○富田
委員 次に、がん対策の基本方針についてということで、
菅総理初め
関係の閣僚の御
意見をちょっと伺いたいと思います。
きょうは、資料として、資料五「がん対策推進協議会運営の
見直しに関する
意見書」というのを出させていただきました。それと、資料六として「二〇一〇年十月六日 第十四回がん対策推進協議
会議事録」、これの一ページ目と二ページ目、また二十二ページから二十五ページ目までを抜粋させていただいて、
委員の
皆さん、また閣僚の
皆さんにお配りをさせていただきました。
この資料を出させていただいて質問するというのは、実は、この前のがん対策推進協議会、資料六で書いてあります十月六日のがん対策推進協議会が終わった後に、がん患者の方からメールをいただきました。ちょっとひどいんじゃないかということでメールをいただいたんです。
昨年の十一月四日、この
委員会で、当時まだ鳩山
総理、菅副
総理でしたが、未承認薬、適応外薬の開発
支援の質問をしました。その質問の最後に、ジェムザールという薬を例に挙げさせていただきまして、このジェムザールという薬は、肺がん、膵臓がんには使えるんですが、卵巣がんに使えないということで、卵巣がん患者の
皆さんからの声を紹介させていただきました。何とかドラッグラグを解消して、そういったものに命を大切にする鳩
山内閣として取り組んでもらえないのか、未承認薬、適応外薬の開発
支援を六百五十億ばさっと削られてしまいましたので、その点で質問しました。
そうしましたら、鳩山
総理がこういうふうに言ってくれました。「今、未承認薬、適応外薬の話がございました。いろいろと難しい点もあるいはあるのかもしれませんし、治験に時間がかかって、なかなか未承認の薬を承認するのに時間がかかり過ぎる、他の国では使われているのに、なぜ
日本では使えないのかと、いろいろな悩みを持っておられる方が多いと思います。そういった
方々の思いを一刻も早く、悩みではなくて希望に変わるように、精いっぱい
努力することをお約束いたします。」というふうに
答弁していただきまして、患者の
皆さんからも、この
答弁に対して、何か一歩前進してもらえるんじゃないかということで、多くのメール等もいただきました。
この八月三十日に、菅内閣になって、
保険適用を迅速にできるように、幾つかの品目の薬についてやってくれました。このジェムザールも入っていて、ジェムザールを待ち望んでいた方から、卵巣がんが再発した方からメールをいただいたり、いろいろな方から、本当によくやってくれた、民主党政権がここをきちんと受けとめてくれたということで、本当に大勢の方からメールをいただきました。
やはり、治療薬としてほしいという方たちにとっては、もう待ち望んでいたことだと思うんですが、そういった方たちの中から、今回のがん対策推進協議会、資料六でつけさせていただいた協議会での厚生労働省側の対応が余りにもひどいということでちょっと訴えを聞きましたので、私も資料を全部読ませていただいて、どういうことなのかなと、いろいろ全部見ました。
がん対策基本法ができたときの経緯を思い出していただきたいんですが、当時、自民・公明案と民主党案が対立していました。決して対立する事案ではないのに、なかなか両方が
一緒に議論ができなくて、そのときに、山本
議員が御自分のがんを告白されて、両方の案をつないで、何とか自分の命のあるうちにこの
法案をつくりたいんだということを訴えられて、各党が歩み寄って、今回のがん対策基本法ができたと思うんですね。
そのときの山本
議員の一番の思いは、がん患者さんあるいは患者の御家族の
皆さんが
政府のがん対策にきちんと関与できるように、患者の
皆さんの思いがきちんと
政府のがん対策、厚生労働行政の中に入っていくようにというのが一番強い思いだったと思うんですが、十月六日の協議会の議事録を読んでいますと、特定の個人を非難するつもりで言うんじゃないんですが、対策の室長さんの言葉が余りにも患者さんの気持ちを傷つけるというか、この推進協議会は何のためにあるんだと。がん対策の基本計画をつくる際に、そこに
意見を言うためにというふうに条文には書いてあるんです、確かにがん対策基本法にはそういうふうに書いてあるんですね。だから、それ以外のことはこの推進協議会ではできないんですみたいな言い方をしているんですよ。
それで本当にいいのか。民主党政権下のがん対策は本当にそれでいいのかという思いできょうはいろいろ資料を出させていただいて、
厚生労働大臣にまずお伺いしたいと思うんです。
がん対策の基本計画は、その趣旨のところで、「今後は、」「「がん患者を含めた
国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指すこととする。」というふうに書いてありますよね。患者さんの視点を本当に大事にしている。そして基本方針にも、がん患者を含めた
国民の視点に立ったがん対策を実施することというふうに書いてあります。
この患者の視点というのが欠けてしまっては、どんないいことをしても、多分がん対策というのは進まないんだと思うんですね。
それで、もう
一つ、このがん対策基本法ができたときに、参議院の厚生労働
委員会で附帯決議がつきました。かなり多くの附帯決議がついたんですが、その中で、本当に大事な大事な、これは山本
議員の思いが残ったと思うんですが、二点、
指摘をさせていただきたいと思います。
本法により創設される「がん対策推進協議会」については、
政府の策定する「がん対策推進基本計画」の立案に積極的に関与する機関であるとの位置づけにのっとり、その機能が十分に発揮できるよう配慮すること。その際、がん医療に関連する他の
検討会等との役割分担や連携の強化にも努めること。
というふうに第一項目めで
指摘されています。
そして、第三項目めで、
「がん対策推進協議会」の
委員構成については、がん患者が初めてがん医療の政策立案過程に参画できるようになったことの意義を重く受け止め、がん患者の意向が十分に反映されるよう配慮すること。
こういうふうに書いてあります。
ただ、がん対策基本法では、推進協議会の
皆さんは基本計画をつくる際に
意見を述べるというだけに条文上はなっていますが、やはりこの附帯決議の二項目の重みをしっかり受けとめて協議会をきちんと実施していかないと、山本さんの思いも残らないと思いますし、山本さんは亡くなる際に、私の思いを必ずつないでくれる方がいるはずだ、この推進協議会にがん患者を入れたんだから必ず回っていくはずだというふうに言われています。そういう思いを、やはり同僚だった民主党の
皆さん、特に細川
厚生労働大臣、どういうふうに思われますか。
大臣、御
意見を。