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遠山委員 財務大臣、ぜひこの点は、これはもう民主党さんも野党時代からずっとおっしゃっていることでありますが、
政府関連機関、公的、
独立行政法人等も含めて、そこに、私は何も役人OBがすべてだめと言うつもりはございません。適材適所でやっていただくというのがどんな組織でも大原則だと私は思います。ただ、今回、一度
統合したものを分離
独立するわけですから、その上で組織が肥大化する、役員数がふえるということになれば、これは
国民の理解が得られない、このように考えておりますので、ぜひ、
大臣のリーダーシップでその点は徹底をしていただきたいと思います。
続きまして、お手元に資料を三枚配らせていただいております。これは
財務省、
JBICからいただいた資料でございますので、
大臣、副
大臣はよく御存じの中身だと思います。
先ほど言及いたしました二月十六日の
予算委員会でも私は取り上げたわけでございますが、
JBICの今日までの中堅中小
企業の支援については、私個人としては、極めて弱かったと。多くの
海外進出を希望する
日本の中小
企業にとりまして、
JBICというのは、端的に申し上げれば敷居の高い
金融機関でございまして、この点については抜本的な改善が必要だと私は主張してきたわけでございます。
資料一を見ていただきますと、もう
大臣重々御承知だと思いますけれども、「中堅・中小
企業向け」の件数は、二〇〇八年度で二十一件、翌年はたったの七件、昨年度は十四件ということでございまして、全体数も百幾つで少ないわけですけれども、「中堅・中小
企業向け」はさらに少ない。二〇〇九年度は一けた、こういうことになっているわけでございます。
財務省の官僚の皆さんには個別に申し上げましたけれども、私は今、九州、沖縄が地元でございますが、現場をいろいろな機会で回っておりまして、非常に衝撃を受けるような付加価値の高い
技術を持った中小
企業によく出会うんです。
例えば、あえて特定の
企業のお名前は申し上げませんけれども、大分市の郊外で私が訪ねた
企業は、見かけだけで申し上げればプレハブの平家建てでございまして、従業員も十五名前後の会社でございました。ところが、会社の中に入りましたら、社長みずからが
技術を持っておりまして、
日本全国の水力発電や
風力発電のターボの設計でトップクラスなんですね。さらに最近は、韓国とか他の国の、先進的な、まさにグリーンイノベーションの
世界で利用されるような新しいタイプの
風力発電のターボも、私がお会いしたこの若い社長さんが設計をしておりまして、目の前で設計図を見せられて大変驚いたわけでございます。
それから、先般、もう一件、これは福岡の会社でございますけれども、タイル張りのビルのタイルが浮き上がってきたり剥落をしたときに、従来は、
日本のスーパーゼネコンも含めて、全部その剥落した、浮き上がったタイルをはがして、再度もう一回タイルを張り直す、こういう工事を行ってきたわけですが、騒音は起きますし、粉じんは上がりますし、それから、つけかえたタイルと古いタイルが当然色が違う、見ばえがよくないという問題がありました。
そこで、ある中小
企業が
開発したドリルがありまして、これはドリルがすごく静かなんですね。掘っている最中に粉じんを水でバキュームで下から取り込んで、全く音が出ない。そして、タイルは張りっ放しのまま、中に樹脂を注入して、全部ビルを張りかえてしまう。私はこれは大
企業の
技術だと思ったら、非常に小さなところが
開発をしておりました。こういった
技術は、これからまさにいろいろな建物が建つであろう
成長率の高い
アジアで十分活躍できる余地のある製品でございまして、これは大手メーカーではございません。
私は、今この二例だけ申し上げているわけでございますが、恐らくこの
委員会に参加されているほかの議員の方々も、それぞれの地元で、これだけ付加価値の高い
技術は
海外で使える、こういうものがあると思うんですね。そういうところを、私は
JBICにも、分離
独立を機会に生まれ変わった気持ちで、ぜひ支援していただきたい。
そこで、
大臣に
提案があります。
私がお渡しした資料二をちょっと見ていただきたいんです。
これは、今回の法改正がなくても、現行法でできる形で中堅中小
企業の
アジア地域等への進出を支援する体制のイメージ図でございます。私はこれをいただいて、なるほど、こういう形で強化していただけるならありがたいとは言ったんですが、一点、注文があるんですよ。
というのは、このポンチ絵をよく見ますと、要するに、この
JBICから矢印が出ているのは全部「本邦
金融機関」、要するに地銀ですよね、中小
企業を
顧客で抱えているのは地銀ですから。地銀だとか、あるいはジャパンデスクを置いている
アジアの「地場
金融機関等」、そういうところに
JBICは全部矢印があって、肝心の真ん中の「
国内の中堅・中小
企業」というところに、
JBICはダイレクトに矢印が引いていないんですね。
つまり、これは私も
財務省の皆さんと話してわかったんですが、
JBICは、中堅中小
企業を支援しますよ、だけれども、中小
企業の
顧客をいっぱい抱えている地方
銀行を通して支援しますよという図なんです。
私、正直申し上げますが、別に地方
銀行を軽視しているわけじゃないですよ。しかし、
日本の各都道府県にある信用金庫だとか地元の地方
銀行が国際
金融の事情に明るくて、そしてまた、地方の中小
企業が
アジアに進出するときにどういう手続でどういうノウハウをもってするかということについて明るい職員が必ずしも地銀の各
支店にそろっているとは、私は、私の経験上思っておりません。
ですから、私、
財務省の職員の方にも直接申し上げましたが、もっと
JBICが直接、私がさっき紹介したような高付加価値の
技術を持ったところの社長さんと相談をしたり、場合によっては掘り起こしていただいて、そして、ベトナムだとかシンガポールとかマレーシア、中国は当然なんですけれども、そういうマーケットに進出を
後押ししていただきたい、こう思っているわけでございます。
資料三は、もう私は詳しく
説明はいたしませんが、これはお話し合いをする中で
最後の方に出てきた新しい体制でございまして、今、この字だけしか見ていませんのでわかりませんけれども、本当にここに書かれているような体制で、
JBICの職員みずからが、
日本の地方で頑張っている、これだけ不景気の中で頑張って
技術力を維持しているところを支援するということを現実にやって、結果を出していただきたい、こう思っておりますが、一言、
大臣、いかがでしょうか。