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阿部委員 お取り組みいただいていることはもう前提ですので、しかしそれだけでは足りないだろうという趣旨なのです、
質問は。
例えば、タイム誌、タイムという雑誌があって、そこに取り上げられた菅野武さんというまだ若い
医師でしたが、この方は、公立志津川
病院で、どんどんどんどん
津波が上がってくる、
患者さんを救いながら自分も屋上まで行き、屋上で二日間ヘリコプターが来るまで待つということで、タイム誌が取り上げた日本の
医師の一つの献身的な姿でありました。
彼はもともと自治医科大学の御出身で、この
被災に際して、実は、自治医科大学は、OBの皆さん百人余りがいろいろな形で
支援に入っておられます。
私は、ぜひ
大臣にやっていただきたいのは、これは自治医科大学のそうした取り組みにもきちんとヒアリングをしてみて、どんなふうに拠点配置したらいいのか、あるいは、そのほかにもいろいろ現地で頑張ったお医者さん
たちがおられますから、それをしっかり
厚労省が酌み上げて、そして、どことどう
連携を、ネットワークをつくっていくのか、今がそうしたビジョンをかく時期であります。
そして、今までよりもまさる活動をしているところもいっぱいあると思います。この公立志津川
病院では、もう一人、菅野さんの上司の西澤先生という方も、
地域の、むしろ出向く診療を広げたり、気仙沼の市立
病院でもそうですし、
石巻でもそうです。
私は、そうしたことを
厚労省がしっかり聞いていただくことによって新しいビジョンやマッピングができてくると思います。正直言って、このまま
政府の
復興会議や、あるいは、あの税と
社会保障の一体改革の
会議も、
震災後は実は
厚労省が全然出ていないところで
会議が行われてまいりました。私にとっては、それで本当にこの
復興から立ち上がるためのビジョンが描けるんだろうか。
あすですか、きょうですか、
厚労省からも御提案があるということですが、もっとお聞き取りいただいて、本当に命を支えるネットワークができるようにしていただきたいし、そのことが
細川大臣の大きな役割でもあり、
大臣ならできると私は思っています。心優しく、そして人の話を聞くのに本当に真摯だからです。
今それをやらないと、はっきり予測されることは、税と
社会保障の一体改革はとにかく消費税を上げたいというお話であります。その一方で、選択と集中と言われて、
地域の実際の下支えは切り捨てられかねません。
私は、一人の
医療者として大変懸念しておりますので、まず
大臣には、今申し上げましたこと、聞くべき相手はたくさんいると思います。本当に一人一人、
医師たちは頑張られました。看護師さんもそうであると思います。その他の
医療スタッフも、皆さん苦しい中頑張られたので、その経験を酌み上げるということをぜひお願い申し上げたいと思います。
次の
質問に行きます。
次には、
被災した
介護保険
施設などの関連で、お手元に資料をお届けさせていただきましたが、これはこの
地域にございますいわゆる
介護保険関連の
施設がどのように
被災したかであります。
政府の調べでは、三県で四十七
施設、そしてお亡くなりになったり行方不明になった方は四百二十四人ということでありますが、一方、共同通信社の調べでは、壊滅的
被害をこうむった
施設が
岩手と
宮城だけでも五十三
施設、お亡くなりになった方も四百三十八人と、少し数値は違ってございますが、いずれにしろ、たくさんの数のこうした
介護の拠点が失われております。
そして、今
政府ではそれらの再建のために経済
支援をなさるということは伺っておりますし、おのおのかさ上げをなさっていることも存じておりますが、だがしかし、先ほど来御
質問にありましたように、新たな用地を取得してそこにかかわる土地の代金、あるいは建物も、何分の何かは補償されたとしても、それを二重ローンを抱えながら大変人件費比率の高い
介護の分野を
提供していくということは、至難のわざとは申しませんが、やはり非常に現実的に困難が多いと思います。
細川大臣にあっては、どのような手だてで、やはりただでも実はこうした御高齢者の
介護の拠点は少なかった
東北地方です、ふやしていかねばならないときに、よりふやしていけるためにどんなお取り組みをなさるのか、これもお願いいたします。