○海江田国務
大臣 電気事業者による
再生可能エネルギー電気の
調達に関する
特別措置法案並びに
電気事業法及び
ガス事業法の一部を改正する
法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
まず、
電気事業者による
再生可能エネルギー電気の
調達に関する
特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
資源価格の乱高下や国際的な資源獲得競争が激化している中、
我が国のエネルギー供給における化石燃料の占める割合は依然として高い水準となっております。化石燃料の大半を海外からの
輸入に依存している
我が国にとって、エネルギーの安定供給の確保のためには、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの純国産エネルギーである再生可能エネルギーの導入拡大は必要不可欠です。このため、再生可能エネルギーに由来する電気の導入の比率を高めていくことが重要です。
また、
国内外で地球温暖化対策の強化が求められる中、再生可能エネルギーに由来する電気は、発電段階で温室
効果ガスを排出しないという強みを有しており、地球温暖化対策にも資するものであります。
加えて、
我が国経済を成長軌道に乗せるためには、昨年取りまとめた新成長戦略を着実に実現させることが重要です。中でも、
日本のすぐれた環境技術・製品を
国内外に展開し、成長と雇用の確保を実現するグリーンイノベーションに向けた
取り組みの推進は喫緊の課題であり、再生可能エネルギーの導入拡大は、関連産業の成長を通じた市場の確保と雇用の増大に大きく貢献するものであります。
こうした点を踏まえ、本法案により、再生可能エネルギーに由来する電気について固定価格買い取り制度を導入し、再生可能エネルギーを用いる発電設備の設置に関して投資回収の不確実性を低減させ、その導入拡大を一層促すことといたします。
次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、
経済産業大臣が認定する再生可能エネルギー発電設備から得られる電気について、
電気事業者に対して、
経済産業大臣が定める一定の期間、一定の価格により
調達する契約の締結に応じるよう義務を課します。
第二に、
電気事業者が
調達に要した費用については、賦課金という形で、すべての電気の需要家に電気の使用量に応じて御負担いただくことといたします。その際、再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギーの安定供給の確保及び温室
効果ガスの削減という
国民全体の利益となるものであることにかんがみ、
地域ごとの再生可能エネルギーの導入
状況の違いにより賦課金の負担に不均衡が生じないよう、
経済産業大臣が賦課金の単価を全国一律で定めるなど、所要の
措置を講じます。
第三に、
電気事業者に対して、再生可能エネルギーに由来する電気について、一定量の利用を義務づけてきた
電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別
措置法は、今般、再生可能エネルギーの導入拡大
効果がより大きいと見込まれる固定価格買い取り制度を導入することから、廃止することといたします。ただし、既存の発電設備の運転に著しい影響が生じないよう、必要な経過
措置を講じます。
続きまして、
電気事業法及び
ガス事業法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
現在、エネルギーの安定供給確保や地球温暖化対策、グリーンイノベーションの促進といった
観点から、再生可能エネルギーの導入拡大が
我が国にとって重要な課題となっております。
こうした中で、再生可能エネルギーの導入拡大のために提出した、
電気事業者による
再生可能エネルギー電気の
調達に関する
特別措置法案に基づくいわゆる買い取り制度を円滑に実施し、あわせて、再生可能エネルギーの導入拡大に関する規制の合理化等を図るため、本
法律案を提出した次第であります。
次に、本
法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、買い取り制度による賦課金等、法律により国が定めた外生的、固定的なコストの変動に起因する料金等の改定については、簡易かつ機動的な手続として、事前
届け出により行うことができることといたします。なお、公益事業に係る規制の整合性の
観点から、
ガス事業法についても同様の
措置を講じます。
第二に、再生可能エネルギー活用のすそ野を広げる
観点から、現在、送配電ネットワークの利用が認められていない、
地域限定の
電気事業者である特定
電気事業者が、再生可能エネルギー等の外部電源を
調達できるよう、送配電ネットワークの利用のための制度を整備する等、規制の合理化を行います。
第三に、買い取り制度により送配電ネットワークに接続する発電設備が増加し、その接続に当たっての紛争の増加が予想されます。このため、発電事業者と送配電ネットワーク運用者との間の紛争が適切に
解決されるよう、
体制整備を行います。
以上が、両
法律案の提案理由及びその要旨でございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。