○
松村龍二君 自民党の
松村でございます。
自民党同僚議員のお許しをいただきまして、一番バッターで
質問をさせていただきたいと
思います。
行政監視委員会は平成十年にスタートいたしておりますが、初代の竹山
委員長は
委員会のあいさつで次のように述べております。本
委員会に課せられております使命は、国権の
最高機関である
国会が、その機能を十分に発揮して、
行政を恒常的に監視するということであり、
委員長としてその職責の重大さを痛感している次第でございますと。
そして、その後、平成十一年、十二年、十五、十六年と決議をいたしております。国家公務員による不祥事の再発防止に関する決議、薬害エイズ、官官接待、社会福祉施設の不正補助金等の支給の不祥事がございました。それから、
政府開発援助に関する決議、十二年には警察の信頼回復に関する決議、
会計検査院の検査体制の充実強化に関する決議、十五年には公務員制度
改革に関する決議、十六年には政策評価に関する決議等の決議を行ってきたところでございます。
そこで、今日は、私は
質問といたしまして
事業仕分について
質問をさせていただきたいと
思います。
事業仕分とは、民主党によりますと、政策判断の誤りによる兆単位の巨額の税金の無駄遣いのほか、数千万円から数十億円といった比較的小規模な事業の中に霞が関の既得権益を温存する税金の無駄遣いが眠っていることが推定され、民主党の掲げる税金の無駄遣い根絶を実現するためには
事業仕分を実施することが不可欠であると、こういうお考えによってスタートしているわけでございます。
そして、
政府は、昨年十一月の
事業仕分、本年四月から五月にかけて実施した独立
行政法人などの
事業仕分に続きまして、この度、第三弾となる特別会計の
事業仕分を行うことになりました。
事業仕分は税金の無駄遣い根絶を実現するということで、毎日毎日、蓮舫
大臣始め関係の皆様、御苦労さまでございます。
そこで、この
事業仕分につきまして、メリットとデメリットといいましょうか、マイナス評価、プラス評価を見ますと、プラス評価といたしましては、
政治を
国民に近づけたと。それから、
予算査定機能がこのように行われているということを目前に見て、国の
政治、財政について理解が深まった。それから、庶民の金銭感覚を
行政に、財政に入れるということができるんではないかと。また、官僚主義を目の当たりにしてこれをやっつけるというメリット。それから、官僚の天下りの実態を暴くといったことがメリット、プラス評価であると
思います。
しかし、一方で数々の疑問に直面いたしております。新聞等の見出しによりましても、幻想だった民主党
政権の公約というふうな表現がございました。それから、仕分人が専門家でなくて仕切れるんだろうかといった評価があったと。時間が一時間と短いということでありますが、しかし、これについては、
事業仕分の側からしますと専門家をそろえているんだよという話はありますけれども。例えば、米の備蓄百万トン、一万トンが一億円保管料が掛かる、百万トンでなくて七十万トンでも大丈夫じゃないかとかですね。果たして仕分人の中に農業の専門家がどれほどおられるのか分かりませんけれども、一般にそういうマイナス評価があります。それから、役人側の
説明に耳を傾けない、独善的である。
それから、何と申しましても
予算が、先ほどの話によりますと、国権の
最高機関である
国会におきまして
憲法、法律に基づいて
予算が審議されて、これが通過してオーソライズされたものを一仕分人が廃止と、一仕分人じゃない、全員の評価かと
思いますけれども、廃止とか保留とか削除とか何%カットとかいうふうなことが果たしていいんだろうか。
それから、この仕分の効果、一体どういう効果があるのかと、これも最初からいろいろぐらついているようですね。最近は
予算に反映するんだというふうな蓮舫
大臣のお話でありますが、
予算といっても、来年の
予算は既に概算要求でもう財務省の金庫の中へ入っていると、書類箱の中へ入っているということからしますと、再来年の
予算に反映するんだというふうな
説明に終始しておられるようですけれども、果たしてこの効果がどういうふうになっているのかということの
説明がぐらついておるというふうなことがあるんではないか。
そういうことからしますと、ちょっと現在やっていることが、
行政刷新会議が法律に基づいていない
閣議決定の存在であると、また、仕分人の法的位置付けが分からないといったことから、そもそも
憲法に違反する存在なのではないかという疑問が出てくるわけでございます。したがいまして、
内容については先ほどメリット、デメリットという、プラス評価、マイナス評価という表現で申し上げましたけれども、やはり問題は、そのやり方を吟味しなければならない、現在の
政府のようなやり方では
憲法上の疑義が問われるというふうに考えております。
国民主権の原理に基づきまして、
国会が主権者である
国民に代わって
政府と官の
活動を監視するのが本来の
行政監視であると。また、
行政監視とは、
内閣が法律を誠実に執行するという
憲法上の義務を果たしているかどうかの監視であると。そのような
行政監視委員会の
役割からして、見過ごせない重大な事態であるというふうに思われるわけでございます。
そこで、次のような項目について
質問をいたしたいと
思います。
国会議員の仕分人は違憲であると。法的根拠を欠く
行政刷新会議は、法律による
行政の原理に違反すると。
事業仕分では、
行政の目的である公共の利益の判断が雑に行われていると。財源捻出に大した効果がない場合、重大な
憲法問題を抱えた
政治ショーになるんではないかと。不公正
行政をなくし、税金が適正に使用されるための法制上の
正規の仕組み、
総務省の
行政評価・監視機能、財務省の
予算査定機能、
会計検査院の会計検査機能等を十分に機能させるためにどうすべきかという本質的
議論をすべきではないかと、こういう問題感覚でございます。
そこで、まず第一番目の問いでございますが、蓮舫
大臣に、
行政刷新担当大臣に
質問させていただきます。
行政権は
内閣に属し、
内閣は、
行政権の行使について
国会に対し連帯して責任を負うというのが
憲法の規定であります。つまり、
憲法は、
国民主権の原理に基づきまして、
内閣と
国会の機能を明確に区別し、
内閣を
国会の統制下に置いている。そうであるから、従来、
内閣の構成員を除いて、現に
国会議員である者が
行政に直接かかわるのは、地方制度
調査会
委員や選挙制度審議会特別
委員などのように合理性のある場合に限って法律で認めております。
そして、
国会法第三十九条はその趣旨の規定でございます。皆さん御承知のとおりでございますが、議員は、
内閣総理
大臣その他の
国務大臣、
内閣官房副長官、
内閣総理
大臣補佐官、副
大臣、
大臣政務官及び別に法律で定める場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。ただし、両議院一致の議決に基づき、その任期中
内閣行政各部における各種の
委員、顧問、参与その他これらに準ずる職に就く場合は、その限りでないというふうに規定があるわけでございます。それにもかかわらず、法律の根拠なしに、何人もの現職の
与党議員が
行政の最前線に出て重要な判断を行う実務を長期間にわたって行うというのは異常と言うほかはない。
行政刷新会議は、現在、
閣議決定で
設置されております。先ほど、
大塚先生のペーパーによりましても一番下の行に
行政刷新会議が位置付けられておりまして、ほかの
委員会等とは別扱いで表現しているのはこれを物語っているんではないかなというふうに
思います。
そのような
行政刷新会議の下における
事業仕分の作業は
憲法六十五条の
行政権の作用そのものであり、
国会議員が
行政事務を直に執行していることになるからである。これは当然
国会法違反と言うべきであるが、
内閣自ら、法律を誠実に執行するという
憲法上の義務に違反している点が重大な問題であります。
なお、
政府は、いわゆる
事業仕分のチームの位置付けに関する
質問主意書、これは昨年の十一月九日に世耕議員が
質問したわけでございますが、この
答弁書において、ワーキンググループは
内閣府
設置法に基づく
行政組織ではなく、評価者は官職に当たるものではないというようなことで、
国会法上の問題はない旨の回答をいたしておりますが、しかしこれは、ワーキンググループは
閣議決定に基づく
行政組織であり、評価者は現職の
国会議員であると言うべきでありまして、実にインチキなごまかしの
答弁と言うほかはないと
思います。
このような
政府のいいかげんなやり方を認めれば、極端な話、
与党の現職議員だけでなく、元議員や職員のすべてが
政府委員を兼ねることができることになってしまい、明らかに
憲法の原則を破ることになります。これでは、
行政権は
内閣に属するではなく、
行政権は
与党に属するということになってしまうと。
内閣と
国会の区別をあいまいにし、
国会に対する
内閣の責任も不明確となり、
憲法上非常に問題があります。既に違憲の状態にあると考えますが、いかがでしょうか。