○大塚耕平君
民主党の大塚耕平でございます。
初めての与党質問でございますので、少し頭を切り替えて質問をさせていただきたいと思います。
とはいえ、今日は
愛知先生、そして佐藤先生、西田先生、荒木先生、中西先生、中山先生、大変中身の濃い
質疑を午前中聞かせていただきました。多少
意見に違いはあっても、問題意識は共有している部分が多々ございまして、
是非、
国会でのこの
質疑が
政府の
政策にしっかりと反映されていくという健全な
委員会を
是非一緒に目指していただければ有り難いなというふうに思っております。
そもそも今日は西田さんに
お答えいただくわけにはいかないんですが、西田さんの御質問あるいは佐藤さんの御質問を多少引用しながら、少し冒頭、私の方から
考え方を述べさせていただきたいと思うんですが。まず、与野党関係なく
我が国の
経済が短期的にもあるいは構造的にも大変厳しい
状況に置かれているという
認識は共有をしているというふうに思っております。その上で、西田
委員がリーマン・ショック後の動きについていろいろ付言をされましたけれ
ども、ちょっと私の方から共有をしていただきたい事実を少しお話をさせていただきたいんですが。
リーマン・ショックが起きたときには私
どもは野党でございました。ただし、参議院は既に多数派になっていたわけでありますが。したがって、リーマン・ショック直後、
自民党の大重鎮であられる大野功統先生とか柳澤先生から、この局面は与野党一致して
経済対策を行わなくてはいけないという御相談を受け、私
どもも例えば
金融対策も含めて、例えばあの
金融機能強化法をもう一回改正して復活させるべきだとか、いろいろ御提案を申し上げて、そしてあの一連の
経済対策につながっていったということは
是非御理解をいただきたいと思います。その上で、補正
予算の中身とかあるいはその規模について若干の
意見の食い違いはあったかもしれませんが、しかし、切れ目のない景気対策が必要だということで今日まで来ているわけでございます。
そこで、
皆さんのお手元には、
大臣、
政務官のお手元にもこういうグラフを一つお配りをしてございますけれ
ども、このグラフは、私が初当選以来
議論をさせていただいた歴代の総理
大臣、
財務大臣には全員その都度更新してお見せをしたグラフでございます。これは二〇〇八年ぐらいまでですので、今更にリバイスすると、若干また、このいったん下がりかけている折れ線グラフが右の方に少し上がっている状態だと思いますけれ
ども。横軸を見ていただきますと、これは西暦なんですね。細かいことは申し上げませんが、この折れ線グラフが高ければ高いほど
我が国の
財政は相対的に厳しい
状況にあるというわけでありますが、真ん中は、急に
財政状況が悪くなっているこの局面は一九四五年でございます。そして、現在の
財政状況は、グラフの形状的には一九四五年当時よりも厳しい、ないしは、もう今は国債市場がちゃんとできておりますので単純にこの高さだけでは比較できませんけれ
ども、大変尋常ではない
状況であることだけは事実でありますので。歴代の総理、
財務大臣にはこれを御覧いただいて感想を伺ったわけであります。私の記憶では、小泉総理にお伺いしたときには、小泉さんは沈黙をされました。どう思われますかと聞きましたら、ううんとおっしゃって、うなられた記憶が私はあるんですけれ
ども。
そこで、こういう
状況の中で、西田
委員が午前中に幾つかおっしゃっていただいたアイデアや御提案について、若干私なりの問題提起を、
大臣に御質問させていただく
前提としてちょっとお話をさせていただきますと、例えば預貸率が非常に低くて
我が国には百四十兆の資金が余っているという、これは私も前、
金融担当をやらしていただいた
立場上そのことは大変私も危惧しているんですが、しかしこの百四十兆というのはキャッシュで銀行に残っているわけではなくて、百四十兆でもう既に国債を買っているわけなんですね。したがって、要は銀行のバランスシート上、預金より貸出しの方が低いのでその差額の部分は預証率という形で有価証券になっていますから、ただ、有価証券じゃなくてもっと貸出しに回したらどうだという意味での百四十兆というのは確かに私も何とかしなきゃいけないと思っているんですが、純粋にその百四十兆部分で国債を買えるということにはなかなかならないかもしれないというのがお話を承っていて気が付いた点であります。
それから、デフレ対策を何とかしなきゃいけないということなんですが、これも全くそのとおりなんですが、実はこのグラフ上、デフレは九五年から始まっているんです、大体。そして、このグラフの形状を御覧いただくと、一九九〇年ぐらいのころに少しグラフが下がっていますが、これはもう皆様方には釈迦に説法でございますが、バブルによって一時的に税収が増えて、昭和六十三年の赤字
国債発行ゼロ達成して一時的に
財政状況が良くなった。しかし、バブル崩壊でそこから九〇年代に、十三回ですか、補正
予算を組んで、
財政赤字が膨らんでいった
過程ですね。ところが、その間もう既にずっとデフレなんです。
ということは、なぜデフレかということについて、今申し上げたデフレはずっと続いているというのは二点目。今度、三点目は、だからこそ
政府が
財政出動するときに、九〇年代と同じ支出の仕方をしていたら九〇年代は現にここまで
財政を悪化させてもデフレは解消しなかったわけですから、どういう使い方をしたらいいのかというところが、多分この辺から西田さんと私の少しスライスとフックの差が出てくると思うんですけれ
ども。
例えば、乗数効果の話出ました。乗数効果は、確かに教科書的に言えば、一は下回らないんです。ところが、例えば、全く一以上にならない
財政出動をした場合、確かに
最初の
財政出動の支出を受け取る
方々にとっては一の効果があるんですけれ
ども、その
財政分は、これは機会費用を使っていることになるんですね。つまり、百億円使ってダムを造ると、本当はそのダムが造るときには百億の価値があってもそれ以上の価値を生まない、乗数が一のときには。じゃ、その百億で、例えば他の成長産業、例えばEVとかFCVの技術開発に使うとかということをやると、このEVとかFCVが輸出財になって、マクロ
経済のメカニズム上、更に景気を良くしていくというプラス効果もあるかもしれないので、その使い方についてはやはりしっかり
国会で
議論をして、それを
政府に参考にしていただく必要があるというふうに私は思っております。
以上、ちょっと午前中の
議論を踏まえて少し私なりの
考え方を述べさせていただきましたが、その上で、まず、これは私のこだわりでございますが、私のこれ恒例でありますので、
財務大臣にこのグラフを御覧いただいて、日本の
財政状況について感想と
認識についてお伺いをしたいと思います。