○齋藤(健)
委員 ありがとうございます。
それでは、アセス法については私の懸念は以上でありますので、次に、私の大好きな二五%削減
目標について
お話をさせていただきたいと
思います。
政治家あるいは政府の
説明責任ということについてでありますが、私は、前回の
質問のときにも申し上げさせていただきましたが、松本
大臣にはぜひ十分な
説明責任を果たしていただきたいと大きく
期待をいたしているところでございます。
二五%削減がいいのか悪いのかという是非の議論というよりも、そうではなくて、二五%削減を言う以上は、どういうことになりそうかということを
説明する責任は提案者の側に当然あるのではないかというふうに思っているものですから、私は、責任ある政治家ならば、それは責務としてきちんと国民に
説明をすべきだというふうに思っているものであります。虚心坦懐に考えていただきたいと本当に
思います。
恐らく、
大臣の部下であります役人の皆さんから話を聞いても、全員とは言いませんけれども、多くの人は、自分
たちのやっていることを擁護するようなディフェンシブなことしか言わないのが通常であります。役人出身の私が言うのだから、間違いないと
思います。だから、ぜひ松本
大臣には虚心坦懐に、本当にこんなことでいいのか、立場にこだわるのではなくて、本当に何が正しいアプローチなのかを、まだ就任してから時間がたっていないかもしれませんが、お考えいただきたいなと切に訴えたいと思っております。
きょうは、宿題と言うと失礼になりますけれども、言い方をかえれば早目の
質問通告ということで、これから私が述べる懸念につきまして、この
環境委員会で実りある建設的議論をしたいと思うものですから、きょう、事前に私が懸念を持っている項目について
お話をさせていただきます。
質問はいたしません。ですから、この懸念を持って帰っていただいて、次の私の
質問のとき以降に
大臣と本当にきちんとした議論をさせていただけたらと思っているところでございます。
順次
お話をしたいと
思いますが、まず、二五%削減
目標が雇用に与える
影響は大体どういうふうになりそうか、この一番肝心のところの
説明責任の問題であります。
先日の予算
委員会で、十一月九日ですけれども、私はこの点につきまして総理にたださせていただきました。事前にこの
質問は通告をしてありまして、国民にこうだと、雇用についてのきちんとした
説明責任を総理として果たしていただきたいということを事前に通告させていただいておりましたが、総理の
お答えはこういうものでございました。
雇用の問題につきましては、グリーンイノベーション、さまざまあります、そういう
意味では、新しい技術、新しい産業等々これからは生まれてくるということもありますので、さまざまなモデルがあると
思いますけれども、そこに向かって頑張っていきたいというふうに思っておりますと。これでは国民は不安になるだけであります。これは
大臣の
お答えであります。
それから、菅総理はこういう
お答えでした。そういったことも含めて、新成長戦略に位置づけられましたグリーンイノベーションによる
環境・エネルギー大国戦略においては、
環境分野を雇用を生み出す成長産業というふうに見ておりまして、二〇二〇年までに五十兆円を超える
環境関連新規市場、さらには百四十万人の
環境分野の新規雇用を想定いたしておりますという答えでありまして、いささか、事前に通告をして、本当に国民の不安に大丈夫だというきちんとした御
説明をしてほしいということを申し上げたんですが、私は、残念ながら、これを聞いている第三者には、そういった
説明責任がしっかり果たされたという印象はなかったのではないかと正直に
思います。
ですから、今ここでどうこうということではありませんが、ぜひ松本
大臣には、この点につきまして、本当にこんな
説明でいいのかどうかお考えいただきまして、今度御議論させていただけたらと思っております。
次に、GDPに与える
影響というものもはっきりいたしておりません。経済成長にどういう
影響が出るのかということが明確になっておりません。そんなことで、本当に二五%削減をやるということについての
説明責任を果たしたことになるのでしょうか。
それから、国民負担、これについてもきちんとした
説明はございません。本当にそれでいいんでしょうか。これをまた
大臣と議論させていただきたいと
思います。
それから、この
国会には、前の
大臣が出されました
小沢大臣試案以外のものは今ないわけであります。この
小沢試案というものは今も生きているんでしょうか。撤回されないのかということについて、また今後御議論させていただきたいと
思います。
また、
環境問題に関する重要事項を審議すると法で定められております
中央環境審議会の審議にもろくにかけていないものをこういうふうに
国会に出してきて、分析結果だ、あるいは法案だというようなことで、
大臣は本当に
説明責任を果たしているとお感じになるのかどうかです。
それから、各省とも調整しておりません。今我々に提案されている試案というものは、各省との調整もしておりません。そういう
状況で、政府として国民への
説明責任を果たしていると松本
大臣はお考えになられるのか。その点についても今後議論させていただきたいと
思います。
それから、この
小沢大臣試案では四つのモデルで定量的な分析をしておりますが、そのうち二つは二五%削減の
影響について直接分析をしているんですが、残りの二つはしていないわけですね。
国会での答弁で、当時の寺田局長は、類推できるからいいんだという御答弁をされました。分析しなくても、類推できるからいい。私は、ちゃんとやってくれ、類推できるからいいじゃなくて、やれるんだったらやってくれということをお願いしましたが、いまだに返答がないので、そんなことでこの
国会での審議はいいんでしょうか。
それから、これは非常に重要な話だと思うんですが、アメリカの中間選挙の結果、アメリカの法案というものが通る可能性が九九・九%なくなったという
状況であります。アメリカは、法案が通る前提で、二〇〇五年比一七%削減というものを
COP16の事務局に
提出しているわけでありますが、法案が通らないということは、アメリカの
目標そのものがなくなってしまうということであります。
ですから、アメリカが意欲的な
目標を掲げるかどうかという以前の問題として、
目標そのものがなくなる。しかも、あと二年間はその状態が続くということでありますから、私は、
日本が提案している二五%削減
目標の前提条件というものが満たされる可能性はほぼゼロになったのではないかと思っておりますので、この
目標そのものの立て直しが必要なのではないか、あるいは、その前提条件が成り立たなくなっているわけでありますので、論理的に、法案そのものも撤回すべきではないかと
思いますが、この点も松本
大臣と議論させていただきたいと
思います。
また、当初、
日本の二五%削減が科学の要請でもないのに科学の要請と言い募った時期がこの政府にはございました。これは、いわば国民をだましたことではないかと言われても仕方がないような話であります。私は、この科学の要請と言ったことを撤回して、改めて、なぜ二五%なのかということを、法案を撤回しないのであれば
説明すべきだと考えておりますので、この点につきましても松本
大臣と今後議論していきたいと
思います。
これですべてというわけではありませんが、松本
大臣におかれましては、ぜひ御自身で率直に御
検討いただいて、これらの点についての
大臣御自身のお考えをまとめておいていただけたらありがたいなと
思います。
その際、繰り返しますけれども、事務方はややもすれば自己弁護に走る可能性がありますので、事務方だけではなくて、真摯な
研究者の方ですとか産業界の方ですとか労働界の方ですとか、そういう方から直接、ざっくばらんに
お話を伺っていただきたいなと
思います。これはざっくばらんにやらないと、政府の意向に反して
意見を言うというのはなかなか勇気の要るものでありますので、うまくざっくばらんにやっていただいて、本音を聞き出していただいて、そういう機会も多く
大臣につくっていただけたらと
思います。
これらの点につきましては、いずれ
大臣のお考えをこの
国会でお伺いして議論を深めさせていただきたいなと思っておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
大変生意気なことを申し上げましたけれども、きょうは
質問だけということで、これからの議論をよろしくお願いしまして、ちょっと五分早いですが、私の
質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。