○園田(博)
委員 昔の仲間なのに嫌なやつだと思っておられるかもしれませんが、理由を二つほど申し上げたいと思うんですね。
当初、
総理に対しては、確かにそのとおりなんです、激励もしましたし、大いに期待もしたんです。なぜ、それが期待できなくなったのか。
第一の理由は、ちょっと表現はよくないかもしれませんが、
総理の御判断の
一つ一つが場当たり的にしか見えないんですね。私は、所信表明とか施政方針演説とか、原稿もよく見ましたし、それを聞いている限り、菅
総理の頭の中で、今、日本が抱えている課題、それから、それをどういう進路をもって解決していくべきかということは整理されているように思ったんですね。ところが、実際におやりになるときに、頭の中で構成されているはずなのに、全然違う、具体的な、頭の片隅にあるようなことがぽっと出てきて、これをおやりになろうとするんですね。
これらは、私から見れば、極めて場当たり的であって、日本の国民の
生活を、一番大事なときなものですから、これは震災に
関係ないんですよ、震災の前から私、申し上げているんですから、大事なときに進路を間違えてしまうんじゃないかと思ったのが第一の理由なんです。
第二の理由は、これは菅
総理だけじゃなくて民主党の
皆さん方にもぜひ聞いてもらいたいと思うんですね。
民主党はさきの選挙で多くの支持を得て、衆議院では絶対多数をおとりになりました。それだけの期待があったんです。ところが、見ていると、菅
総理だけじゃなくて民主党の
内閣に入っておられた
方々も、自分ではお気づきになっていないかもしれませんが、政策決定の動機が私から見ればよくないんですよ。
それは、政策決定の動機というのは、あくまでも、こういう進路をとると、将来、日本の国民
生活というのはもっと充実するであろう、中には途中経過で反対論に遭うかもしらぬけれ
ども、これは政治の進路を定めるべき人の
責任なんだというふうなことが動機であるべきなんですね。
ところが、どうも
一つ一つ見ていると、その決定をすると国民が拍手してくれるだろう、その場その場で。つまり、よく言うポピュリズムですね。こういう体質がやはり民主党全体にあるんではなかろうか。
こういうことを繰り返していますと、いつの間にか日本の国民
生活は不幸の方にどんどんどんどん行ってしまうし、野党は野党で、負けずに、じゃこれをやればもっと受けるかもしらぬ、こうやってしまうと日本の政治はめちゃくちゃになっちゃうじゃないですか。
だから、私は菅さんに、申しわけないけれ
ども、ここは選手交代をされて、日本の政治の質がもっと上がるような仕組みを、一回出直して、民主党としても出直して、そして与野党が切磋琢磨か、場合によっては与野党協力でやっていかないと、これは大変なことになるぞというふうに思うから申し上げたわけでありまして、それに対する答弁は要りません。直接申し上げる機会がなかったので、きょうは特別に申し上げました。
さて、震災なんですが、今度の
法律を見ました。いわゆる
基本法案といいますか、これはそんなに悪くないと私は思っています、
政府から
提案されたものは。理念を間違えているわけじゃないし、極めて必要であって、あとはどういう
組織をつくるかというところだけなんだろうと思うんですね。
私は、特に今回、
現地対策本部なんかが盛り込まれておりますが、こんなものはもっと早くやればよかったんですよ、
法律なんかなくたって。そうしたら、もっと
被災者の
方々にいらいらさせずに
対応ができた
可能性があるんですね。
自民党から出ている
復興再生院かな、
復興庁でもいいんですが、これは、つくったからといって、私は正直言って、縦割り行政の弊害がなくなるとは思っていないんですよ、これは
谷垣総裁もけさ言っておられましたけれ
ども。問題は、つくって本当に
政治力が主導できるかどうかなんですよ。これができなかったら、かえってつくらない方がいいですよ。来る人
たちが出身官庁の
意見ばかり言っていて、それを主導できなかったら、これはめちゃくちゃになっちゃいます。その辺も含めて、ぜひ与野党で話し合って、どこかで成案を得られればなというふうに
思います。
それから
内閣法改正、
大臣とかいっぱいふやすというやつ、これは私は反対です。さっきから聞いていると、
阪神・
淡路のときは二十人いたんだとおっしゃるけれ
ども、それは行政改革の前、省庁も
大臣も多過ぎるというんで十七に変えたんですから、
阪神・
淡路と比較することはできないんですよ。
ただ、厳密に言えば、
復興担当
大臣を一人置くことぐらいまでは私は必要だと
思います。それ以外は、ただでさえ多過ぎますよ。
大臣がじゃなくて、やれ
補佐官、副
大臣、政務官、こんな人
たちがいっぱい入って、一人ずつ見ると一生懸命やっておられるんですよ、やっておられるんだけれ
ども、結果的には
組織立った活動ができなくて、
対応できなくなっている
可能性も私はあるんじゃないかと思うんですね。
そこは、民主党の
方々からは多く採用したいでありましょうけれ
ども、もっと与党と
政府のやる仕事というのをもう一回整理されてやられたら、民主党全員で取り組めばいいじゃないですか。
これは、私は
内閣法改正案については反対ですから、よく考えていただきたいというふうに
思います。
それから、
震災復興に対して幾つか
提案があるんですが、
一つは、
被災地を特区にして、特別な条件のもとに
復興していくんだという
考え方を時々言っておられます。これは私は間違いじゃないと
思いますが、私は、いっそ、道州制とまでは言いませんが、主として被災三県だけじゃなくて、青森にも山形にも秋田にも、ひっくるめて特区にして、県を越えていろいろな
対応ができるようにした方が、さっき玄葉さんだったかな、
被災地復興、東日本の
復興を日本の
復興の先達役としてやりたいんだとおっしゃっていました。もしそうであれば、そのぐらいのスケールでこの
復興について考えたらどうかなと
思いますが、これは
総理の御
意見はいかがでしょうか。