○江藤
委員 自由民主党の江藤拓でございます。
大臣、御就任おめでとうございます。副
大臣それから政務官、皆さん、本当におめでとうございます。尊敬される先生ばかりが御就任をされまして、頼もしい思いもいたしておりますが、今の答弁を聞いておりますとちょっと不安にもなりました。また、政務官のお父さんには、私はアイスホッケーをしておりまして、その時代に、お父さんにリンクまで来てコーチまでしていただきまして、個人的にも大変お世話になりまして、よろしくお伝えをいただきたいと思います。
きょうは、十月二十日の
鹿野大臣の発言に沿って私とすれば
質問させていただきたいというふうに考えておりますが、まあ突っ込みどころがたくさんあり過ぎまして、しかも我が政党には論客がそろっておりますので、重複を避けた形で議論をしていきたいというふうに思っております。
それに先立ちまして、まず口蹄疫について触れさせていただきたいと思います。
きょうで口蹄疫が発生してから百九十日です。そして、終息宣言がなされてからはや六十一日が
たちました。そして、八月三十一日から、いわゆる観察牛、おとり牛を入れて、感染しないかどうか経過措置を見てきました。これも、先週の金曜日に、全部無事だということで観察が終わりまして、これで十一月一日から論理的には経営再開ができるというところまでこぎつけることができました。農家にも
地域にも大分笑顔が戻ってきつつあります。意欲も高まっています。
しかし、その一方で、例えば、消石灰を吸い込んでうちの子供がぜんそくになったとか、殺処分の現場を見て、心に傷を負ってしまって不登校になったとか、それとか、中には、もうこんな思いをするのは嫌だからこの際畜産はもうやめるという方がおられるのが残念なことですけれども、そういう方をみんな励まして、これから、少しでも多くの方がもう一度畜産の
世界に帰ってこられるように努力をしたいというふうに思っています。
一連の対策に関してはいろいろ言いたいことはあります。百点とは到底申し上げられません。しかし、ここでけちをつけても仕方がありませんので、もういたしません。
だけれども、
委員の方々、皆さんそうですけれども、一生懸命、真剣に、真摯に御議論いただいたことは間違いのないことであります。宮崎県も、市町村もです。ですから、そのすべての皆様方に、この場をかりまして、私は宮崎県の
人間としてお礼を申し上げたい。皆様、本当に御苦労さまでございました。ありがとうございます。そして、この間、全国から、本当に物心両面、たくさんの温かい御支援、例えばネットで物を買うとか、お手紙をいただくとか、寄附金ももちろんですけれども、義援金、こういったものでどれだけ宮崎県民が励まされたかわかりません。そういった方々にもこの機会を通じましてお礼をぜひ申し上げておきたいと思います。
しかし、
委員の皆さん、それから三役、
委員長にもぜひお願いをしたいんですが、口蹄疫の最終的な終息は、本当に農家の経営が軌道に乗るとき、そして宮崎県の
経済が復活するとき、そのときが口蹄疫問題の解決のときですから、それまでは温かい御
理解、御支援、真摯な御議論をどうぞよろしくお願いしたい。これは私からのお願いでございます。
先日、
政府が設置をいたしました口蹄疫対策検証
委員会の
委員長さん、山根義久先生、この方とお話をする機会を持つことができました。いろいろ刺激的な御発言もありましたが、この場では避けさせていただきます。
そこで非常に印象に残ったのは、まずは、こういうことは責任の所在をはっきりせないかぬと。それはどこにあるべきかという意見は、やはり国だというのが御意見でございました。それから、水際対策がやはり
日本は他国に比べて非常に不十分だねと。これだけ
アジア各国で、モンゴルでも出ているのに、まだそんなに強化されていない。何か犬を使ってどうたらこうたらという話は聞いていますけれども、全然、そんなに強化されたという感じじゃありません。このことを指摘されていました。
そして、イギリスでは、越境性動物疾病については、今は家伝法によって初動は県の責任ということになっていますけれども、大発生したときに、二〇〇六年に、国にこの責任を一元化しよう、口蹄疫が次に起こったら全部国で対応しようということで、DEFRAという機関をつくったということを教えていただきました。これによって、口蹄疫が発生したら、国の担当官が、専門家ですよ、すぐ行って、そして価格
交渉もして、殺処分してすぐ埋めたから、二〇〇七年は最小限の被害で済んだと。なるほど、すばらしいな。
今の政治の流れからいいますと、例えば出先機関の統合であったり地方分権の
推進であったり、そういうことを考えると、国にそういう機関を新設するということは、これは流れに逆行するかもしれませんけれども、しかし、本当であれば、
日本全国に広がってもおかしくない、九州全体に広がってもおかしくない、大変な事態だったわけですから、今後また与野党を超えて議論させていただいて、このことも
一つの参考としていきたい。これは御提言でございます。御答弁を求めるものではありません。
それから、農家からたくさん言われることは、よかった、経営再建しよう、頑張ろうという人の中に、でも拓ちゃん、怖いとよと。なぜかというと、感染経路が解明されておらぬやないかと。原因が究明されていないじゃないかと。これが究明されないと、次起こったときには本当に首くくらにゃいかぬと。だから何が何でも原因究明、これが一番の要望ですよ。ですから、先ほどの山根先生からもなかなか難しいだろうというお話いただきましたけれども、時間をかけてでも、大きな予算をかけてでも、ぜひとも今回は
政府としてこのことには力を注いでいただきたい。これはまたお願いでございます。
五月の二十日に、思い出しますけれども、都農町の寺迫というところに発生したんです。
委員長と副
大臣は御存じですね。寺迫に出たときに私はもう目の前が真っ暗になりましたよ。寺迫というところは特殊なところで、都農町寺迫、日向市寺迫、旧東郷町寺迫があるんですよ。広域なんですね。日向に入ったのか東郷に入ったのか。東郷に入ったら、これは山ですから、これでもう県北もおしまいだと思いました、正直言って。それから県北の畜産農家は眠れない夜が始まりました。しかし、非常に初動の態勢がよかった、いろいろな反省もありまして。国の御
協力もいただきました。そして、耳川を越えることはありませんでした。
この成功例に、原因究明も大事ですけれども、ぜひ成功例によく学んでください。都城とか、それからえびのも最小限でとどめましたね。どうしてそれができたのかと成功例に学ぶということもぜひやっていただきたい。
そして、宮崎県でとどめたということは、私は褒めろとは言いませんけれども、国際的には高い
評価もいただいているということを御紹介させていただきたいと思います。
長々しゃべりましたけれども、ここから、
篠原副
大臣、集中しますけれども、通告してありますので、簡略に、短く、いっぱいありますから、御答弁よろしくお願いします。
前に何度もやったことですけれども、家畜共済基金について。いわゆる疑似患畜農家は五分の五プラス五分の一で五分の六出る。だけれども、ワクチン接種農家は掛金を支払っていても出ない、見舞金の形の
部分が。私は国が出してくれということを言いました。お答えいただいておりません。
これは大事な問題なんですよ。なぜかというと、もうあってはならないことだけれども、もしまた口蹄疫が発生したときに、ワクチンを打たせてくれと言ったときに、だって、おまえ、うちの牛は元気やし、ワクチンを打ったら共済金分出らんのやろと言って、
合意をとるのが難しくなることがあるかもしれない。もしかしたら、共済に入ること自体をちゅうちょする人も出てくると共済制度自体に亀裂が入ることも考えられますよ。ですから、これはやはり不公平感をなくすという
観点で、ぜひ検討してください。
それから、自家保留。何度も言いましたね。優良繁殖雌牛更新促進事業、単年度事業ですけれども、これは自家保留を認めておられない。だけれども、今回は、一回の市場で二百頭、三百頭
規模で自家保留なんですよ。自分のところにいい牛を残したい。だけれども、売らなければ収入がないですから、生活が苦しいんですよ、そういう人ほど。だから、そういう人に何とか手を差し伸べてもらいたい。これも前に言ったことです。
それから、出荷遅延対策。平均出荷日齢プラス三十日、この三十日とは一体何だと言ったら、何じゃかんじゃずっとへ理屈をこねていましたけれども、ようやくどうも
政府内で三十日を取っ払うという方向で今議論が進んでいるそうです。このことは了としたいと思います。遅いですけれどもね。遡及性を持ってやってくださいよ、遡及性を持って。きょうからの分じゃなくて。
そして、繁殖農家は、二百八十日ぐらいを過ぎたら、その後のえさのやり方は肥育農家のえさのやり方をしているんですよ。何回も言ったじゃないですか。えさ代が余計にかかっているんですよ。繁殖は四百円、肥育は六百円。この二百円分は最低でも上乗せしてもらわないと合いませんので、ぜひやっていただきたい。
それから、参議院の
委員会で、ボランティアで活動された民間の獣医師の先生方に報酬を支払うことを前向きに検討すると
篠原副
大臣は答弁されましたね。ところが、宮崎の新聞では支払うと出たんですよ、支払う。宮崎の獣医はもう皆もらえると思っています、もらえると思っているんです。必ず出してください。
そして、それだけじゃなくて、それに付随して、人工授精師、削蹄師、それから酪農ヘルパー、それから乳牛検定員、筆頭なんかよく御存じでしょう、北海道ですから。こういう方々も収入が断たれているわけですから、何らかの
政府の温かい手を差し伸べていただきたい。重ねてお願いをいたします。
これも前に
質問をしたことですけれども、三カ月間種つけしていません。来年の十一月から翌年の一月まで出す牛がありません。年末年始に収入がない。農家は大変ですよ。このことについては今のうちに何らかの手を打っておく必要があると前の
委員会でも申し上げましたが、副
大臣、まとめて御答弁、簡略にお願いします。