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松本(剛)
国務大臣 少しお時間をいただいて、簡単に
お話をさせていただくことを御容赦いただければと思います。
本日了解をいたしましたことは、近年増加をしている国際結婚の破綻などにより影響を受けている子の利益を保護する必要があるという
認識のもと、国際的な子の奪取の民事上の
側面に関する
条約について、いわゆるハーグ
条約でありますが、
締結に向けた準備を進めることとする。このため、
条約を実施するために必要となる
法律案を作成することとし、
関係行政機関は必要な
協力を行う。
法律案の作成に当たっては、
関係閣僚
会議了解事項に基づくこととする。この
関係閣僚
会議というのは、昨日、十九日に開催をさせていただきました。
関係閣僚
会議の了解事項も簡単に御
紹介をさせていただければと思いますが、下記の内容を盛り込むとして、大きく二つの内容がございます。
一つは中央当局、もう
一つは子の
返還命令に関する手続、こういう構成になっております。
中央当局は、
外務省に設置をいたします。
まず先に、中央当局の任務を、この了解の中で
規定をしているものを簡単に御
紹介すると、子の所在の特定、子に対する虐待その他の危害を
防止するための必要な措置を講じること、子の任意の
返還または当事者間の解決をもたらすために助言をすること、司法上の手続を含め
我が国の国内法制につき必要な
情報を提供すること、中央当局は、その任務を遂行するために必要があると認める場合は、
関係行政機関の長に対して、資料または
情報提供その他必要な
協力を求めることができること、子との面会
交流に関する援助の申請に対して、中央当局は必要な事務を行うこと、子の
返還に係る
規定は、
条約の
規定を踏まえ、
条約が
我が国について効力を生じた後の事案についてのみ適用する、これは
条約そのものを引っ張ってきているわけでありますけれ
ども、こういったことが中央当局の任務と関連することとして確認をいたしたところであります。
先般もここで御
議論がありました。外国と接点という
意味で
外務省の要素もありますし、かなり法手続的なことという
意味で、法務省を
中心とした
関係省庁の
部分もありますが、
政府内で
議論をした結果、最終的には
外務省で設置をするという形になりました。
もう
一つの柱の、子の
返還命令に関する手続というのは、その命令に関する裁判手続を新設するということと、子の
返還拒否事由、これについては
条約に記載があるわけでありますけれ
ども、これについては、大きく、子に対する暴力など、また、
相手方、つまり配偶者というんでしょうか、元配偶者というか、
相手方に対する暴力など、そして、
相手方が子とともに帰国することができない事情、例えば、入国できるできない、逮捕、刑事訴追のおそれがある、帰国後の生計維持の問題などを取り上げているわけでありますが、そういった事情などが子の
返還拒否事由として考えられる。
もちろん、包括的なあれとして、子供が常居所地国、つまり、帰されるべき国に帰ることが、子に対して身体的もしくは精神的な害を及ぼし、子供を耐えがたい
状況に、または子供を耐えがたい
状況に置くこととなる重大な危険があることというような条項も設けるように、こういった法案を作成するようにというふうに了解をしたということであります。
これまで私も申し上げてまいりましたが、ハーグ
条約の
締結推進のいわばプラスの
側面と、運用をもし間違えば負の
側面が出てきかねない
部分についてしっかりと
対応できるような
方向性を打ち出すものとして
検討を進めてきた結果だと御
報告を申し上げたいと思います。