえない、そんな気がいたします。
先ほど、きのうも
質疑があったけれども、私も、
黄川田委員長の地元陸前高田あるいはまた大槌あるいは大船渡、釜石から気仙沼までずっと行きました。陸前高田も参りました。瓦れき処理なんかは大船渡はほとんど進んでいませんでした。だって、業者に一円も
お金を払っていない。地元の瓦れき処理する業者は、
自分で借金して機械を借りてきて、人を雇い、どこまで進むんですか。もう二カ月半たってそんな状態。
避難所にいる
人たちは貯金も尽きていますよ。仮設住宅にも入れない、義援金は届かない。もう今、本当に日本が、こんな
対応で
国民みんなが苦しめられていると言っても、残念ながら事実であります。
私は、こうした
皆さんの思いをみずからの思いとして、残念ながらあなたに引導を渡さなきゃいけない、そんなふうに言わざるを得ません。次のリーダーに、潔く
辞任をして引き継ぐべきです。
世論調査でも、首相を交代すべきが七割を超えました。あなたの
原発対応を評価しないは七四%、八割、
情報の発信の仕方も八割が問題だと言っている。こうした民意に対して、それでもなおあなたが権力への未練を断ち切れないというならば、
内閣不信任案によって辞職へ介錯することがやはり国会の
使命だ、そういうふうに言わざるを得ません。私
たちはそういう
使命を、残念ながら完遂せざるを得ないんじゃないか。
以上申し上げて、最後に
総理の御反論を伺って、
質疑を終わります。