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柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。
この
法律は、もとをただすと
昭和四十六年に制定されて、そして適用期限を三回延長して今に至っている。
昭和四十六年というと私が生まれた年でありまして、この四十年間、まさに
公害の
防止の進展に寄与してきた、そうした
法律であることに疑いの余地はないというふうに思います。
公害財特法五条に基づいて、
公害防止対策事業に係る
地方債の元利償還金の
基準財政需要額への算入が行われています。算入措置額は、
平成十三年度から二十一年度の間に五兆五千六百十億円、
平成二十一年度は五千七百六十二億円。
今回、この元利償還金の
基準財政需要額への算入については、特段、この
改正法案について変化が行われておりません。今回の法案における
交付税措置策の継続、これ自体を私は問題視するわけではありませんけれ
ども、しかし、
地方債の元利償還金を
基準財政需要額に繰り入れて地方
交付税で措置するというこのやり方については、さまざまな
議論の
対象にもなってきましたので、この法案
審議の場において、少しこのことについて取り上げさせていただきたいというふうに思います。
地方債の発行に伴う元利償還金の地方
交付税措置ということを行ってきたことによって、後年度、地方
交付税により国から財源保障を受けられる、こうしたことによって
財政力の弱い
自治体が必要な
事業を行える、こういうことにも寄与してきたわけです。一方、どうせ後から地方
交付税で措置されるからということで、地方の側が、ある種
必要性を度外視して、やや安易に
事業に手を挙げる、こうしたことの誘因になってきたのではないか、こういうふうにも批判をされている
部分もあります。
私は、ちょうど長野オリンピックのときに、長野でNHKの記者をやっていたんですが、オリンピック
施設の建設に当たって、こんなに巨額の
財政負担で
施設をどんどんつくって大丈夫なんですか、こういうふうにお尋ねをしたことがあります。その当時、長野県の副知事さんが、これは有利な起債を活用しているから大丈夫なんだとしきりに答えていたことを思い出すんです。今思えば、まさにこの有利な起債というのが、
交付税後年度措置を受けて行われる
地方債の発行そのものだったんだというふうに新人記者時代を思い返していたところであります。
地方
交付税というのは、簡単に言えば、地方
自治体が仕事をするのに必要な金額をはじき出した
基準財政需要額と、当該
自治体が得ると
考えられる税収をあらわす
基準財政収入額を比較して、足りない分を国が補てんする、こういう制度です。したがって、
基準財政需要額が膨らんでしまえば、それだけ
基準財政収入額との差額が大きくなって、
交付税総額が膨らむことになるわけです。
今や
交付税の総額は十七兆円ということで、さらに、それでは足りないで臨時
財政対策債を、減らしたとはいっても六兆円発行することになっている。そして、財源不足による
交付税特会の借入金は三十三兆、こういう水準になっているわけです。先送りに先送りを続けてきた特会借入金の償還として、
平成二十三年度、申しわけ程度に一千億円計上されていますけれ
ども、膨らみに膨らんできた特会の借金返済は、今後に向けて、大きな
財政への負担となるわけです。
地方債の残高についても百四十一兆円、
交付税特会の借入金の地方負担分を含めた地方の借入金の総額も二百兆円、こういうことになっているわけです。
こういう
状況をもたらしてきた一因が、今回のような、まあ今回が悪いと言っているわけではありませんが、しかし、
地方債の元利償還金を
交付税で措置するという、この国の手法だったというふうに
考えられます。
二〇〇五年の、慶応大学の土居丈朗教授と財務省の財務総合政策研究所の別所俊一郎さんという方の共同研究によれば、地方
交付税交付金を通じた
地方債の元利補給について、その規模が何と
交付税交付金の三〇%に上っている、こういう結果も示されています。
そこで、まずお
伺いをいたしますけれ
ども、こうした措置が現在、どのような
事業を
対象に、どのような規模で行われているのかということをお
伺いしたいと思います。