○勝又
委員 民主党の
勝又恒一郎でございます。
きょうは、質問の機会をいただきまして、与野党の
理事の皆さん、ありがとうございます。そしてまた、尊敬する
松本外務大臣にまた質問させていただけるということを光栄に思います。それぞれ副
大臣の先生方もよろしくお願いを申し上げます。
まず、
冒頭、私がきょう質問させていただく問題意識というものを少し語ってから質問に入らせていただきたいんですが、皆さん
外交の
専門家で私よりもはるかにわかっているので、改めてではあるんですけれ
ども、今
日本がどういう位置に置かれているのかということをきちんと我々が認識をして
外交を展開していくということが大事だと思っています。
そういう意味で、視覚的に見ると改めて我々の位置がよくわかるものですから、きょうは慶応の神保先生の資料を抜粋して皆様にもお配りをさせていただきました。経済と
防衛の
関係で資料を私が抜粋したもので
お話をしたいと思うんです。
まず、名目GDPの日米中の推移を見ると、改めて驚くわけですが、昨年、
日本は
中国にGDPを抜かれて、チャイナ・ショックというようなことを言われました。しかし、これは、ゴールドマン・サックスがつくっている資料ですから、やはり若干
中国の株を買ってほしいとか、そういうこともあるかもしれませんが、そんなに大きく間違っているとは私は思わないんです。二〇三〇年を見ていただくと、まずその前、二〇二六年に
中国のGDPはアメリカを抜くという予想になっています。二〇三〇年を
考えれば、何と
日本の四倍以上のGDPになってしまうという現実があるわけです。
二枚目を見ていただくと、では、今度はアジアの新興国あるいは地域の経済力というのはどうなのかというふうに
考えたときに、確かに今は、私たちは、この二〇一一年段階では、新興国に比べて経済的優位に立っているということが言えるでしょう。しかし、この図を見ていただくとわかるように、私たちのGDPは、予想ですが、二〇二七年にはインドに抜かれ、これは何となく直観的に我々もインドに抜かれるだろうという気はしていますが、驚くべきは、その翌年、二〇二八年には
ASEANにも
日本はGDPで抜かれるだろうという予測になっています。そして、さらにその下の表を見れば、一人当たりのGDPもいずれ
韓国に抜かれていくであろうと。
もう一枚めくっていただいて、さらに
防衛になればもっと深刻であります。日米中の国防費の推移、推計というものを、ストックホルム国際平和研究所の資料にのっとって抜粋したものですけれ
ども、見ていただくとわかるように、アメリカは、高位パスと軍縮パス、二つのシミュレーションを書かせていただいております。
中国も、公表されているこの紫の二・二%で推移した場合と、一般に
中国の
防衛費は低く公表され過ぎているという
指摘がありますので、高位パスという一・四倍にしたものがシミュレーションとして出されておりますが、驚くことなかれ、
中国の高位パス、米国の軍縮パスというシナリオでいくと、二〇二〇年代半ばには、ついに
中国が軍事的にもナンバーワンになる可能性があるというシミュレーションを出しています。二〇三〇年でいえば、
中国は、低く見ても
日本の九倍の安全保障の軍事力を持ち、多く見積もれば十三倍になる、こういうことであります。
そして、新興国との比較においても、
日本は、近々インドに安全保障にかける経費で抜かれ、二〇二〇年代には
韓国に抜かれ、そしてまた経済と同じように
ASEANにも抜かれていく、こういうシミュレーションが公になっているわけです。
こういう状況に基づいて、私たちは今置かれている局面を何か勘違いしていないか、危機感が足りないのではないかということを、私は
外務省の皆さんと話をしながら感じるときがあります。
ある方に言わせると、G7というのは東京六大学みたいなものだ、しかし、これからは東都リーグやJリーグに変わっていくんだという話をした方がいました。
大臣、どういう意味だかわかりますか。
東京六大学というのは入れかえ戦がないんです。どれだけ差がついても、負けても、六位の中にはいられるんですね。しかし、東都リーグやJリーグというのは、最下位になれば入れかえ戦や自動的に入れかえがあり、二部、三部へと転落していくわけですね。
日本の置かれている局面は、むしろそのJリーグ的な、これから二部降格の可能性もある、今我々はそういう場所に置かれているという危機感を持って
外交に取り組まなければいけないのではないでしょうか。
そういう中で、私はそういう問題意識を持って
松本大臣の
外交を日常的に関心を持って見させていただいているんですが、そういう意味では、
大臣がよく言われる復興
外交というのは、
日本の復興あるいは国際社会の
日本への支援への感謝というのはもちろんのことなんですが、最も大事なのは、実は
日本外交の復興をすべきときなのではなかろうかという認識を私は持っています。
日本外交を立て直さないと、この国は、今の実力に見合った、あるいはこれからの
日本の置かれている位置に見合った、そういう世界での仕事ができないのではないかという認識を持っております。
そういう前提、私の今の基本認識の中で、きょうは
大臣初め副
大臣も含めて、幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、きょうは午前中からいろいろな先生方も取り上げておられますが、大韓航空のいわゆるデモフライトをめぐる措置についてお伺いをしたいのですが、私の知る限り、余りこういう特定の航空会社の利用を
日本の
外務省が自粛をするというような措置というのはちょっと記憶がないんですけれ
ども、こういう措置は過去もとったことがあるんでしょうか、あるいはどういう
考えに基づいてこの措置をとられたんでしょうか。