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柿澤委員 今の御答弁ですと、
子ども手当の
制度が導入される前の調査でありますが、所得階層にかかわらず、経済的な問題、また現物
給付的な
保育園の待機児童の問題、こうしたことを出産、育児における障害と感じている比率は余り変わらない、こういう話だったというふうに思います。
そうだとなると、なおさら、今回の見直しに当たって所得制限を課するということを受け入れる根拠が皆さんの側からはなくなってしまうのではないか、結局これは、
自民党さん、
公明党さん、こうした
児童手当をつくってきた側からの要求にある
意味では屈して、こうした形で考え方を変えたということになるのではないかと思います。
さて、みんなの党は、結党以来の精神として、地域主権ということを
主張しております。なぜか。住民生活にかかわる行政サービスは住民に近いところで判断して行うのが最適かつ効率的な行政につながる、こういう
基本的な考え方があるからであります。
では、
子ども手当はどうか。国による一律の現金
給付であり、さまざまなニーズを抱えた全国のどこの自治体でも、どのようなニーズがあるかは捨象して、一万三千円、二万六千円、あるいは一万円、一万五千円、こういう現金を配る。ある
意味でこれは、国がたくさん集めてたくさん配るという、これまでの中央集権的な国の政治の象徴とも言えるような施策だというふうに私は思っています。だから私たちは、この
子ども手当、国による全国一律、金太郎あめ的な現金
支給は反対をしているんです。
初めての
子ども手当の
支給根拠法となった、鳩山
内閣当時の、
平成二十二年度における
子ども手当の
法案の
審議も私担当しましたが、そこで、印象に残る二つの
言葉がありました。
一つは、
自民党のあべ俊子先生の
言葉で、国会の方では待機児童の話がいつも話題になりますが、私の地元では
子供がおらぬので、
保育園の人数が集まらないという問題があるときに待機児童の話で議論されてしまうのは、全く地域のばらばらを無視していることだなと思うのであります、こういうふうにおっしゃられたんです。
これは私にとっては非常に衝撃で、小宮山副
大臣も東京ですからおわかりをいただけると思うんですけれども、私の地元も江東区で、豊洲とかでマンションがどんどん建っていますので、幾ら
保育園を二十園、三十園つくっても、四百人、五百人の待機児童が毎年出てしまう。住民の要望も大きくて、入れないから何とかしてくれ、こういうふうに言われるわけです。だから当然、
子育て支援、少子化対策というと、まず考えるのは待機児童の問題なんです。しかし、中国地方、岡山県ですか、あべ先生にとってはそうではない。これは結構、私にとっては衝撃的な
言葉でありました。
つまりは、事ほどさように、そもそも、
子育て支援において何が必要か、地域によってニーズがこれほどまでに違うということなんだというふうに思います。
もう一つ、印象に残る
言葉がありました。三重県松阪市の山中光茂市長、
子ども手当を当初の二万六千円の満額
支給をすると、
子ども手当支給分として国からおりてくるお金は人口十七万人の松阪市で七十六億円、これは松阪市の個人市民税の税収に相当する額だということだと。これだけのお金があったら、松阪市は毎年毎年無税地域を
実現できる、市税は取らなくていい、こうなっちゃう。松阪市の
保育園、四十ぐらいあるそうですけれども、
保育園全部無料化しても、七十六億の一割、八億円でできる。給食費も、小中全部無料化するのも二億円でできる。こんな額を国から一律
手当で配れと言われるよりも、この半分の額でいいから、自治体が自由に使える金として
交付してくれたらと。給食費、
医療費の無料化や放課後児童クラブ、地域の
子育て支援センター、大概の地域の
子育て政策の課題はこれによって解決してしまうだろう、こういうふうにおっしゃっていました。
今回、もちろん一万円、一万五千円ですから七十六億円とはいかないでしょうけれども、仮に三重県松阪市においてこの
法案に沿って
給付を行うとすると、
支給額、国、地方の負担額はそれぞれ年間ベースで幾らになるのか、お尋ねをしたいと思います。