○若林正俊君 作目別にどういうような
需要予測をし、その
需要に合わせて生産計画を立てていくということだと思うんですね。これらについてはもう少し分析をさせていただきたいと思いますけれ
ども。
私が先ほど申しましたように、食料自給率、食料安全保障との関係でいえば、やはりもっと積極的に
需要を
拡大をしていくという
努力というものがないと、
政府としてですよ、国として。しかし、人間、食べていくものぐらいは自由に食べたい、おいしいものを食べたいと、いろいろな欲求があるから、行政がそれにかかわるというのは非常に難しいんですね。直接的にはかかわりにくい。しかし、これが安全保障にかかわっているんだという基本的認識をそれぞれ省庁がしっかり持った上で、総合的に食生活をどうリードしていくのか、どういうふうに目標として定めていくのかということは必要だと思うんですよ。
需要のないものは作っても駄目ですからね。
今の米粉パンの問題にしてもそうですし、飼料用の米についてもそうですけれ
ども、私が農林
大臣のときに米粉パンを非常に進めたんですね。ですから、大手の製パン業者とも話をして、何とかもっと米粉を使った形のパンを広げられないかと、いろいろなことをアピールし、検討もしてもらって始めたところでした。飼料米、えさ米もそうです。だから、そういう路線を更に積極的に推進していただくという方向はいいんですけれ
ども、ただ、目標を決めるにはその
需要予測をきちっとしていかなきゃいけないと思います。
ちょっと余談ですけれ
ども、ある家電メーカーと話をしまして、今、米粉でパンを焼くというパン焼き器はあるんですね。そうじゃなくて、もっとハンディーに、米自身をこちら側から入れれば、時間は三時間半ぐらい掛かるようですけれ
ども、出てくるときはパンが焼かれて出てくると。これがかなり研究が進みまして、もう試作品ができているんですよ。
そうしますと、米自身を、農家はもちろんですけれ
ども、都市生活者でも、お米をスーパーで買ってきて米を入れればパンができ上がってくると。こういうような技術革新も進んでいますから、そういうことにも関心を持ち、これをどうやって例えば広げるかといったようなことも、先ほど言った自給率を上げていく、そういう国家政策、国家戦略にかかわるわけですから、今後ともそういう点にも十分留意いただきたいと、こう思います。
実は、私が
農林水産大臣のときに、福田
内閣時代ですが、福田総理とも相談しまして、今の基本計画の四五%を五〇%に上げようという腹構えをしました。そして、腹構えして事務的にその作業を大筋下ろしたんですね。そのときにいろんな
課題があります。困難があります。土地基盤だとかありますけれ
ども、一番の問題は財政なんですよ。どう
考えてみても、十年間だんだんだんだんとやっていって、平年ベースにしたら七、八千億から一兆円ぐらい今の
予算よりも余計プラスしないとそれを続けていけないという問題があるということにぶち当たってしまいました。だから、そういう意味では、菅副総理・
財務大臣おられますけれ
ども、この自給率目標を五〇%達成するというのは相当の国家負担、財政負担を要します。
それで、三十年前、私がまだ農政課長をやっているころの、国の
予算の中に占める農林、水産も入れてですけれ
ども、
農林水産のシェアというのは一一・七%、約一二%ありました。それが今は、この二十二年度を見ますと四・六%になっていますね、二兆四千五百十七億。こういうけた違い、もう間違いなく三十年間一年もたがわず減っているんですよ。一年ぐらいは上がっているときがあるかといったら、ないんですね。ずっと抑え込まれて減少をしてきています。
これはいろんな要素ですから、それを今振り返ってみて言えませんけれ
ども、ここで意欲的な生産目標を定めていく、そして自給率目標を五〇%にするというんであれば、
予算を見直すと同時に、総額は少なくとも数千億円は掛かるんだという覚悟が要ると私は思うんですよ。
その点について、菅副総理・
財務大臣、この五〇%について
財務省の方も了解をされますか。されるとしたら、その覚悟の上で了解してもらいたいと思います。どうですか。