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内閣総理大臣(
菅直人君) 大変私が興味の深い問題を御質問いただきまして、ありがとうございました。
私もその不在地主の一人でありまして、岡山の山奥に親代々の山がありますが、ある時期行って全部調べましたけれ
ども、全く戦後木を植えていないし、隣との間がほとんど分からない、そういう意味では全く戦後は手が入っていない荒れた山で、大変悲しい思いをいたしました。
私は、森林に関心を持って全国幾つかのところを見ると同時に、ドイツの黒い森に現在の副
大臣の篠原さん、前の
大臣の山田さんと一緒に視察をして、それでびっくりしたのは、もう余り長い話はやめますが、何とドイツで切られた木が
日本に輸出をされているというのを聞いて本当にびっくりしました。なぜそんなことが起きるのかというと、まさに林道とか
作業道が整備されていない
日本では実質的に林業というものが成り立っていない、間伐ということは行われても、ほとんどは切捨て間伐で、それが利用されていない、そういう実態を知りまして、
日本の中でもいろいろ調べてみました。
今、団地化という言葉を言われましたけれ
ども、比較的うまくやっている一つの注目されているのは京都にあります日吉林業組合、これは林業組合が、土地所有はばらばらなんですけれ
ども、不在地主もいるんですが、それぞれのところに手紙やいろいろ出かけていって、来年はこの百ヘクタールをまとめて道を入れたいから
是非オーケーをしてくれと。その場合、負担はゼロなんですね、農地を持っている人であれば。それをうまくいろんな補助金等々を含めて、初年度は配当金は多分出ないけれ
どもいいかと言ってオーケーを取って、それが十年後、二十年後に二度目、三度目の間伐をやるときには間伐材を搬出できますから、その中で利益が上がったときにはちゃんと配当を出しますという約束の下でやっておられます。そうすると計画的に
作業ができて、道がありますから、大きなハーベスターというような機械が年間三百日ぐらい稼働していると。ただでもらったハーベスターは年間百日も稼働していない
地域がたくさんありますけれ
ども。
そんなことを含めて、今おっしゃったことは大変重要でありまして、そういう意味では国の負担でやるということも、今でもいろんな補助金が出ておりますので、それはそれとして重要なところはありますが、最も重要なのは、まさに先生が言われた、うまく団地化をして、そして一度目では利益が上がらないまでも、二度目、三度目の間伐で利益が上がるという、そういう仕組みをつくることが最も重要ではないかなと、こんなふうにも思っております。
〔
委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
いずれにしても、思いは同じでありますので、私もしっかりと今先生が言われたような方向で頑張りたいと思っております。