○平井
委員 それでは、法案関係の
質問はこのあたりにさせていただいて、先ほど
望月委員の方からあったシステムのことについて、恐らく国
会議員ではそのいきさつも含めて私が一番詳しいと思うんです。ですから、答弁はしなくて結構でございますので、話を聞いておいてください。
結局、これはどういう流れで起きたかというと、
特許庁さんは、データ通信役務
契約という
契約、要するに、これはベンダーが開発した後で請求書が回ったらその言いなりに払う、ぼったくりすし屋の勘定をずっと払い続けていたという
現状を見かねた当時の我々自民党が、それを一回清算しろ、それぞれの所有権も確定した上で手切れ金も渡せという
状況があったわけです。それで一般競争入札にして、それは始まった。
当時、
特許庁は、システム関連の開発では優等生だったんですよ。一番最初にこのデータ通信役務
契約をやめ、整理をし、そして新しい一般競争入札を始めた。そこまでは優等生だったんです。ところが、今回は劣等生に転落している。この間は、やはり政治家の責任もあると私は思うんです。
自民党はずっとe—Japan特命
委員会とかいって、私はずっと当選以来やっているんですけれども、それぞれ省庁のシステムの開発に関して、赤信号、黄色信号、青信号、このまま行っていいよ、これだったら予算がつけられないから一回とめろ、それをずっとやり続けたんですよ。これは一朝一夕にできることではありません。しつこくずっと勉強して、それに対して具体的なヒアリングもし、なおかつ確認をしながら進めていたんですね。これは自由民主党の隠れた政治主導のいいところだったと思います。(発言する者あり)本当にそうなんですよ。
それにかわる機能は、残念ながら今民主党にはありません。それは自民党とか民主党とかいうことじゃなくて、今後
考えていかなきゃいけないことではありますが。ここでよくわからないのは、担当が玄葉
大臣なのかだれなのかということなんですね。このIT担当
大臣、どんどんかわられて、だれだということになって。
それで結局、何でこんなに変になったかというと、大きなシステムの開発というのは物すごいリスクがあるんですよ。そのリスクを発注者と受け手側の
企業がシェアして一緒に進まなきゃいけないんです。ほとんどのコンピューターのシステムの発注というのは、今まで人を減らすとか保守のお金が下がるとか、要するにどれだけ業務を効率化できるかという発想だったんですが、
特許庁のこの基盤のシステムは違ったんですね。
世界でだれもやったことのないようなことを実現しようというプロジェクトだったんです。ですから、リスクはほかのものよりも大きいし、
目的は、お金が幾ら下がるかということではなくて、
世界最高を目指して進む、そういう日本の
特許行政の大きなビジョンの
もとにあったわけですよ。
それが頓挫したから、私もこれはまずいと思っていて……。そこで、これはぶっちゃけて言いますと、調達仕様書を書けないんですよ、
特許庁は。つまり、要件定義ができないんです、こういう、だれもやったことがないようなものですから。ですから、これを単に一般競争入札しても、物すごいリスクがあるんですね。
それと、もう
一つ悪かったのは、これは私の責任でもあるんですが、分割発注をしなさいと。これはさんざんやったんですよ、当時。それはガイドラインに書き込みました。これはようかんを切って発注する話なんですが、たまにようかんを切り間違えるんです。そうすると、分割のリスクというものはさらに大きくなってしまう。それが後々、その失敗につながるというケースが今散見しておりますから、この調達のガイドラインも、時代が変わったんですから、ぜひ見直していただきたいというふうに思います。
そういう
状況の中で、まずは
特許庁の新システムの開発
状況について長官にお聞きしたいと思います。