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鈴木宗男君 私は今、
最高裁判所に上告中の
刑事被告人の身です。しかし、必ず真実が明らかになると確信をしております。
ただ、永年
在職表彰のお話を伺ったとき、私の心の中で
二つの声が交錯しました。
一つは、あなたは
刑事被告人だ、このような場で
表彰を受けることは自粛した方がいいという声です。
もう
一つは、このことはあなたの
個人的信条の話ではない、
国会議員は
国民によって選ばれた
国民の代表である、二十五年間
民意を体現してきたあなたの役割に対して
表彰がなされるのであるなら、ここは淡々と受けるべきだという声であります。
この
二つの声とあわせて、私が今日あるのは、
昭和五十八年十二月の初当選以来、いついかなるときでも私を支えてくださった、
松山千春さん初め
かけがえのない
後援者、
秘書初め
事務所スタッフ、家族、友人のおかげであるということを考えたとき、
政治家鈴木宗男として、
職業的良心に基づき、受けさせていただくという結論に至りました。
改めて、この機会を与えてくださった
皆様方に心から感謝申し上げます。(
拍手)
この場をおかりして、私の率直な思いを述べさせていただきます。
今、
日本は、
国家統合並びに
民主主義の
危機に直面しております。ここで私たちは、何よりも過去の歴史を振り返るべきです。
昭和五年以降、
我が国は急速に破滅への坂を転げ落ちていきました。その原因は、当時最大のエリートだった
軍事官僚のひとりよがりの
正義感、現実から遊離した
情勢認識でした。今、一部
官僚により、それが繰り返されています。
外交面でも、
日本は
国際社会の中で孤立し始めております。
私は、北方領土問題の
解決に向け、
政治生命をかけて取り組み、国益に即した活動をしてきたと自負するものです。しかし、一部の
外務官僚の
情報操作と、それと手を握った
検察官僚によって失脚させられました。
しかし、
国民が私をもう一度この席に送り出してくれました。私の
北方領土返還への取り組みを、
民意が正しく理解してくれたのです。
私は、北方領土問題とともに、竹島問題や沖縄の米軍基地問題、
アイヌ民族の
権利確立の問題の
解決に努力してまいりました。それはまさに、
日本国家を維持し、強化したいと考えていたからなのです。
取り調べの
可視化に取り組んでいるのも、
検察官僚の小さな
出世欲のために、密室における誘導や誤導、取引が常態化している病的な
現状を何としても矯正しなくてはならないと考えるからなのであります。このことが実現されない限り、
我が国の
民主主義が根底から崩されるという
危機を、
自分自身の体験を踏まえ、痛切に感じております。
冤罪は、あってはなりません。権力による
国策捜査も、断じてあってはなりません。
同僚議員の皆さん、時代のけじめをつけることは、
国策捜査によって行うのではなく、
国民によって選ばれた我々
国会議員が、
政治主導によって行うべきではないでしょうか。(
拍手)
我々
国会議員も、党派的な問題、個人的な野心といった、本質から外れ、重要でない問題にエネルギーを注ぎ過ぎている
現状を改めなくてはなりません。我々がこうしている間に、
政治が
民意から離れていくのです。そして、
国家が弱っていくのです。
私は、
国民の英知を信じます。
国民の声に耳を傾け、
国民とともに進んでいくことにより、
日本は現在の
危機から脱出できると確信しております。
最後に、いま一度、至らぬ私をいつも親身になって支えてくださった、
松山千春さん初め
かけがえのない
選挙区並びに全国の
後援会の
皆様、
秘書初め
事務所スタッフ、そして、特に我が妻、息子、我が娘に心から感謝申し上げ、謝辞といたします。(
拍手)
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