○江田(康)
委員 最後になるかもしれませんけれども、
医療提供体制の危機についてお伺いをさせていただきたいと思っております。
これは、事故発生当時から、
南相馬市の
医療関係者の
皆様から届いてくるその声を常に察知しながら、私は
質問に上げてまいりましたが、今回もまた大変大きな問題が生じております。
福島県
南相馬市というのは、もう
皆さんも御存じのように、二十キロ圏内の避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域、三十キロ圏外と四つに分かれたんです。
政府の自主避難などで多くの方が自主避難されましたから、一たんは一万人ぐらいに激減しました。ところが、解除されて、今四万人近くまで戻っている。
この中で、緊急時避難準備区域に入っておられる区域は、四つの総合病院があるんですけれども、
政府が入院の受け入れを規制しているんですね。それは、入院患者は緊急時の避難が困難という理由であるようでございます。三十キロ圏外に
相馬市があります。
相馬市の
二つの総合病院がありますが、これは入院機能を持っているけれども満床だということで、そこも受け入れは困難になっている。
そこで、脳梗塞とか心筋梗塞とか救急
医療が必要な患者さんは、時間を争っているのに、わざわざ福島市とか仙台市まで搬送しなければならない。極めてこれは危険な綱渡りをしているわけであります。さらに、入院規制があるために、
南相馬市の病院は外来のみということですから、入院はできませんから、収入は激減ですね。それで、病院経営自体も危うくなっている。
果たして、緊急時避難準備区域といっても、住民はそこに普通に暮らせるようになっているわけです。ロードマップが示されましたけれども、原発の対応が長期にわたることが公表された今、その長期間にわたってこのような危険な綱渡りを厚生労働省はさせていくんですか。病院間の連携で対応するといっても、それはできていないのが現状だと聞いております。
本当に入院規制が必要なのかどうか、この点を明らかにしないといけないと
思いますが、このままにしておけば、せっかく震災で助かった命が助からない、救えないというようなことにもなりかねないわけであります。一体何を
政府はしているのか。
政府というより、政権は何をされているのか。市民の政権に対する信頼はもう地に落ちております。
政府は、政治というのは、新たな発表をしたときには、それがどんな影響があるのか、入院を規制すれば救急
医療は崩壊するということを想定しているのか、それに対応できるようにしていくというのが政治であり、
政府ではないですか。このような失敗を一度ならず何度も繰り返されているから、私は何度も取り上げているわけであります。
厚生労働
大臣はこの
南相馬市の問題を本当にわかっているか。
現場に入って
現場の声を聞いているか。私は、今の政権には
現場の声が届いていないということを言わざるを得ないと思っております。このような
状況をどうするのか、
政府の見解を問います。いかがですか。