○古川(禎)
委員 ということは、現在の避難の指示のあり方に変更の予定はないということですね。
いずれにしても、現地の皆さんは、日々の
生活難、あるいは将来への不安、これから
生活をどうしていこうか、そういう問題に直面をしているわけですね。日々刻々それに直面しているわけなんです。そこに対して明快な姿勢を、例えば補償の行方も含めて政府がきちっと示してあげなければ、
生活が成り立たないということですから、ここは大事に
考えていただきたいと
思います。
次に、原発事故について御質問をいたしますが、これは取り返しのつかないことになってしまったと
思います。現代の文明
生活を謳歌する一人として、私は、今の世代の私
どもは取り返しのつかないことをしてしまった、特に子供たちに対して取り返しのつかないことをしてしまったという非常に大きな衝撃を受けております。
地震が発生した直後、制御棒が挿入されて原子炉は停止をいたしました。さすが
日本の原子力技術ですね。しかし、その後がいけないわけです。日々刻々深刻化していく
事態。まさに、これはある意味人災である、あるいは
危機管理の失敗である、そう言わざるを得ないと私は思うんです。
中山政務官にこの具体的な封じ込め策についてお伺いをしたいわけだけれ
ども、その前に、
一つどうしても私申し上げたいのは、
危機管理というものは、最悪の
事態を想定してなされるべきものであります。しかし、今回の政府の
対応を見ていますと、どうも、炉心は大丈夫だろう、燃料プールも生きているだろう、外部電源をつなげば電気系統も生き返るであろう、そういう楽観的なシナリオのみによっているのではないか、そう思わざるを得ないんですね。その結果、次から次に起こる深刻な
事態に対して、常に対症療法的に、
後手後手に回るような
対応しかできない、こういうことではないかと私は思うんです。
菅総理
大臣が、
震災発生翌日の三月十二日の早朝、本来でしたら、情報をかき集めて、
対策の指示を官邸で打たなきゃいけない大事な初動のタイミングですよ、そのときに、ヘリで原発の
一つを視察に行かれた。それによって決定がおくれ、作業がおくれたということの
指摘が政府内でも上がっているということを聞いておりますが、これは大変問題ですね。
しかし、それ以上に私問題があったと思うのは、視察に行かれた総理が、何の
根拠があってそういうふうにおっしゃったのかわからないんだけれ
ども、大丈夫だ、
危機的状況にはならない、そういう見解を示された。実はこれが、その後の最悪の
事態も想定しながら打たなきゃならなかった
危機管理、それを楽観的な
部分に限定させてしまうことになったんじゃないか、私は、返す返すも、そういうふうに思われて残念でならないんです。
だって、あの
地震のあった当日夜において、既に保安院も、冷却しなければ大変なことになるということはよくわかっていたわけじゃありませんか。
そして、総理がヘリに乗って現地に飛ぶ前の時点で、既に放射性沃素の高いレベルが検出されているわけでしょう。これは、炉心が損壊しているということを示す証拠じゃありませんか。そういう状況の中で出かけていって、大丈夫だ、そういう楽観的なところに政府の
危機管理の方向性を限定してしまった、これは痛恨のきわみだと僕は思うんですよ。この原発の
危機管理というものは、私は、政府の重大な瑕疵があると思っております。
いずれにしても、最悪のことを想定して、あらゆるオプションを排除せずにやるべきものだと
思いますが、中山政務官、政府において今、今私が申し上げたようなことも踏まえて、こうだという
対策をとるんだということを示すものがあればお知らせください。