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丸山和也君 自由民主党の
丸山和也でございます。よろしく
お願いします。
まず、
質問を全般を通じて少し、全部ではないですけど、このパネルを上げさせていただきます。(資料提示)
これは南洲翁遺訓ということで、西郷隆盛が言ったことを旧庄内藩の藩士がこれはいいということを書き残したと言われております。今回の
質問にも関連しますので、しばらくここに置かせていただきます。
決算委員会は
平成二十
年度の
審査も終了していなくて、前
国会において
決算委員会を開いてくれということを再三我が党の方からも要求したんですけれども、民主党さんがいろんな事情を
説明されて、
大臣の
出席が難しいという一点張りで、結局開かれないで終わってしまったということで、非常に
決算重視の
参議院にしては歴史に汚点を残したという思いがあります。それで、ようやく今日、
決算委員会開いたわけですけれども、やはり月日が過ぎてしまうとそのとき聞きたいことも変わってしまいますので、これからは
決算重視ということを、
総理大臣あるいは官房長官、それからすべて、肝に銘じてやっていただきたいということを一言
お願いしておいてですね。
それで、いわゆる菅
内閣が発足しまして多くの
国民、まあ多くでもないかもしれないけど、かなりの
国民がやっぱり期待をしていると思うんですけれども、この菅
内閣というのは私も、官房長官に
仙谷さん、
仙谷官房長官が選ばれたということが僕、唯一の、これ本人目の前にしてあれですけれども、別に褒め殺しするつもりじゃないんですけれども、すべての
閣僚を見ただけで官房長官だけは実力があるなと。人物、見識、まあ見識にもいろいろありますけど、人間的総合力としてですね。これはだから
仙谷内閣だなというふうに私はそのとき思ったの。
それで、ちょっと私の買いかぶりかなと思ったら、やっぱり
菅総理大臣が官房長官に
仙谷氏を指名した理由として、
仙谷さんは実力のある方ですからと。ほかの
大臣と比較されたのかどうか分かりませんけれども、そういうふうにおっしゃって、そういう
意味では
総理大臣も人を見る目があるんだなということで、まあ
仙谷内閣のようなつもりで私もずっと見させていただいているんですけど。
そこで、今回早速にというか、官房長官の力量が発揮されるべき事件が
中国人船長の逮捕ということで起こりました。それで、いや、私もすばらしいと思ったの、すばらしいと思った。なぜすばらしいと思ったか。法に従って粛々とやりますと、国内法に従って粛々とやります。私も弁護士でやっていましたから、当たり前のことを粛々とやるということがどれだけ大事か、また時によってはどれだけ難しいかということをよく分かった上でおっしゃっていると、さすが
仙谷内閣というぐらいに思いました。そして、当時国交省の
大臣でありましたけれども、前原さんもやはり法に従って粛々とやりますと、こうおっしゃった。そのほかの
大臣も、求められたときには皆その言葉に倣うようにして、法に従って粛々とやりますと。
この言葉を聞いたとき、私はもう全く一%の疑いもなく、ああ、これは刑事訴追されるなと、恐らく、確信犯ですから、実刑か執行猶予かは別にして有罪判決が下りるなと、その後強制送還になるんだなと、私の弁護士経験から踏まえましても何の疑いもなく素直にそう思いました。恐らく
日本国民すべてが、良識のある人はそう思ったと思うんです。法に従って粛々とやるということは、難しいことを言うまでもなく、単純にそういうことなんですよ。私は疑わなかった。しかも、逮捕の決定は私が下しましたと天下の前原さんがこうおっしゃったわけですから、それはもう間違いないなと二重、三重の確信をしましたところ、どうですか結果は。私はこれもまたびっくりしたんですがね。これは本当にびっくりした。二十五日に釈放されたと。すぐ、午前一時三十六分、釈放された。二時十三分、チャーター機で帰ったと。これを私、まさかと思ったの、誤報かと思って。それで、びっくりして、実は
仙谷長官に連絡取らせてもらった。
ここから先は、
仙谷長官、多少しゃべってもよろしいでしょうかね。もし、どうしてもしゃべらないでくれと言われるんなら私は伏せておきますけれども。──特にあれがないようですから、しゃべらせていただきますけれども。
これは、私は別に政治的に特別な意図があるとか、与野党対立して、こういうことじゃなくて、私が余りにもびっくりしたもんだから。法に従って粛々とやると言ったのが無条件釈放というのはどういうことかなと。私のだから法律の理解を超えていましたから、是非官房長官の意見をお聞きしたいということでお電話をさせていただいた。
気さくな官房長官ですからすぐ電話に出ていただいて、これはちょっと問題あるんじゃないでしょうかねというふうに私はお聞きしました。すると官房長官は、どこが問題があるん、どう思うんやというようなことがありまして、君ならどう思うんだということがありましたんで、私は、先ほど言いましたように、訴追をされて、それから判決を得て、それで送還するなりというのが法に従って粛々とやることじゃないんでしょうかというふうに私の見解を申し上げさせていただいた。すると官房長官は、これはそんなことをしたらAPECが吹っ飛んでしまうでというふうに、来月ありますね、そこまでやっていいというなら別だけどねと、吹っ飛んでしまうでと、
中国関係、国際関係の問題を考慮されたんでしょう。
それで、私は、生意気でしたけれども、いいじゃないですかと、一度ぐらい、
日本の国益が初めて
日中関係で大々的に試されている時期なんだから、法に従って粛々とやることを一回やってみましょうよということをたしか申し上げたんですけれども。そこからは、今はその時期でないという御意見だったと思うんですけれども。
詳しいことは分かりませんけれども、そういうことで意見は一致しませんでしたけれども、私は、いまだに法に従って粛々とやるということが阻害された重大事件だと思っている。
それで、これが仮に、いろんな
質問ありましたけれども、一種の政治判断からそうしたということなら、是非はあるでしょうけど一つの筋は通ると思うんですよ。でもこれは、これほど重大な事件でありながら、一那覇地検がしたからそれを了としたというだけでは、ちょっと結末の
付け方が余りにも小さ過ぎる。大官房長官の
発言にしては結末が小さ過ぎるという感じがしていまして、それで、私がここからは
質問なんですけれども、
総理大臣より官房長官に先にお聞きしてもよろしいでしょうか。
じゃ聞かせていただきますけれども、官房長官は、官房長官の言によりますと、これは那覇地検の独自の判断であって一切政治的な意見は言っていないと、こういうことをおっしゃっているんですが、仮に百歩、万歩譲ってそのとおりだったとして、そういう決定を下して那覇地検が釈放してくれたということで有り難いなと思われているのか、勝手にそんなことしておれの出る幕がなくなったじゃないか、政治判断をしてやろうと思ったのにと、そこまで思われないでしょうけれども、重大な国益を、一地検がそういう釈放してしまって、結果は事なかれに終わったけれども大きな問題を残したなと、そういうふうに思われているのか、結果的に那覇地検の行為をよかったなと、やれやれと思われているのかどうか。この点についてひとつお聞きしたいと思います。