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柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。
放送法の
放送の
定義の問題はこの
質疑でも何度も取り上げられておりますが、
放送の
定義、どこまで入るのかが法文上不明確であるという問題です。
これは通常
国会の参考人
質疑のときに私も日隅弁護士にお尋ねをしたんですけれども、おもしろい
表現をされたんですね。この法文上の
放送の
定義では、どこまで入るのかということが明確でないということははっきりしているという言い方をされたんです。明確でないということはもう明らかだという言い方をされたんですね。
それで、先ほど来取り上げられている、
放送法
改正によってインターネットやブログが取り締まられてしまうのではないかという、いわゆる
放送法百七十四条問題というか百七十四条騒動というか、こういうことが起きてしまったわけです。当時の
原口大臣は、ネットが
放送に繰り込まれる、こういう声については、明確に否定をする答弁をされました。
電気通信事業法を繰り込んだ形になったので「
公衆によ
つて直接受信されることを
目的とする
電気通信の
送信」、こういうことになっただけで、
定義上、
放送の対象となるものをふやしたり減らしたりするものではない、こういう話だったというふうに思います。
それはそれでネットユーザーの皆さんは安心をしたわけですけれども、しかし、私に言わせれば、そこである
意味では思考停止していることが問題なのではないかというふうにも思います。
原口大臣は、実は私に対する答弁でこうもおっしゃっています。五月十三日の衆議院
総務委員会、おっしゃるように、今回は明確なんです、インターネット
動画みたいなものは入りません、だけれども、限りなく同じでしょうというときが来るかもわからない、そこはICT
タスクフォースで議論するんです、こういうふうにお答えになられているんですよね。
原口さんのいみじくもおっしゃられたとおり、例えばニコニコ生
放送と
テレビ放送と、どこがどう違うのか。例えばCSやBSには、視聴者一万人もいかないものがごろごろあるわけです。一方、ニコ生、ニコ動のたぐいには、十万人以上の視聴者があったりもする。
テレビにも
国会にもお出にならない小沢さんがニコニコ生
放送に出て視聴者を十五万人集めた、こういうこともあるわけです。影響力も大きい。それはそれでやはり
放送じゃないかという気もするわけですよね。現に、ニコニコ生
放送は、ニコニコ生
放送とみずからを名乗っているわけです。
逆に、ニコ生にはるかに及ばない、例えば一万人も見ていないBSやCS、こういうものを
基幹放送として、地上波の
キー局と同じコンテンツ規律にかけることに果たして妥当性があるのかというふうにも思うんです。そういう
意味では、
基幹放送を広くとり過ぎているのではないかという気もしてまいります。
か
つての
通信・
放送の在り方懇談会のメンバーの方にちょっと話を聞いたんですけれども、
基幹放送は、場合によっては地上波の
キー局だけでいいんじゃないかと思っていた、しかし、BSもCSもAMもFMも短波も、ほとんど全部が
基幹放送に入ってしまった、こういうのは本来は
一般放送のカテゴリーに入るべきものなのではないか、なおかつ、時代の進展によっては、そこにニコ生のようなインターネットを利用した
放送類似のサービスを
一般放送として最終的には入れていくべきだ、こういう考え方も言われておられました。
また、
放送については、か
つては、有限な資源の
電波を使うわけだから、バランスよく使わなければいけない、不偏不党、公正中立でなければいけないということで、
放送法にはコンテンツ規律がかかっていたわけです。しかし、一千万部も出している
全国紙には、別に、
新聞法があって、コンテンツ規律がかかっているわけではない。
そう考えると、これから、
通信と
放送の相互乗り入れが進んで、区別がつかなくなった場合、
放送だけを取り出してコンテンツ規律をかけるのに
意味はあるのか、こういう議論も出てくるんだというふうに思います。そのことを、今後、
放送法を六十年ぶりに
改正して、
通信と
放送の融合法制だ、そういうことを言っているわけですから、本当に考えていかなければならないというふうに思っております。
さらにつけ加えて申し上げれば、この
放送法の
放送の
定義は、一部、著作権法上の
放送の
定義と整合がとれていない部分があります。IPTVについては、
電気通信役務利用
放送法の対象でしたから、今度の
放送法では
放送になった。でも、著作権法上は、自動
公衆送信ということで、今も一応は
通信のカテゴリーに入っているわけです。だから、IPTVは、
放送法上は
放送で、著作権法上は
通信だと。
事業者は、こういうことによって困ってしまっているわけです。
こうした
放送の
定義については、今回、ネットは当てはまりませんよ、安心してください、こういうことだけではなくて、しっかりこれから議論を深めて、結論を見出していくべきときに来ていると思いますが、御
意見をお
伺いしたいと思います。