○赤松(正)
委員 冒頭、何でこんな話からスタートしたかといいますと、もういろいろなところで言われているから
大臣も耳にしておられるかもしれませんが、「太平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず」、明治の維新のときの狂歌ですね。
私、この黒船来航で
日本が江戸幕府の時代から明治維新を経て今日に至るまでの流れの中で、ある意味で今回のこの事態というのは、「太平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず」、これにひっかけて今風の狂歌を
考えてみた。「平成の眠りを覚ます中
漁船 たった二発で夜も眠れず」、この中
漁船というのは玉煎で、宇治のお茶の別名を指すということで、別に言葉遊びをするわけじゃありませんが、際立って
状況は似ているなと。
冒頭、今の
前原大臣の時代認識、大きい話でございますけれ
ども、この辺を
確認した上で、まず、今の
日本をどうとらえておられるのかということを、私の
考えも申し上げて、
大臣のお
考えを聞かせていただく。ここから始まって、そして対中、対ロの外交の基本的なありようというものについて、先ほどお二方の同僚
委員から
質問がありました。それを聞いていて、
大臣のお
考えも随所に披瀝されていたので、その辺のことを
確認したり、あるいはまた私から御
指摘をさせていただいたりということで、大枠、二つの角度からの
質問をしたい、こんなふうに
思います。
まず、時代
状況の認識。明治維新のときの狂歌を申し上げましたけれ
ども、今、多くの国民は大変に、先ほど
委員会の
冒頭であった、
中国の
漁船との
尖閣諸島沖におけるトラブルをめぐって、今日のロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問に至るまでの一連の流れの中で、いろいろなとらえ方、いろいろな見方があるんですけれ
ども、一つやはり大きな塊としてあるのは、先ほど来の
大臣のお言葉にもありましたように、というか、
質問者とこんがらがっておりますが、やはり
日本の国の主権というものをいかにして守っていくか、そして領土をどう保全していくかということについて、多くの国民の
皆さんが民主党政権のかじ取り、これは民主党政権だけの
責任にするつもりはありません。後で申し上げますけれ
ども、自公政権の終わりのころから、先ほど五年という話をされましたが、文字どおり自公政権の終わりのときの五年を含めて今日に至るまでの流れの中で、やはり多くの国民が懸念を抱いていたことが顕在化してきたというとらえ方ができるのではないかと
思います。
私はかねがね、先ほど申し上げたような明治の維新というところから、
日本が日露戦争を経て、そして一九四五年の
日本の崩壊、さきの大戦で
日本は負けたという、約八十年間のいわゆる軍国主義による興亡があって、そしてその後、第二次大戦以降いわゆる経済至上主義、前半が富国強兵だとするならば、大戦以降は富国強経といいますか、あるいは富国のみといいますか、そういう経済至上主義で
日本のかじ取りをずっとしてきて、そしてバブルが絶頂になって、バブル崩壊、こういう形で、今まさにバブル崩壊の流れの延長線上にある。
そういう観点で、四十年の興隆、四十年の没落、こういうトータル八十年でいきますと、一九四五年から四十年後が一九八五年、若干のずれがありますけれ
ども、バブル絶頂期。それが崩壊して四十年ということは、今度は二〇二五年ですから、これは少子高齢化のピーク。こういうふうな
状況の中で、まさに
日本が今非常に苦しい
状況の中にある、こういうことが言えようかと思うんですね。
その最初のきっかけになった、先ほどの狂歌でいいますと、スタートになった
時点は、まさにいわゆる第一の開国である。戦争の敗戦によって第二の開国を強いられて、今、第三の開国を強いられているときにある。第三の開国というのは随分前から言われ続けてきて、一体いつ開国するんだという
状況が続いてきた中で、まさに今、この
尖閣の問題が起きて、そしてメドベージェフ・ロシア大統領の訪問。
これは私は、後で申し上げますけれ
ども、両方の国の国内事情、
中国の国内事情、そしてロシアの国内事情、もちろんそれもあります。しかし、それもあるんだけれ
ども、言ってみれば
日本の側のシグナルといいますか
日本のかじ取りとの強い
関係がある、そういうふうに
思いまして、まさに今、そういう点では第三の開国期を迎えた
状況の中で、言ってみれば寝られない。今までは平成の眠りで、正直言って、多くの国民、私
たちも含めて、ある観点からすれば眠っていたとしか言いようのない側面があった。それが、目を覚まして、これから立ち上がろうとするのかどうかということが問われている。
もう一遍また深い眠りに入るんじゃないかという説もあるんですけれ
ども、そういうふうな時代認識を私はしているわけですけれ
ども、
大臣の認識を聞かせていただきたいと
思います。