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井上(義)
委員 私は、これから衆参ねじれの中でどうやって合意形成していくかということになると、やはり現状を率直に認めるということがなければ、なかなか
議論が進まないと思いますよ。ですから、
マニフェストについて明確に、変更するなら変更する。ただ、
党内にいろいろな、衆議院の
マニフェストは変更すべきじゃないという
議論もあって、
党内事情が優先して、非常にそれがあいまいになっているということについて、私は大変憂えております。そのことを率直に認めるところから
議論が進むのではないかということで、今回この問題を取り上げましたので、ぜひ、そのことを頭に入れながら
予算編成をしていただきたい、こう思います。
最後になりますけれども、景気対策ということについてお伺いしたいというふうに思います。
確かに、
日本の
経済は、足元においては、数字の上では穏やかに回復をしてきています。エコカーの補助金とかエコポイントなどの
経済対策による消費の下支えがありました、また、中国を初めとするアジア向けの輸出の拡大があった、こういうことを要因としていますけれども、国内を見ると、依然としてデフレの状況が続いています。その結果、地方では、本当に地域を回りますと、もう仕事がないという声が渦巻いておりまして、極めて深刻です。それから、新卒者を初め、依然として雇用状況が厳しい。そういういわゆる統計にあらわれない中小企業の実態とか、あるいは地域の
経済の実態、そういうところにしっかり目を向けて適切な対策をとることが必要じゃないか、私はこう思います。
こうした中で、エコカーの補助金は九月末に切れますし、エコポイントは十二月末で終了する、あるいは住宅エコポイントも十二月末までの建築着工分で終了するということで、
経済対策の効果というのは今後間違いなく減殺していくわけです。その結果、景気の踊り場に差しかかる可能性があるということで、やはりどう景気回復を軌道に乗せていくかということが重要な課題であるというふうに思います。それについて、やはり知恵を絞らなければいけないというふうに思います。
そこで、私は、具体的な追加的
経済対策ということについて何点か提案をさせていただきたい、こう思います。
一つは、真に必要な社会資本整備の前倒しということです。
特に、近年、ゲリラ豪雨が全国各地で多発をしています。災害対策というのは、ある
意味で、もう新たな段階に入ったと言ってもいいわけでございまして、そういう対策を前倒しでしっかりやる。
あるいは、学校の耐震化、これについても、公明党の提案で、
経済危機対応・地域活性化予備費八百十八億円を活用して、二十二年度に地方自治体が計画をしている学校施設の耐震化、老朽化はすべて実施されることになりました。もちろん二十三年度もしっかり
予算を組んでもらいたいと思いますけれども、緊急整備として、さらに前倒しをして、実施できるところから着手をしてはどうか。
それから、これはまた後ほど同僚議員からも質問があるかと思いますけれども、圧倒的に不足している介護や保育施設の整備、こういうことも、雇用創出につながるもので、極めて重要だというふうに思います。
それから、雇用対策ですけれども、実は新卒者の雇用対策。
今春大学を卒業した学生の就職率は九一・八%と過去二番目の低さで、未就職者は三万一千人に上るわけです。さらに驚くべきことは、先日、読売新聞の独自調査で、今春の就職留年者、いわゆる就職ができないために留年をする人、これが七万九千人に上るという調査結果が出ていました。実に卒業予定者の七人に一人が就職のために留年をしているという実態があるわけです。
この背景には、新卒一括採用という企業の採用形態が大きく
影響して、どうしても、企業採用というのは卒業予定の大学四年生を選考の中心にするために、卒業してしまうと既卒者扱いになって不利になるということで、あえて留年をするということになるわけです。
私ども公明党は、この問題を解決するために、いわゆる企業採用における新卒要件を卒業後三年間までは緩和すべきであるというふうに提案をしています。このことについて、
政府を挙げて企業側に働きかけを行うとともに、必要な制度改革を早急に講じてもらいたい、こう思います。
それから、訓練・生活支援給付ですけれども、これについても、現在、
厚生労働大臣の諮問機関である労働
政策審議会でも検討されておりますけれども、この訓練・生活支援給付の恒久化というものをぜひやるべきだというふうに思いますし、直ちに恒久化できないということであれば、少なくとも延長すべきであるというふうに思います。
それから、エコポイント制度なんですけれども、
一つは地デジ対策ですね。完全移行まで一年切りました。この地デジ対策のために、例えば少なくとも地デジ対応テレビ、これについては来年七月まで完全移行を目指して一定期間延長してはどうか。それから、住宅版のエコポイントも、この十二月末着工分までということになっていますけれども、これを延長する。
それから、中小企業対策で、中小企業の金融円滑化法、これが実は来年三月に切れます。これについては、中小企業からの申し込みに対して、貸し付け条件の変更などの実行率がおおむね九八%に達しています。非常に中小企業の
皆さんから喜ばれておるわけで、これを延長してはどうかという提案でございます。
その他さまざまあると思いますけれども、財源についても、
経済危機対応・地域活性化予備費、これがまだあるわけです。先ほど申し上げましたように、学校耐震化で八百十九億円、それ以外はまだ支出されていません。これを活用する。
それから、
平成二十一年度の決算剰余金、これが大体一・六兆円ぐらいあります。これは法律では、半分は
国債整理基金に入れる、半分は自由に使えるということになっているわけですから、この決算剰余金、少なくとも現状でも半分の八千億が使えるわけですから、これを財源にして、こういう追加的な景気対策というものをしっかり補正
予算を含めて打つ。
こういうメッセージをしっかり発していくということは、やはり現場の
経済に、ある
意味で方向性とか活力を与えるということになると思います。
かなり広範ですので、
総理、一括してこういうことについて
お答えいただければと思います。