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三原じゅん子君 自由民主党の
三原じゅん子でございます。
本日は初めての国会の
委員会における
質問の機会をいただきました。初心忘るべからずという言葉がございます。私も常に志したこの意気込みを、そして謙虚さを持ち続けて精進してまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
私は、二年前、子宮頸がんというがんを患いました。そして、女性にとって最も大切な子供を産むという機能を失ってしまいました。それ以降、数多くのNPO団体の方々と一緒に、そして
支援者の方々と一緒に力を合わせて全国で検診と予防接種の
重要性、
必要性というのを訴えてまいりました。
しかし、この子宮頸がんの問題に関して関心の希薄さというものにとても正直驚いております。女の子を持つ保護者の方々でさえも正確な知識がお持ちでない。私は、まず世間に正確な知識を広めるということが先決ではないかと思いました。そして、メディアの方々にたくさん取り上げていただけるように働きかけてまいりました。
医療の世界、
福祉の世界、教育の世界、だれかが何とかしてくれるのを待ってはいられませんでした。私
自身が病気に苦しむ人の声を国政に反映させよう、女性の健康と命を守るための
医療と
福祉、
社会保障のための
政策を向上していこう、その中で経験者の私にしかできないことをやり遂げたい、そういう思いで国政を目指す決意を固めました。
ここで、がんの撲滅に力を尽くされた先輩議員として参議院議員でありました山本孝史先生のことを思い出さずにはいられません。皆さん御存じのとおり、山本先生はがんに冒され、しかし自らががん患者であるということを本会議で公表し、がん対策
基本法の早期成立を訴え、その実現に御尽力なさいました。そして、
日本のがん治療、
医療全体の向上を祈り、本当に患者のための
医療が提供されることを願いながら、平成十九年十二月にお亡くなりになりました。
山本先生の御逝去に接し、党派の垣根を超えて山本先生とともに
社会保障の
推進に力を合わせてこられました尾辻秀久先生が、平成二十年一月二十三日の参議院本会議において哀悼演説を述べられました。バトンは渡しましたよ、たすきをつなぐようにしっかりと引き継いでください、そう言う山本先生の声が聞こえてまいります。心のこもったお言葉を山本先生に送る尾辻先生のお姿をここにおられる先輩議員の皆様はきっと御記憶のことだと思っております。命を懸けて命を守る。がんイコールリタイアではない。私も山本先生から命のバトンを受け継いだ、そしてこの参議院に議員として今ここに立たせていただいているんだと感じております。
私は、がんと闘う患者さんを始めとして
日本の
医療の向上を願う人々、それに
社会保障の行く末を案ずる人の声に推されて出馬をさせていただきました。選挙戦の最中、そして選挙後も、
医療や介護の現場を歩く中で、様々な形で様々な方からいただいた経験と切実な思いに裏付けられた言葉の重さを毎日痛感しております。
本日は、
大臣ほかの皆さんと真剣に議論をさせていただきたいと思っております。今日は、事務方が用意した答弁を単に読むのではなく、
国民の負託を受けた
政治家として、魂のこもった議論を、真剣勝負を是非お願いしたいと思っております。
改めまして、まず厚労
大臣に所見を伺いたいと思います。
そもそも私が患いました子宮頸がんという病気は、毎年一万五千人の方が発症し、約三千五百人もの女性が命を落としているというのが現状でございます。また、発症する女性の若年齢化も問題となっております。二十代、三十代の女性が発症するということは、子供を産めない女性をつくってしまう危険性が高くなるということであります。つまり、この病気からすべての女性を救うことは、実は少子化対策の王道ではないかとさえ思えます。現在のところ、子宮頸がんは数あるがんの中で唯一予防ができるがんだと言われております。がん対策の
推進という
重要性から
考えてみても、ワクチンの普及による子宮頸がんの予防というのは非常に有効性の高い施策だということは間違いございません。
今年六月の
厚生労働省の
調査で、子宮頸がんワクチンの公費助成を実施あるいは実施を予定している市区町村は百二十六市町村だとのことですが、千七百強ある全市区町村から見ればまだ七%程度しかありません。ということは、
経済的な
格差がワクチン接種の有無に直結しかねないということです。他の多くの先進国ではワクチン接種が無料で受けられるということを聞くにつけても、
日本での
取組はまだまだと言わざるを得ません。
そこで、まず厚労
大臣にお伺いします。
去る十月一日の
所信表明演説において、女性を子宮頸がんから守るとの菅総理のお言葉がありました。また、さきの
厚生労働委員会における
大臣所信において、自治体における子宮頸がんワクチンの接種
事業への
支援策を講じていくとのお話がございました。まず、我が国における子宮頸がんの撲滅に向けた国としての施策の
在り方について、
大臣としての
基本的なお
考えを伺いたいと思います。