○坂口(力)
委員 ありがとうございます。
言葉と言葉との間に存在するものをしっかりと読み取らせていただいたということにしておきましょう。これ以上なかなか明確なことを
大臣も立場上言えないということもあるんだというふうに思いますが、しかし、おわかりいただいていることは間違いないと思うんです。
これは余り具体的なことを言ってはいけませんけれ
ども、中には、もう倒産しました、名前を変えてもう違う会社にしましたといってやっているところもあるわけです。ただ、名前が変わった、だけれ
ども前の会社が倒産したことだけは確か。そして、新しい会社をすぐ立ち上げたというところも中にはあるわけで、そうすると、そういうところはもう払わぬでいいわけですね、ないんですから。だけれ
ども、そうではなくてまじめに一生懸命に払っておるところが全部かぶってくるというようなことは、これは少し問題がありはしないか。厚生
年金基金という
制度をこれからやっていくという段におきましてもそうしたことが起こり得ますので、そこはひとつ、しっかりとお願いを申し上げたい。
後の皆さん方が本当にまじめに、私
たちは何とか生き延びて、そして借りたものについてはお返しをしていきますと、前向きに返してくれるような環境をひとつつくってもらいたい、ぜひここはお願いを申し上げたいというふうに思います。
それでは、この問題、これ以上言いましてもなかなか難しい問題でございますから、これだけにさせていただきますが、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それで、ちょっと時間がありますから、
年金制度全般にかかわる話、これは前の長妻
大臣のときに私、何度かやらせていただきましたから、屋上屋を重ねる感もあるわけでありますが、六月の二十九日に「新たな
年金制度の
基本的
考え方について」という中間の取りまとめをされました。その中間を取りまとめました中に、七つの
原則というのがございます。この七つの
原則というのは、どんなものか聞いておりますと時間がかかりますから、これは私も持っておりますので、わかっております。
その中の一番初めに、
年金の
一元化の話があるわけです。これはもう
民主党さんにとりましては一丁目一番地みたいなものでありまして、
年金一元化というのをおっしゃることは私は無理もないことだというふうに思いますけれ
ども、この
一元化というのは、言うのは簡単ですけれ
ども、そうできることではない。できないと思っておるのが私の
考え方でございます。
なぜか。なぜかという前に、なぜ
一元化をしなければならないかという哲学のところもわかりにくい。
これも長妻
大臣のときに申し上げたんですけれ
ども、私はドイツへ行きまして、ドイツの
年金制度を勉強しましたときに、向こうの人が言いました。日本はなぜ
一元化、
一元化というようなことを言っているのかと。どういう職種の人も同じ
年金にするということが本当に公平なことか、それはその職種職種によって
年金制度の違う方が公平ではないか、なぜ
一元化するのかということを向こうの人に問われて、私がしようと言っておるわけではありませんのでよく聞いておきますと言って帰ってきましたけれ
ども、そういうドイツはドイツの
考え方があるわけですね。
それは、公務員の皆さんは
保険料を払わなくてもいいわけですね、ドイツは。恩給と一緒です。払わないけれ
ども、ちゃんと
年金はつく。公務員というのは、それだけ生涯をかけて国のため
国民のために尽くして、ほかのことには何ら手を出さない。手を出さないというか、お金もうけをするというようなことは一切ない。そういう生涯を送っている人に対しては、それ相応のことをしなければならない。それでドイツは、
保険料は公務員はなし、それできちっと
年金はお渡しをする、当たり前だ、こう言うんですね。
農業や漁業の皆さん方は、これは定年はないわけですから、元気であればいつまでも仕事ができる。そして、お体の調子が悪くなったときには
医療保険でこれは見ていく。そして、そういう職種の皆さん方は、いざというときのために、もうけたものを残していただく。それで、農業や漁業をされる方は
年金制度に入っても入らなくてもよい。こういう
制度をドイツはつくっている、こういうことですね。
それぞれの
考え方が違いますから、日本はそこまで割り切れておりません。それは、農業、漁業の人も何とか
年金制度をつくっていかなきゃいけない、もう少しよくしていかなきゃならない、私
たちもそうは考えております。しかし、一つの
制度の中でやっていけるかどうかというと、なかなか私は難しいのではないかと。
言ったついでに、こちらから先へ
質問をいたしますが、一つは、事業をやっている方は、
一元化になりますと、そうすると、
保険料は倍額払わなきゃならぬわけですね。いわゆる経営者が出してくれるものはありませんから。
所得に応じて、同じ
所得であったとしましても、サラリーマンの皆さん方と比較をいたしましたら、サラリーマンは半分企業の方が出してくれる。しかし、これは出してくれるところがないわけでありますから、自営業者のところは自分で全額出さなきゃならない。そうすると、
保険料は倍額出して、そしてもらう
年金は同じということになる。
これは、
所得が同じの人には同額の
保険料で、同じ
保険料の人には同額の
年金を払うという、もう一つの
民主党がおっしゃっているその
基本に反するのではないかと私は思います。だから、ここを一体どうされるのか。何度か私はここをお聞きしておりますけれ
ども、明確な答弁をいただいたことはありません。これが一つ。
それからもう一つは、三号被
保険者でありまして、企業にお勤めの方の奥さんでおうちにお見えになる皆さん方は、それは
国民年金の
保険料は払わずに
国民年金が支払われるということに現在なっております。これは働く女性の方からは、なぜそんなのを認めるのかといって、これは大変なブーイングでございます。
しかし、一方において、それは過去の経緯もあり、認めてきた。今度、これを
一元化するということになりましたら、
年金は個人単位ということにならざるを得ない。個人単位になりましたら、三号被
保険者の奥さんの分も
保険料は払ってもらわなければならない、こういうことになるのではないかというふうに私は思います。
長妻前
大臣は、払ってもらって、ゼロ%にしたらどうだろうということをおっしゃいましたけれ
ども、それをゼロ%にするんだったら、自営業の皆さん方の方にもっとまけるということをしなきゃならない。それは、そこだけゼロ%というわけにはいかない。もしゼロ%にしたら、働いている女性の側からまた大変な反撃が来る。これはもう言うまでもないと私は思います。
だから、
一元化の問題で、少なくともこの二つは乗り切らなきゃならない問題であります。
細川大臣はそこをどのようにお考えになっているか、余り具体的な話じゃなくてアバウトな話でも結構でございますから、そこはお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。