○
山内委員 時間がないので、一方的に
意見というか提案を言わせていただいて、もしよろしければ、最後に一言コメントをいただければと思います。
私、たまたま仙台のNPOセンターというところに大学時代の友人が働いていて、
厚労省に雇用創出基金事業というのがあって、そこで急遽、震災対応でもこういうスキームが使えるようになって、しかもこれはNPOが使ってもいいと書いてあります、これはなかなかいい制度なので、その友人に教えてあげたんです。そうしたら非常に興味を持ちました。
NPOの
人たちが知っていたら喜ぶスキームがあるのに知らなかった。これは、こういう現場で日々
被災者と向き合って働いているNPOの
人たちというのは、インターネットを見ながら
厚労省のスキームを一件一件見ていく時間もなかなかないと思うんです。
ですから、いいスキームをせっかく持っているんですから、メニューをつくって、どういう使い方をすればいいか、あるいは、場合によっては
厚労省の若い職員の人が現場の近くに行って、NPOの
人たちにこういうスキームがありますと申請書の書き方まで教えてあげる、そういうきめの細かいサービスをやれば、せっかく既存のスキームだけでもやれることはたくさんあるのに、例えばこのスキームだと、瓦れきの撤去、
支援物資の仕分け、仮設住宅運営のコーディネート、そういうところにお金がつけられると書いてあります。
いいものを持っているんだから、活用してもらうために、もっと自分の方から、
厚労省から出かけていってサービスをする、こういうことも必要なんじゃないかなというふうに思います。
それと、二点目。外務省は、NGOと正式な定期
協議というのを十年以上前からずっとやっております。ODAの分野では、
日本に限らず先進国はどこでもそうですけれども、NPO、NGOと政策当局がフォーマルな場で政策対話をやってお互いに
意見交換する、こういうことをやっております。
厚労省は、多分インフォーマルなそういう場というのは過去にもあったと思うんですけれども、ぜひ正式な政策対話というか、
被災地でやっているNPOの
人たちと例えば
政務官とか副
大臣レベルの人が行ってひざを交えて
意見を交換する、そういう場というのを持っていただくと、現場の情報がダイレクトに入ってくるし、お互いにとっていい関係が築けるんじゃないかなと思います。
そういうことを外務省ではもうやっていますので、ぜひ
厚労省でもやっていただければなということを
一つ御提言申し上げたいと思います。
それと、もう時間がないので、一方的にもう
一つ言いたいと思います。
阪神大震災の後に一気にボランティア活動が肯定的に評価されて、
国会でもNPO法ができました。ある
意味で阪神大震災というのは、大変悲惨な事件でありましたけれども、その後のNPOの第一次の発展期のきっかけとなったというような効果もあると思います。今回の
東日本大震災でも、多くの若い
人たちがボランティアに駆けつけて、阪神のときに生まれたNPOが、今回、そのときのノウハウを生かして非常にいい仕事をしている、そういう事例もたくさんあると思います。
今後、阪神のときに広がったこういうNPOの流れを
政府としても後押しするような仕組み、特に情報提供が大変重要ですけれども、同時に資金面の助成というのが今後は私は必要だと思います。
被災地の自治体は予算的にも非常に厳しいと思いますから、三年でも五年でも区切っていいと思いますので、そういう
被災地で活動するNPOに対する助成を国としてやってあげるということが非常に重要だと思います。寄附金の優遇に関しては別途税調とかでやってもらっていまして、そちらにも期待しておりますが、あわせて、直接的に事業費を補てんする、助成する仕組みというのが非常に重要だと思います。
大体、先進国の平均を言うと、寄附半分、公的補助半分みたいなケースが非常に多いわけですね。ということは、
日本の国内のNPOは、給食サービスみたいにコストをリカバリーできる部分は別として、相手が障害のある方、
子供、そういう場合はなかなか料金を徴収できないサービスも多くなりますから、もっと
政府として資金の援助をやっていく。寄附が半分、公的助成が半分ぐらいが私はベストのバランスかなと思っております。
日本の場合はこれまで、行政が優秀だったがゆえにNPOの発展がおくれているという側面があります。そういった
意味では、これからこの震災を境にNPOに対する公的な助成をもっと拡大していただきたいと思いますし、そのときに、
役所は金も出すから口も出すという形には絶対にしてはいけないということが言えると思います。
例えば、国際社会における難民援助の例なんかでいうと、国連のUNHCRという機関がありますが、UNHCRの職員が直接難民
支援をすることは実は余りありません。ほとんどの場合、国連機関というのは、現場のNGOと業務委託契約を結んで、実際に作業、サービスを提供しているのはほとんどがNGOです。お金を出しているのが国連というパターンがほとんどです。
そういう
意味では、国際スタンダードに近い形で、ある程度NGOの自由度を高めて、かつ、この仕事をやったら幾ら出すみたいな公共事業の発注みたいなやり方ではなくて、逆ですね、プロポーザルをNGO、NPOから出してもらって、それが
厚労省の掲げるミッション、
厚労省の業務の範囲内であればそれに予算をつけていく。そういう形で、民が主導の事業に対して
政府として
支援をしていく、そういうスキームを今後はふやしていくことが必要だと思いますし、民主党政権がずっと言ってきた新しい公共の
考え方にも合致していると思うんです。
そういう新しいスキームをこれを機会にどんどんつくっていただきたいというふうに
考えております。それについて
政府のお
考えをお聞きします。