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大臣政務官(津川
祥吾君) お答えを申し上げます。
まず、先般の
事業仕分の場の中で私も申し上げたことでありますが、まずもってこの
スーパー堤防事業につきましては、
国土交通省の中で
見直しの作業をさせていただいている最中であるということを前提として申し上げたところでございます。その上で、河川
事業を担務とさせていただいております
大臣政務官として私の考えを述べさせていただきました。
一般的に、治水
事業というものは、水害があったところに対して事後的に
対策を取るということに終始するのではなくて、やはり計画的にしっかりと予防的な
事業を
推進をしていかなければならないと。こういった基本的な考え方にのっとって、その上で、それぞれの
全国の河川の
重要性等々にかんがみまして、同一程度の河川については同一程度の安全性を確保していきたい、この方針で
事業を進めさせていただいているところでございます。
一方で、この優先順位ということに関して申し上げますと、この優先順位を
判断する中の一つの材料となるのが緊急性というものであろうかと思います。先生も御
案内だと思いますが、近年多発をしております激甚
災害、この激甚
災害に何としてもスピーディーに対応させていただかなければならない。それから、いわゆる激甚
災害ではないけれ
ども何度も同じところが例えば冠水をする、二、三十年に一回とか二百年に一回という
議論をする一方で、この十年のうちにもう何回も同じところが冠水をしているというところがあるのも事実でございます。北海道の石狩川ですとか、あるいは京都の由良川なんかも先生方も記憶に新しいところかと思いますし、先生の御
地元の狩野川な
どもこの十年間で何度も冠水をしたというところがございます。
ですから、何度も同じところが水につかってしまう、そういった
地域の
皆様方のお気持ちと、あるいは
地域の安全性というものを考えたときに、緊急に対応しなければならないというところが
全国に多数あり、そして、それに対して十分にまだまだおこたえできていないと、大変心苦しい思いが私自身ございます。そういった
意味で、優先順位の
判断の一つとしてこの緊急性というものを考えたときには、予防的な
措置としてとらえられる
事業と、そして今の現下の厳しい財政の
状況、財政制約の中で優先順位を考えていくときに
スーパー堤防よりもより優先順位が高いものが多いという私の考えを述べさせていただいたところでございます。
また、優先順位の考え方の一つに発現効果が早く見られるというものも一つございます。ここまでもう
整備をしたからあと少しだけ堤防を造ると相当大きな効果が見込まれる、こういったところについても優先的に
是非やらせていただきたい。
その一方で、この
スーパー堤防というものにつきましては、もう
委員も十分御
案内と思いますが、越水はすれ
ども決壊はしないという根本的な
対策として期待をされているところでございますが、一方で、町づくりですとか再開発ですとか、そういったものも同時に行わなければならないということで時間も、またお金も掛かり、また
地域の
方々の御
理解もいただく、そういったことに相当の時間を要するものでございます。ある程度の線として
整備をしなければ期待される効果がなかなか発現をしてこないという現実から考えたときに、一つには例えば堤防の強化というものを優先させるという考え方もあるのではないかと、こういった点で申し上げたところでございます。
ただ一方で、これ私、その
仕分の
現場でも申し上げたことでありますが、治水
事業というものはそもそも時間が掛かるものでございます。四百年を掛けるつもりは私
ども決してあるわけではありませんが、例えば治水
事業に百年掛かる、だから無駄だというふうに私
どもは申し上げるつもりは全くありません。過去のこの国のあるいは世界の治水
事業を見ましても、相当多くの時間と
規模を、時の政権が
判断をして実行してきて、後の
国土を守るという形になっているというものもこの治水
事業の特徴でもございます。そのときそのときで、財政事情の中で、今目の前でやらなければならないということの優先順位だけで、将来にわたっての根本的なこの
スーパー堤防のような治水
対策というものを検討すること自体を放棄していいのかどうかということについてはしっかりと検討させていただきたいということも申し上げました。また、この
事業については、
事業をまさに今行っているところでもございますので、仕掛かりの部分ということも含めた検討をさせていただきたいということを申し上げたところでございます。