○西田昌司君 自民党・
改革クラブの西田昌司です。
ただいま議題となりました
平成二十二年度
予算三案に関しまして、反対の立場から討論いたします。
平成二十二年度
予算が大変なばらまき
予算であることは言をまちません。
鳩山政権では、総選挙で
国民に約束したマニフェストを実現するために、昭和二十一年度以来初めて
税収を
国債発行額が上回るという大借金
予算を編成しているのであります。
問題は、マニフェストでは無駄遣いを根絶し、新しい
財源を生み出すと威張っていたにもかかわらず、全くの無駄の削減ができなかったことであります。事業仕分をマスコミオープンの中でこれ見よがしにされましたが、当初は七千億円、最終的には約一兆円削減したにすぎないのであります。マニフェストの
政策実行に必要な額は最終的に十六・八兆円であり、
財源を全く考えない、でたらめであったことが明らかになったのであります。
また、
鳩山政権には
財政再建目標が全く存在しません。
政府は、今年六月をめどに中期
財政フレームを策定すると言われますが、どういった
目標値を掲げ、どのような手段でいつまでに実現するのか、全く
方針が示されていません。消費税についても四年間引き上げないと公言されていますが、それでは四年間も大幅な
財政赤字が続くことは避けられないことになります。既に、内外の投資家は
日本の
国債発行の急増に伴う
財政破綻のリスクをささやき始めています。思わぬ失言が市場を攪乱する危険性もあり、非常に危うく不安でいっぱいです。
財政再建への取組が欠如している点がこの
鳩山内閣の致命傷になります。
予算の内容について見ていきますと、まず、国費一兆七千億円も投じられる子ども手当が大きな問題であります。現金を配ることがどれだけの
経済効果につながるのか、大きな疑問です。また、本当に子供のために使われるのでしょうか。貯蓄に回るか親への手当、悪く言えば遊興費として多くが浪費されるのではありませんか。さらに、子ども手当は親が国内に居住していることを支給の要件としているため、外国籍の子供へ支給される一方、親が海外で働いている
日本の子供には支給されないといった理不尽な問題があります。そもそも、
赤字国債を
財源にしていることは、給付は親が受け返済は子供がするという究極の借金のツケ回しで、モラルにもとると言わざるを得ません。
このほか、高校授業無償化、農業の戸別所得補償などに代表されるように、ばらまき
政策とともに
財政規律のない
予算編成が続けば、
日本経済を奈落の底に突き落としてしまいかねません。選挙目当てのばらまきで国をつぶすことのないように、この
機会に強く警告をしておきます。
こうした
政策上の問題以前に、
鳩山内閣は
国民との信頼という点において大いなる疑問があります。その一つが政治と金の問題です。十二億円を超える巨額な資金を母親からもらっておきながら、自分は知らなかった、秘書がやったこととの弁明に終始し、贈与税を支払ったらそれでおしまいという
鳩山総理の説明には
国民はだれも納得していません。
鳩山総理の自らに対するこの甘さが
小沢幹事長の問題にも大きな影響を与えています。石川
衆議院議員ら三人もが逮捕されながら、我々の再三の要求にもかかわらず、国会においての説明責任を一切果たされず、それを批判する副幹事長の首を切ろうとするなど、この政権が
小沢幹事長による独裁かいらい政権であることを象徴しています。
普天間問題においても、沖縄県民の心をもてあそぶように各
大臣の発言がぶれまくり、当初からの目的であった普天間基地の返還も、危険性の除去という言葉に言い換えられ、本当に返還されるのかすら不明であります。
以上、述べてまいりましたように、
民主党政権は選挙目当てのばらまき
政策ばかりであり、政権担当能力や当事者としての責任能力に欠けるまさに子供
内閣と言わざるを得ません。
このことを
指摘し、
鳩山内閣の一日も早い退陣を求め、私の討論を終わります。(拍手)