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柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。
今、
民主党代表選挙が行われているわけですけれども、その中で菅総理は、一に
雇用、二に
雇用、三に
雇用という
お話をされています。若年者の
雇用が特に厳しいということで、八月二十四日だったと思いますけれども、内閣に新卒者
雇用に関する特命チームというのを発足させている。三十日発表の追加経済
対策の柱として、新卒者就職応援プロジェクト、また、新卒者体験
雇用等の拡充が打ち出されています。
この新卒
雇用についてまずお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、二〇一一年三月卒業
予定の大卒求人倍率に関する民間
調査があります。よく新卒倍率と言われるものなんですが、それによると、二〇一一年三月卒業
予定の大学生、大学院生対象の求人倍率は、前年の一・六二倍から一・二八倍に低下をすると。ただ、低下をしたとはいっても、一・二八倍もあるとも言えるというふうに思うんです。現に、前年の二〇一〇年の一・六二倍という数字は、実は過去十五年で四番目に高い数字だったというんですね。
一方、中途採用や転職の倍率はどうかといえば、七月の有効求人倍率は〇・五三倍です。それに比べて一・二八倍ですから、言ってしまえば、新卒者は特別に求人倍率が高いとすら言える、こういう数字なんではないかというふうにも思えます。
では、何でこんなに、新卒
雇用が大変だ、就職できないということになっているのかといえば、これは要するに、若者が中小
企業に見向きもしてくれない、こういうことなんじゃないかというふうに思うんです。
きのう菅総理もテレビで言及していたようですけれども、社員五千人以上の大
企業になると、新卒倍率は〇・四七倍になります。片や、三百人未満の中小
企業の新卒倍率は実に四・四一倍ですね。一千人以下の中堅
企業まで枠を広げても、全体平均で一千人以下の
企業で何と二倍以上の新卒倍率があるんです。これは
現場の声を聞いても全く同じで、中小
企業の
皆さんは、全く学生が来ないとか、辞退されて困っている、こういうことを言っている
方々が圧倒的に多いように思います。
今、中小
企業は人を採りたいんですよ。しかも、大手が採らないからいい人材が採れるといって、むしろ若い人たちが中小
企業を目指してくれることを望んでいるんです。就職氷河期といいますけれども、しかし、この氷河というのは、大手の有名
企業に対してのみなんじゃないかというふうに思うんです。
そういうことで
考えると、今、特命チームまでつくって新卒者
雇用と言っていますけれども、しかし、学生が探しても探しても就職口が見つからない、こういうイメージとはちょっと違って、むしろ、どうやって中小
企業に若者が就職しよう、こういう気持ちになるかどうか、このことが実は一番必要な
対策なんじゃないかというふうに思うんです。
ところが、今回の
対策では、インターンシップとかトライアル
雇用とか、過去にも行われてきた政策の拡充が非常に中心になっているような気がしますし、なおかつ、これは雇う側に対して補助金を出すというインセンティブが中心の
対策だというふうに思います。
でも、これでは問題は解決しないと思うんです。雇う側は来てほしいんですから。しかし、学生がそちらの方になかなか顔を向けようとしない、こういう
状況なんだと思いますから、学生が中小
企業への就職を選ぶように、例えば、中小
企業に就職すれば、勤続年数に応じて、連続休暇一週間を一年勤続すれば与えるとか、二年勤続すれば二週間与えるとか、こういう形で、中小
企業に就職をした方がある意味では個人として非常にありがたい特典がある、こういうぐらいの
対応を、むしろ就職する側のニーズに合わせて行っていくべきではないかと思うんです。
そういう意味では、今、新卒者
対策として政府が行おうとしている政策と、
現実のニーズのあり方というのが合致していないというふうに思いますけれども、いかがお
考えになるか、御答弁いただきたいと思います。