○河井
委員 自由民主党の河井克行です。
きょうは、八月九日、
長崎の平和祈念の日であります。三日前、八月六日、私のふるさとでもあります
広島は、六十六回目の原子爆弾投下の日を迎えました。
細野大臣、昭和二十年の八月六日に
広島で起こった惨劇は、決して遠い過去の出来事ではありません。今、
福島を初めとする
東日本の各地で起こりつつある事柄はすべて六十六年前の
広島のあの日に重なる、そのように感じられて仕方がありません。
広島の長年にわたる経験や知見をもっと生かしてほしい、心優しい被爆者の方々が、みずからの生涯を振り返りながら、今、
東日本の地で起きていることを真剣に憂えております。
以前、この
委員会でも御紹介をしました私の地元の上安・相田地区黒い雨の会の会員の方々のお手紙、
細野さんが
大臣になって初めてでありますので、改めて幾つか紹介をいたします。
私たち
広島で被爆した者としては、内部被曝、すなわち、人体や作物、
土壌など、
放射線による悪影響が、今の
福島原発事故の報道を見て、あると思います。
広島や
長崎のように被爆範囲が明確に解明されていない、そのまま現在に至っております。そういったことで、
福島では、今やることは現場の実態
調査、風や水や
土壌のサンプリングが必要です。時がたつとわからなくなります。計算では解析に無理が出ます。
放射線被曝は同心円ではない、天候が大であるように思います。後々に引きずられないように徹底した
調査をしていただくようにすること。これは四月十九日に私に寄せられた手紙です。
別の手紙には、最近の傾向として、
原爆投下時にゼロ歳から七歳ぐらい低年齢の人、現在七十歳前、この会員の中で、がんでの死亡者がふえてきている。投下されたとき、私たちも親も、
放射線についての知識は全くありませんでした。当日の昼食、夕食から、自宅近くの小川か井戸で野菜を洗い、食べました。トマトは黒く汚れたところを洗い、夏は毎日食しました。翌日から、地元の安川で水泳をしました。
別の手紙には、あの当時は、
放射能による危険性もわからないまま、黒い雨で死んで浮いた川魚や黒い雨のかかった野菜などを食べ下痢をすることがあったが、それもわからないままに日が過ぎたように思います。
福島の報道を見るたびに、改めて私たちが経験したことは大変なことだったと思います。
ほかにも、多くの方から御
意見をいただきました。
また、八月六日の次の日、七日の地元紙、中国新聞の朝刊には、三十歳代の女性が、動員学徒慰霊塔の前で、深夜の二時過ぎに手を合わせながらこうつぶやいたと報じられております。
原爆で亡くなった方々は今の
福島を見て何を思うだろうかと。
なぜ
日本人だけが三度も
原子力の惨禍を経験しなくてはならないのか、私は全く不条理だと思います。でも、その不条理から何かを学んでいく、つかみ取っていかなければ、私たちは人間として生きている
意味がないと思います。四回目の核の悲劇がゆめゆめこの国土の上で繰り返されることがないようにしなきゃいけない。
細野さん、あなたには重い役割が背負わされている。なぜかといいますと、一連の
原発事故後の失態はすべて菅
内閣で起きたことなんです。住民の健康
測定開始が遅過ぎた、これも、きょうお見えいただいた厚労や文科の副
大臣、経産の政務官にもさまざまな
委員会で私は申し上げた。避難区域が小さ過ぎた。SPEEDIは、
事故直後稼働していたのに、住民の安全
確保には使わないで、菅総理の原発視察の安全
確保にだけ使った。これは、
川内博史
委員長が最初
指摘をされた事実でありました。あるいは農産物や
土壌汚染を楽観視し過ぎたなどなど、言えば切りがない対応のお粗末さ。
国民の生命と財産を危険にさらし、国際社会での
日本の評価をおとしめたすべての
事故後の
責任は現政権にある。だからこそ、
細野さん、今の
内閣でけりをつけていただきたい。
余り長くこの
内閣が続いてほしくないと私たちは思っておりますけれども、それでもこの
内閣で決着をつけるところはつけていってほしい。あなたたちの
内閣が招いた災厄なんですから、
国民、国家のために、きょうこの場で答弁、できないとかできるとかなんてことは言ってほしくない、きっちりとけりをつけるために十分な御答弁を、特に
細野大臣を中心に期待いたしております。
まず最初に、これはぜひ申し上げたい。早急に三点セットを実行してもらいたいんです。私からの提案です。何かといいますと、AMS、空中
モニタリングシステムを使った詳細な航空機からの
放射線測定、これが第一。第二が
土壌の
調査。第三が住民の健康被害の
測定。
大臣、この三点セットを一日も早く
実施をしてもらいたい。
汚染された
稲わらの発覚は氷山の一角にすぎないんです。
国民は、食への不安を抱えながら毎日を送っている。例えば、
被災地からはるかに離れた
広島の大きな複数のショッピング
センターで週末に話を聞いた。国産牛の売り上げが三割も減ってきている。
福島産だけじゃないんです。東北地方の産地だけじゃないんです。あらゆる国産牛の消費が減ってきている。幾ら現政権が安心だと言ったところで、残念ながら
国民は信じていないし、国際社会も信じていない。
だって、そうじゃないですか。レベル7だったのをレベル5だとずっと言ってみたりとか、炉心溶融どころか炉心の貫通が起こっていたのに、溶融が起こっていないと言い張ったりとか、すべてがうその発表だった。だから、正しいことを早く明らかにしてもらいたい。
大臣、
国民は危ない箇所の上に
自分たちが住んでいるかもしれないという不安を一日も早く払拭してもらいたいんですよ。危ないところを発見することだけじゃなくて、安心を
確保してもらいたい。そのためには、官房長官らが幾ら安心だと言ったところで、だれも聞く耳を持たない。
だから言うんです。徹底した
放射線量の
測定、まずは航空機を使って、上空から一メートルの高さの線量を
測定する。続いて、見つかった特異な点、いわゆるホットスポット、高い
放射線の
汚染が証明された
地域は
土壌の
調査を早くやってもらいたい。そして、それだけで終わったら、単なる科学研究に終わってしまう。一番大事なのは、そこに住んでいる住民の健康
調査を重点的、優先的に行ってほしい。だらりと画一的に一般的な住民の健康
調査をするのではなくて、特異な点からまず始めていっていただきたいと提案をいたします。
政府では、青森から愛知、石川に至る一都二十一県の詳細な航空機からの
測定を
実施する構えだと聞いておりますけれども、一体いつまでに一都二十一県の
測定を終わらせるつもりなのか。
国民は既にしびれを切らして待っている。明確なお答えをください。