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柿澤委員 みんなの党の
柿澤未途でございます。
質問に先立ちまして、後ほど採決が行われる
独立行政法人年金・
健康保険福祉施設整理機構法の一部を
改正する法案について、我が党としての意見を申し述べておきたいと思います。
今回の法案は、ことし九月で廃止となる予定だった
独立行政法人年金・健康保険福祉施設
整理機構、RFOの存続期間を二年延長するものであります。このまま廃止をされれば、全国五十二の社会保険病院、十の厚生
年金病院、保有主体がなくなり、宙に浮いてしまうことから、いわば苦肉の策として
提案をされたのが今回の法案ということになります。
通常国会で
提出をされた独立
行政法人地域
医療機能推進機構法案では、RFO廃止後の社会保険病院、厚生
年金病院の受け皿として、新たに独立
行政法人をつくって移管をするという計画でしたけれ
ども、
参議院段階で
審議未了、廃案ということになっています。その後に行われた
参議院選挙の結果を踏まえ、この地域
医療機能推進機構法案の
成立の見通しが立たなくなったことから、当面、RFOの存続期間を単純に二年間延長するということになった
状況だと思います。
しかし、これで果たしていいんでしょうか。もともとRFOは、五年間の時限的な組織として、社会保険庁等から現物出資を受けたすべての施設について、この五年間で売却、譲渡等の結論を出すことが前提でありました。しかしながら、この間に譲渡が決まった病院は社会保険浜松病院ただ一つで、ほとんどすべての病院がこの先の引き受け手を見つけられないまま期間が経過をしてしまったということになっている。こういう
状況の中でRFOの存続を単純に二年延長しても、それはいわば問題の先送りにすぎないのではないかというのが私
たちの
考えであります。
私
たちは、社会保険病院及び厚生
年金病院は、地域
医療の機能が重要だというならば、財源とセットで地方に移管をするというのが筋であると
考えております。さきの
通常国会における独立
行政法人地域
医療機能推進機構法案の
審議の際にもそのように申し上げ、長
妻大臣からも、地方や民間で引き受けていただくのがRFOの精神だ、こういう御
答弁をいただきました。それならば地方移管等の方向性を明確に出すべきだということを申し上げましたけれ
ども、長
妻大臣は、そのような交渉を拒むものではないということをおっしゃるだけで、積極的に財源とセットで地方移管の方向性を出していくという
姿勢は見られることがありませんでした。
しかるに、今回
提案をされているRFOの二年間単純延長案というのも、社会保険病院や厚生
年金病院の今後の方向性や先の見通しについて何ら示さず、単に
現状のままをあと二年続けるというものになっています。これでは結局、二年後には今とほとんど変わらない、いや、個々の病院を見ればむしろ
現状より劣化してしまっているかもしれない、こういう
状況の中で改めて病院の先行きを
考えなければいけない、こういう
状況に二年後陥ってしまうことは明らかではないかと思います。地域
医療の重要性は認識をしておりますけれ
ども、しかし、それは先の見通しなしにずるずると
現状維持を続けていくことを正当化するものではありません。そして、先の見通しがなければ、問題となっている医師や看護師の人材流出もとまることはないと思います。
RFOを存続させるとしても、期間をもっと短く切るべきです。そして、期限ぎりぎりまで放置する事態が繰り返されないよう、先の見通しを一刻も早く明らかにする仕組みの法定が必要と
考えます。例えば、RFOの存続期間を一年限りとして、その間、できる限り早期に計画を策定するなどして、各病院の今後の方向性について、地方移管なら地方移管、民間譲渡なら民間譲渡と、期限を切って明確に示していくことが必要であると思っております。このような先の見通しを早期に示すという視点を欠いたまま、ただ単に病院の保有主体である独立
行政法人RFOを二年延命するだけの今回の法案は、単なる問題の先送りとのそしりを免れません。
したがって、
委員長提案の法案でありますけれ
ども、後ほど反対をさせていただくということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
そして、
質問に入ります。
ちょっと
質問項目を飛ばさざるを得なくなってしまいましたが、自殺、うつ病
対策の関連で一つお尋ねを申し上げたいと思います。
現在、
厚生労働省で、自殺・うつ病
対策プロジェクトチームの会合が開かれております。七月二十七日にもこのヒアリングが開かれて、長
妻大臣も御出席をされたというふうに聞いております。ここで
議論のテーマになったのが、精神科や心療内科で処方される向精神薬の多剤大量服用が自殺を引き起こす要因になっているのではないか、こういう
状況をどうするかということに関してだったというふうに聞いております。
この問題については、私もかねてからかかわってまいりました。今
委員各位に配付をさせていただいた
資料を見ると、驚くべき
現状がここから見てとれます。
これは不審死の
行政解剖を行っている東京都監察医務院の監察医、水上創医師の論文でありますけれ
ども、表を見ていただきたいと思います。衝撃的な数字です。自殺という事例の中、三百十七例ありますけれ
ども、実はこの自殺という事例の中をたどっていただくと、中毒物質という一覧の中で、バルビツレート類というところからその他及び詳細不明の向精神薬、ずらずらっと並んでいる、これは全部、禁止薬物とかではなくて、精神科で処方されている向精神薬を服用してのケースであります。実に三百十七例中二百八十九例までがこうした向精神薬を服用した上で自殺を図られた、こういうケースだとこの水上医師の論文の表は示しているわけであります。また、この論文中では、この向精神薬を多剤併用して、相互作用等の要因が自殺を引き起こした可能性が高いということが指摘をされています。
ことし六月、
厚生労働省で、向精神薬の処方に関する注意喚起をしておられますけれ
ども、精神科
医療の現場では、こうした形で複数の向精神薬を医師向け添付文書の適量を超えて大量に処方する、いわゆる多剤大量処方がまかり通ってしまっている
現状がある。諸外国では、今や単剤処方が主流で、日本のように、多剤大量処方が精神科において広く行われることは異常とも言われております。
そして、向精神薬の過剰服用等によって家族を自殺等で亡くされた
方々でつくる市民団体の皆さんからは、例えば、こうした精神科、心療内科による向精神薬の多剤大量処方をこれから先防いでいくために、審査機関におけるレセプト審査の段階で多剤大量処方をチェックする仕組みをもっともっと強化するべきではないか、こういう要望書が
厚生労働省あてに
提出をされているとも聞いております。
七月二十七日に行われましたこのプロジェクトチームの会合でも、長
妻大臣から、発表をされた医師の方にいろいろなお尋ねの場面もあったというように聞いております。
問題意識をお持ちであられるということを感じ取って、それを踏まえて
大臣にお尋ねをしたいんですけれ
ども、こういう形で、精神科あるいは心療内科で処方をされている薬剤を服用することによって、結果として、薬物依存やあるいは自殺に至るケースがこれだけ多く報告をされている。こうしたことを
厚生労働省として、今のプロジェクトチームの
議論を踏まえて、どのように防いでいく取り組みを進めていかれるか、ぜひこれは
大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。