○江藤委員 自由
民主党の江藤拓でございます。
古屋筆頭の方から非常に緻密な御
質問があった後でございますので、私の方からは極めて素朴な疑問という視点に立って
質問させていただきます。私は時間が短いですから、できれば短目に御
答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
北朝鮮は、今非常に厳しい状況下に置かれているというふうに私は
認識しております。国内は非常に混乱をしている。国際的に見ても、例えば七月の二十五日から四日間、八千人規模の大規模な共同訓練が行われましたね。
日本もこれにオブザーバーで参加をいたしております。
そしてまた、
北朝鮮の中には
体制の動揺が広がっている、これはわかりませんけれ
ども、そういう
報道がたびたびなされております。金正日の時代を終わらせようというふうに書かれたビラがまかれたりとか、紙幣に反
体制の言葉が書かれてばらまかれたりとか、
報道ですけれ
ども、そういったことを聞き及んでおります。
これが事実ということでありますれば、これは
政府内部に、特に軍それから工作機関が
北朝鮮では力を持っておるわけでしょう、ここに反金正日の動きが非常に先鋭化してきた、いよいよこの
体制の崩壊のときが近いんじゃないかというようなことを、私は素人ですけれ
ども、感じるわけでございます。
そういった非常に
北朝鮮がぐらついているこのタイミングの中で、今回、この金元死刑囚の
来日が実現したわけであります。非常に
国民の期待を集めた、注目を集めたことは間違いないことであります。
家族会の
皆様方がこのことを希望されたことも承知しています。お年を召されて時間がない、わらにもすがる気持ちでそういうお気持ちになったんだろうと私は
思いますよ。その気持ちは
理解をいたします。
しかし、今回、
日本国が特例をもってこの元死刑囚を
日本に
来日させたこと、これがプラスであったのかマイナスであったのか、これは非常に判断が難しいというふうに私は思っております。
日本国民がこのことをどのように受けとめたのか。税金も使っているわけですから、私は、これも極めて大事な視点で、忘れてはならないことだというふうに思っています。
このことについては、いろいろな方と意見交換もしましたし、それからネット上でもいろいろな意見が飛び交っておりますけれ
ども、これを見る限りにおいては、
大臣には大変申しわけないんですが、好意的な
評価はほとんど見られないですね。特にその待遇の仕方、この厚遇ぶりについては非常に批判が集まっているということは私は事実だろうと
思います。
しかし、私は政治家ですから、国が果たすべき役割、いわゆる国家の主権にかかわる問題、
拉致をされて、放置をして、いつまでも我々は
解決できない、このことは絶対やらなきゃいけない問題ですから、このことについて
大臣と協力してやっていくという気持ちは古屋筆頭と同じでございます。
しかし、外交がいかに困難であるといえ
ども、秘匿性の高い
部分があるといえ
ども、ましてや
北朝鮮のように、独裁国家で、しかも核まで保有している国ということであれば、いかに難しいことかは
理解をいたしますけれ
ども、
韓国の方に目を転じますと、百十五人もの方が命をなくして、そして怨嗟の
対象であるということは私は変わりのない事実だろうというふうに
思います。
そして、
日本国におきましては、いまだに蜂谷真由美という
日本人偽名パスポートを使用した容疑者のままじゃありませんか。
日本ではまだ容疑者なんですよ。そういった人をこうやって厚遇した。先ほど古屋筆頭の方から、弱腰だ、弱腰に転じたんだと。今まで対話と圧力、圧力という
部分に我々は力点を置いてやっていこうということでやってまいりましたけれ
ども、弱腰になったんじゃないかという批判を受けても仕方がないんじゃないかと私は
思います。
前に古屋筆頭から、この
金賢姫元死刑囚を
日本に呼ぶ、そういう話をお聞きいたしました。そのときに私が聞いたのは、この
委員会に参考人として招致をして、この場で直接問いただすのだ、そういう場を設けるのだという
お話でした。そのときは、私は画期的だと
思いましたよ。我々
国会議員が、
拉致家族の
方々のお気持ちも体して、国権の最高機関である国会で、そしてこの
委員会で
金賢姫元死刑囚に直接
質問ができる。それですべてが明らかになるとは
思いませんけれ
ども、これは非常に意義深いことだというふうに思って、筆頭、それはすばらしいですね、ぜひ
大臣と協力をして実現に御
努力くださいと言ったことを私は覚えております。
しかし、本日、ここに
金賢姫さんのお姿はありません。そして、先ほど筆頭からも御指摘がありましたけれ
ども、せめて公式な記者会見をして、御自身の言葉を
日本国民に伝えるべきでありましたけれ
ども、それもなされなかった。私は非常に失望をしているわけであります。
国賓並みと言われるような待遇をしまして、先ほど、向こうからの要求でヘリコプターを使用し、そして
鳩山前総理
大臣の別荘で
家族の
方々と歓談をして、帝国ホテルで夕食会まで催して、その結果、
大臣、今後の
拉致問題の
解決に今までなかった新たな糸口をつかんだというふうに胸を張って御
答弁ができますか。私はこのことに非常に興味があります。
二十日の記者会見では、
拉致問題解決の大きな前進ができるんだというふうにはっきりおっしゃっていらっしゃいますので、このことについてお答えをいただきたいと
思います。