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内閣総理大臣(
菅直人君) 私も仙台で御一緒したときのことはよく覚えていますが、特に覚えているのは翌日大変な二日酔いであったというその
状況を
思い出しております。
私、この
総理大臣という役職、今そのときも言ったと言われましたが、こういう形で就任することになるということは予想いたしておりませんでした。しかし、そうした就任をしたときに私なりに
考えましたことは、先ほどどなたかの御質問にもお答えいたしましたけれども、やはり
総理大臣としての職務に対する評価というのは、最終的には
歴史の中で評価が定まるんであろうと、
歴史に対して恥じない行動、言動を取っていこう、そういうことを私なりに心に
決めたところであります。
そういう中で、少し具体的なことを申し上げますと、昨年の
選挙では
国民の生活が第一、そして、それに加えて、今回の
選挙で元気な
日本を復活させる、こういう大きな目標を立てたところであります。そして、私はこの二十年間、
日本の基本的な政策の運び方が幾つかの点で大きく間違っていたことが今のような
日本の
状況を生み出したと、このように
考えております。
そこで、具体化するために何が必要か。それは経済成長を目指す改革、
財政健全化を目指す改革、社会保障の改革、これをばらばらに
考えるのではなくて一体的に
考えていく必要がある。つまりは、景気対策は景気対策だけ、社会保障は社会保障だけという
考え方ではなくて、それらを一体的に
考えることによってその三つのことを連動して推し進めていくことが必要であろうと、このように思っております。
そういう中で、今いよいよ本格的な
予算編成の時期になるわけですけれども、まずは雇用の拡大を通して経済成長とデフレからの脱却、こういうことに重点を置いた政策を進めていく必要があるだろうと思っております。
また、社会保障については、これはもう
櫻井さんの
専門分野でありますけれども、この間、社会保障は高齢化の進展も伴って負担が大きくなっていく中で、残念ながら
財政がそれに伴っておりません。そのために建設国債ではなくて赤字国債が多額に発行をしなければ
予算が組めない
状況がこの十年近く続いてきているわけでありまして、そういった点では
国民の
皆さんにも、負担はある程度必要だけれども、だれもが安心でき、活力のある社会というものを選んでいただけるのか、それに対して、負担は小さいけれども、格差が大きくて多くの人にとって不安な社会でとどまるのか。私は、やはり負担はある程度必要であるが、だれもが安心でき、活力のある社会というものを目指すという方向で
国民の
皆さんの理解を得てまいりたい、このように思っております。
そういった中で、もう
一つだけせっかくの
機会ですから申し上げさせていただきますと、私は、
政治の目的というのは不幸を最小化することにあるということをいろんな場で申し上げてまいりました。
最近の
状況の中でいえば、やはり個人個人が非常にばらばらになって孤立化している、最近の高齢者の方の、何といいましょうか、行方がはっきりしないといったことも、いろんな事情があるにしても、地域社会あるいは親子の関係等が大変薄れている、そういう中にまたいろいろな事件が起きております。
私は、前鳩山
総理が言われていた居場所と出番のある社会、だれもが居場所と出番があって、そして元気を取り戻せる、そういう
日本を目指して頑張っていきたい、こう思っておりますので、
櫻井議員にもどうか御指導をいただきたいと思っております。