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2010-03-26 第174回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年三月二十六日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十五日     辞任         補欠選任         山崎 正昭君     西田 昌司君  三月二十六日     辞任         補欠選任         外山  斎君     水戸 将史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         前田 武志君     理 事                 川上 義博君                 白  眞勲君                 中山 恭子君                 山本 一太君     委 員                 川合 孝典君                 徳永 久志君                 広野ただし君                 前川 清成君                 水戸 将史君                 森 ゆうこ君                 柳田  稔君                 衛藤 晟一君                 関口 昌一君                 塚田 一郎君                 西田 昌司君                 風間  昶君                 草川 昭三君                 山下 芳生君    衆議院議員        北朝鮮による拉        致問題等に関す        る特別委員長   城島 光力君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中井  洽君    副大臣        内閣府副大臣   大塚 耕平君        外務大臣    福山 哲郎君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        法務省入国管理        局長       田内 正宏君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に  関する調査  (拉致被害者認定に関する件)  (拉致問題解決に向けた日韓協力に関する件)  (拉致被害者等給付金支給に関する件)  (鳩山内閣日朝交渉打開策に関する件)  (北朝鮮に対する経済制裁に関する件)  (朝鮮学校の高校無償化問題に関する件)  (北朝鮮による拉致被害者に対する万全の支援  及び拉致問題の解決促進に関する決議の件) ○北朝鮮当局によって拉致された被害者等支援  に関する法律の一部を改正する法律案衆議院  提出)     ─────────────
  2. 前田武志

    委員長前田武志君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、山崎正昭君が委員辞任され、補欠として西田昌司君が選任されました。  また、本日、外山斎君が委員辞任され、その補欠として水戸将史君が選任されました。     ─────────────
  3. 前田武志

    委員長前田武志君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省入国管理局長田内正宏君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 前田武志

    委員長前田武志君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 白眞勲

    白眞勲君 民主党白眞勲でございます。  まず、中井大臣、ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、戦後、朝鮮半島出身者の夫と共に北朝鮮に渡航した日本人配偶者と推定される方が千八百名であるという御答弁を先日の予算委員会で、これ外務大臣の方からされたかと思いますが、それに関しましては、中井大臣は、総理から、北におる日本人を、生存者すべてを救い出せという指示を得たとのことで、現在、日本人妻百名内外の生存者がいて、そのうち一時帰国をされた四十数人の方がどれくらいおられるかということも含めて調査中であるという御答弁をされていますけれども、現在のその進捗状況はいかがでございますでしょうか。
  7. 中井洽

    国務大臣中井洽君) お話のありましたように、あの帰国運動の間、千八百人以上の日本人の方が朝鮮在籍方々の奥さんとして帰国をされ、大変な厳しい環境の中で生きてこられたということを私は承知をいたしております。  総理からは、北朝鮮におるすべての日本人の一日も早い帰国につながる行動をという御指示をいただいておりますので、もちろん拉致問題が中心の大臣ではありますが、この日本人妻生存、あるいはどこに御健在でおられるのか、こういったことの調査等もいろいろな情報網の中で関心を持っているところでございます。  現在、日本へお帰りになった方を除きまして百名から八十名御健在でいらっしゃるか、私は百名を超える方に御健在でいてほしいとは思いますが、何せ御高齢でありますから、八十という数字に近い生存者かなという危惧の念を抱きながら、必死で情報を集めているところでございます。
  8. 白眞勲

    白眞勲君 続きまして、特定失踪者についてお聞きをしたいんですけれども、千番台リストというのがあるわけですけれども、先日の参議院決算委員会におきまして、拉致被害者認定する可能性のある方はいらっしゃいますかという、千番台リストの中でですね、という私の質問に対し、幾つかの情報を今確認しているとの御答弁をされましたけれども、「御健在、間違いなく北朝鮮拉致されて生きているんじゃないかと思われる方もないわけではありません。」と、こう中井大臣はそのとき御答弁をされました。  ここで御質問なんですけれども、千番台リストの中に、認定まではいかないまでも、御健在あるいは間違いなく北朝鮮拉致されて生きているんじゃないかと思われる方はいらっしゃるということでよろしゅうございますか。
  9. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 相手がああいう国でありますから、間違いなくという言葉は使えるわけではありません。しかし、特定失踪者の会の皆さんがお作りいただいている方々の中でかなり北で生存されている可能性の高い方がおられるという情報幾つか、前政権からのもありますけれども、私どもになってからも寄せられておりまして、今必死で安否確認ができるかどうか作業を続けているところでございます。  なお、御承知思いますが、警察当局におきましては、捜査ということに関して、家出人捜査ということになりますが、既に繰り返しのことではありますが念を入れて取り組んでおりまして、現在まで特定失踪者方々四名を含め九名の方々日本国内生存されているという確認ができております。この御家族方々やらからは、北朝鮮拉致されたと騒いだけれども御迷惑掛けたというおわびのお話がございましたが、私は御健在で御家族と再会されたらこれほど結構なことはないと、こう考えておりまして、これからも北における生存そして日本国内での生存も含め鋭意当局努力を要請していきたいと思っています。
  10. 白眞勲

    白眞勲君 今、中井大臣がおっしゃった中で、北朝鮮拉致されたのではないかという方につきまして、人数についてはなかなかまだ申し上げられないかと思いますが、数人程度なのか二けたなのかぐらいはどうなのかなと思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。
  11. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 前にもお答え申し上げましたように、現在情報が寄せられているのは数人ということになるかと考えております。
  12. 白眞勲

    白眞勲君 今後、北朝鮮に対して中井大臣としましてはどのように拉致被害者皆さんの救出のために働きかけていくのかということについてお聞きしたいと思います。
  13. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 総理あるいは外務大臣等と十分な協議をしていかなければなりませんが、またどういう形で交渉するかという問題もあります。しかし、とにかく情報をきちっとつかんで、間違いない確証の下に交渉を始めなければならないと思っております。幾つもいろんなことを言ってきていただく筋もありますけれども、なかなかこれが本当のルートになるかどうかということも含めて、魑魅魍魎とまではいきませんが、かなり複雑な世界かなと、こんな思いでおりまして、お見え中山先生の今までの御苦労もしのばれております。また御協力のほどをお願いを申し上げ、はっきりとしたことを申し上げられないのをお許しをいただきたいと思います。
  14. 白眞勲

    白眞勲君 是非これからの拉致問題、引き続き、特に北朝鮮人権法につきましても今後やっていきたいなというふうに思っているんですけれども、これにつきまして、この法案の中には脱北者のうち日本人特別永住者とその子孫、これだけは助けるといういびつな案になっているという、中井大臣、この前御答弁しましたが、今後この法案内閣として改正するおつもりはあるのか、それを最後にお聞きしたいと思います。
  15. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 私ども、いろんな体制づくりをやっておりまして、拉致対策室もこの四月から事務局長を任命することができます。大塚大臣や、その任命いたします事務局長民主党内等北朝鮮人権法の改正について御相談を申し上げていきたいと考えています。  ただ、この法案超党派議員立法でお作りをいただきました。かなり綿密に御議論をいただいたのでありますが、個々の脱北者を助けるという点で、どうしても当時の与党側の自民党さん、公明党さんが日本人あるいは永住者子孫に限るというような縛りをされまして、脱北者全体を助けるという形になっておりません。  過般も国連から北朝鮮人権問題の報告者のムンタボーンさんが来られまして、法案をそのまま読めば全脱北者助けられるじゃないかと、日本もそういうところへ一歩踏み込んでほしいというお話がございまして、私がこの法案ができました当時の経過等を申し上げたわけでございます。もし、この委員会等超党派でこの点をお諮りいただけるなら、これもまた有り難いことだと、このように考えております。  民主党そのもののインデックスには、政治亡命あるいは難民受入れ、これを思い切ってやっていくという方向が出されています。なかなか一遍にいかない欠点がありましても、この脱北者ということに関して絞ればもっとやれることがあるんじゃないか、このように考えております。
  16. 白眞勲

    白眞勲君 ありがとうございました。
  17. 徳永久志

    徳永久志君 民主党徳永久志であります。  前政権におきましても、今日お見えでもあります中山先生を始めとして、拉致問題解決に向けて様々な御努力をされてこられたことに対しましては、党派を超えて敬意を表したいというふうに思います。  政権交代がなされたわけでありますから、この拉致問題解決に向けても新たな切り口というものが求められるんだろうと思います。そのうちの大きな切り口の一つといたしまして、やはり何といっても担当閣僚が置かれたことにあるというふうに私は思っております。そこで、まず中井大臣御本人から、この担当閣僚が置かれたことによる効用というのはこういう点に現れているんだということをまずはお示しを願いたいと存じます。
  18. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 拉致された被害者方々が返されて七年、御家族の方一部お帰りになって五年経過いたしました。この間、国民関心も少し薄らいでいるという私は寂しい思いを抱いてきましたが、鳩山総理の強い決意の下で新しい取組をすると、こういう発表があって、また国民全体のバックアップの意識も出てきていただいたかと。また、今日は傍聴に来ていただいている横田さんを始め御家族方々も、何か早く手を付けてほしい、こういう思いでおっていただける、このようにも感じ、責任も重くのしかかっていることを自覚をいたしているわけでございます。  同時に、今までの内閣は全閣僚が対応するということでございましたが、全体会議もなかなかできないような対策本部ですから、私は、総理官房長官外務大臣、私、こういう形で本部を構成して、綿密な連携の下に交渉が一日でも早くでき得るように下支えをしたい。同時に、その交渉の基となる情報をきちっと集約してつかんでいきたい、このように考えております。私が担当者になって、利点とすればそういったところであろうかと考えています。
  19. 徳永久志

    徳永久志君 ありがとうございます。  中井大臣野党時代から一貫してこの問題に取り組んでおられまして、担当大臣に就かれたということで大いに御期待を申し上げたいというふうに存じます。  さて、日本帰国した拉致被害者方々などの証言で、北朝鮮による拉致というものは、日本のみならず、韓国やタイ、ルーマニア、レバノンなどにもあるんだということが分かってきているわけであります。特にお隣の韓国につきましては、過去の経緯もこれありでございまして、その被害者の数というものは日本の比ではないんだということもお聞きするわけでありますが、今現在、韓国における北朝鮮拉致されたと認定される方というのはどのくらいおられるのかについて、まず教えていただきたいと思います。
  20. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 徳永委員にお答えをさせていただきます。  韓国政府は、北朝鮮によって拉致された未帰還の韓国国民、いわゆる拉北者でございますが、拉北者に対しては五百五名と公表していると承知しておるところでございます。
  21. 徳永久志

    徳永久志君 五百五人おられるということであります。  私は、この拉致問題の解決に向けて、日本政府がまず一生懸命頑張るというのは当然のことでありますけれども、こうした五百五人もおられる韓国政府との協力関係をより強固に緊密につくっていくということも併せて必要だというふうに思っております。  昨年秋、政権交代がなされた直後でありますが、私は同期の参議院議員五名と韓国を訪れまして、政府関係者大学教授あるいは国会議員意見交換懇談をしてまいりました。そこでお伺いをした話によりますと、まとめて言いますと、韓国一足先政権交代がなされたと。韓国の前政権の下では北朝鮮に対しては非常な融和政策を取られていて、拉致問題のラの字も出せないような国内雰囲気があったんだということであります。しかしながら、李明博政権になりまして、そういった雰囲気はなくなって、より一層前進するんだと、期待してくれというようなお話を異口同音に多くの方々から聞いたわけであります。  そこで、まずこうした韓国のこういう国内情勢の変化も受けまして、韓国協力関係を築いてこの問題解決に当たるんだということについてのお考えを中井大臣から、そしてまた、韓国内においてこうした拉致問題解決に向けての取組というのはどのようになされているのかという点を福山外務大臣に、それぞれ伺いたいと存じます。
  22. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 私も全く同じような思い韓国の新しい政権を見ております。特に私も日韓議連三十年ほどやっておりますので、この間、しばしば盧武鉉さんあるいは金大中さんに日本拉致問題、直接お訴えしたこともございますが、大変残念な御返事であったわけでございます。  今回、私も就任しましてすぐ韓国を訪ねて要路の方々と御懇談をいたしました。その中で、今、福山さんが答えました五百名という拉北者の数、そしてそれを韓国は初めて南北赤十字会談の席で向こうへ伝えたと、名簿共々伝えたと、向こう返事は死んだと、こういうことだけだったと、しかしこれからだと、こういうお話等も聞いてまいったところでございます。  なおまた、現在、韓国におきましては脱北者の数が少し増えております。これに対して韓国政府は、三月から半年社会訓練をすると同時に、いろんな事情を聴取しているようでございます。私どもは、このときに、日本拉致の実態、これについて知っている方がいるかどうか調査をしてほしい、かなり重々にお願いをいたしております。今のところ、まだきちっとした返事はいただいておりませんが、それぞれ調査のときには日本人拉致被害者の話が出ているというふうに承知をいたしております。
  23. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えいたします。  韓国政府は、李明博大統領就任直後から、拉北者問題を最優先課題として位置付けていると我々としては判断をしておりますし、具体的には、南北対話各種のチャンネルを通じまして、拉北者安否確認作業を進めるよう提起をされていたり、また離散家族交流に含める形での安否確認、再会を実施をされてきたというふうに承っております。また、韓国国内では法律に基づいて拉北者及びその家族慰労金定着金支給されているというふうに思っておりまして、それは二〇〇八年の五月から計十三回支給が行われたというふうに我々としては承知しております。  実は私、韓国映画で「クロッシング」というDVDを拝見をいたしました。あの映画が公開をされることもやはり北朝鮮の問題に対する韓国世論形成には非常に大きいというふうに思っておりまして、私も拝見して大変心を痛めたわけですが、韓国政府は、前政権とは異なってこの問題には積極的に取り組まれているというふうに承っております。
  24. 徳永久志

    徳永久志君 今、中井大臣から積極的な御意見を賜りましたし、また福山外務大臣の方からは、韓国政府もこの問題については最優先課題と位置付けてやっているんだというお話でございました。  ただ、気になる点を一点だけ申し上げたいと思います。李明博政権は、北朝鮮政策として、核廃棄を前提に四百億ドル規模の国際基金を設立し、今後十年間で北朝鮮国民所得を三千ドルにするという非核・開放・三〇〇〇政策を掲げています。また、六者会合を通じて、核プログラム核心部分を廃棄すると同時に、北朝鮮に確実な安全保障を提供して国際支援を本格化させるという一括妥協方式グランドバーゲンをも提唱しているわけであります。  何が気になるかというと、この北朝鮮政策の中で非核化というものが前面に掲げられていて、これはこれで当然だと思いますけれども拉致問題の解決というのがなかなか強くこの辺りからは読み取れないという部分であります。二〇〇九年の九月に李明博大統領ニューヨーク外交評議会で演説した中身でも、例えば、北朝鮮の問題は核問題だけではなく、大量破壊兵器人権など議論すべきことが山積みであると。だが、核問題さえ解決されれば、むしろほかの問題はそれに続いて簡単に解決できるのではないかという、ちょっと私ども受け取るニュアンスとしてはどうかなというようなこともおっしゃっているわけであります。  当然、韓国大統領拉致問題解決に向けての決意というのは揺るぎはないというふうには思いますけれども、こういった私の気になる点についてちょっと御所見を賜りたいと思います。
  25. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) まずは、今御出席をいただいておりますが、岡田大臣が、先月十一日、柳明桓外交通商部長官との日韓外相会談の席上で、拉致問題に関するこれまでの韓国側協力に感謝するとともに、引き続きの協力を強く要請をさせていただきました。また、柳明桓長官からも賛同の意が表され、日韓日韓米が緊密にこの問題について連携をして対処していくことが重要だという認識の一致を見たというふうにまずは御報告をさせていただきます。  また、先ほども申し上げましたけれども、もちろんグランドバーゲン等は、これは核の問題も含めて韓国政府にとっても重要な課題ですが、一方で拉北者問題等を最優先課題として推進するということも明らかにしているところでございますので、我々としては、日韓のこの拉致の問題に対する協力を一層進めることによって緊密に連携を図っていきたいというふうに思っております。
  26. 徳永久志

    徳永久志君 安心をいたしました。是非、日韓協力して問題解決に向けて歩調を合わせてお取り組みをいただきたいと思います。  続きまして、平成十四年に、拉致被害者やその御家族に対して、北朝鮮によって拉致された被害者等支援に関する法律に基づき各種施策をこれまで展開をしてきたところであります。  私は、昨年三月に本委員会の視察で新潟佐渡市を訪問をいたしまして、佐渡市役所拉致被害者対策係担当者の方や、あるいは新潟県警、そして曽我ひとみさんのお話を伺ってまいりました。特に、曽我さんが平成十四年十月に帰国されてから今日までの間、夫のジェンキンスさんや二人の娘さんとともに様々な困難を乗り越えて懸命に頑張っておられる姿に強く感銘を受けたものでもあります。もちろん、曽我さんだけではなくて、ほかの方々言葉では言い尽くすことのできない御苦労を今日もされておられるのだということは容易に想像が付くところでもあります。  そこで、まず政府として、帰国された被害者や御家族の現状についてどのように認識をされているのかという点について伺いたいと存じます。
  27. 大塚耕平

    ○副大臣大塚耕平君) 私も、担当大臣として、昨年帰国された被害者皆様方に直接お目にかかってお話を承ってまいりました。それぞれ大変な苦難を乗り越えて自立の道に向けて着実に御努力をしておられる御様子に私も感銘をいたしました。  個々の御家族によって若干状況に差はございますが、今申し上げましたように、生活基盤の再建を着実に果たしつつあられると思います。ただ、お子様の言葉の問題であるとか、あるいは生活習慣の問題であるとか、あるいは職場における様々な問題とか、まだ政府としてしっかりとお支えをしなければならない面もあるというふうに認識はしております。  いずれにいたしましても、今後も盤石のお支えをしてまいりたいというふうに思っております。
  28. 徳永久志

    徳永久志君 私が佐渡市を訪問させていただいたときに、今、大塚大臣もおっしゃいましたように、まだまだ生活基盤に脆弱な部分があって、まだまだ支援が必要だという部分については認識を一にするものでありますけれども市役所を訪れたときには大変悲しい話を聞いたわけであります。  というのは、この被害者給付金について、なぜあの人たちだけにそういう生活資金が出されるんだと、自分たちだって生活が苦しいんだみたいな声が少なからずあるというお話をお伺いをしました。もしこういった声が当事者の方々のお耳に入ったとすれば、もし肩身の狭い思いをされるとすれば、それはやっぱり残念な話になるなということを本当に痛切に思いました。  そもそもこれは拉致という卑劣な国家犯罪に起因するものでありますから、この給付金については賠償金的な性質を帯びるものではないというのが提案時の提案者説明ではありますけれども、私は、これは個人的には、本来的には北朝鮮賠償金のような形で支払うべきものであって、被害者方々は当然受け取る権利があるんだということだろうというふうに思っておりますし、そのことをもっともっと強く私たち国会議員も言っていかなくてはいけないというふうに思っています。  是非これ、中井大臣、この場で給付金の意味合いを声を大にして言っていただきたいと思いますし、またこうした問題についての広くPRをしていただきたいというふうに思うのですが、御所見を賜りたいと思います。
  29. 中井洽

    国務大臣中井洽君) そういうやっかみをささやかれる人がいるという話は法案が作られた時期から私も聞いて、大変恥ずかしく残念に思ってまいりました。何のいわれもなく、平和裏にお暮らしでいた日本で突如、無法にも不法にも理不尽にもさらわれて、そして全く違う強制的な人生を送らされて、そして今回はそれを捨てて日本へ帰った。ゼロから、全くのゼロからつくり直すわけでございます。  国としてお助けするのは当然だと私は思っておりますし、また、現在お帰り方々、お子さんを含めて立派に社会で御活躍いただいていることは本当に立派なものだと感銘を受けております。どうぞ先生からもまた、堂々とやってほしいと、こういうことをお伝えいただきますと同時に、私どももその点を十分配慮していろんな機会に発言をいたしてまいります。
  30. 徳永久志

    徳永久志君 ありがとうございました。  以上で終わります。
  31. 中山恭子

    中山恭子君 自由民主党中山恭子でございます。  私自身、拉致された人々を何とか帰国させたい、ふるさとへ連れ戻したいと真剣に取り組みましたが、残念ながら今なお被害者北朝鮮に残したまま時間が過ぎていることは本当に残念でございます。被害者そして御家族の皆様、今日は横田さん御夫妻それから増元さんもお見えでございますが、被害者や御家族の皆様に本当に申し訳ないことだといつも思っております。  これからも私のいろんな活動を通じてこの拉致問題、被害者の救出を続けてまいりたいと思いますが、この北朝鮮による拉致は、我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、未曾有の国家的犯罪でございます。拉致している相手が外国政府でありますので、政府が真剣に取り組まなければ被害者を取り戻すことは非常に困難でございます。そういった意味で、両、拉致担当大臣外務大臣始め政府方々に、被害者の救出を焦点として取り組んでいただきたいと心からお願い申し上げます。  また、この問題はまさに党派を超えて解決に向けて力を合わせなければ進まない問題であると考えておりますので、私どももあらゆる手段を使って協力してこの問題に取り組んでまいりたいと思います。委員皆様方にも御協力をよろしくお願い申し上げます。  今日は、先日伺いました御説明に関して一、二質問いたします。  まず、中井大臣に御質問したいと思います。中井大臣は、御就任前からこの拉致問題に精力的に取り組んでいらっしゃる方ですので信頼しておりますし、また敬意を表しております。先日伺いました北朝鮮による拉致問題に関しての基本方針の中で、ちょっと気になるところがございました。拉致問題対策本部を設置するに当たり、生存者の即時帰国に向けた施策、安否不明の拉致被害者に関する真相究明及び拉致問題への戦略的取組等総合的な対策を機動的に推進するとの御説明がございました。  まず一点目の、生存者の中には北朝鮮側から死亡と伝えられた被害者も当然含まれていると考えますが、それでよろしゅうございましょうか。北朝鮮からの死亡の説明は子供だましのようなずさんなものでございますので、確認いたしたいと存じます。  また、第三点目の戦略的取組とは具体的に何を指しているのでしょうか。これまで日本側は一貫して拉致被疑者、つまり拉致実行犯の引渡しを要求してまいりました。衆議院でもこの点について議論が行われたと聞いていますが、実行犯引渡しは当然のことでございますので、戦略的取組拉致被疑者の引渡しを含んでいるということでよろしいように思いますが、この二点、いかがでございましょうか。
  32. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 中山先生には、与党時代、拉致担当なさいまして、私どもにも御親切に度々と御連絡をいただきまして、また家族の会や全国でこの人たちを応援する人たちの心を一つにまとめられて、本当に苦しい中、御活動いただいたこと、この機会に心から敬意を表し、また今後も超党派の議員連盟の中心的な方として、共々、拉致解決のために頑張らせていただきたいと考えますので、御指導のほどよろしくお願いを申し上げます。  同時に、期間がそう残されているわけではありませんので、私どもは、本部を機動的なものにして、とにかく安否を確かめる、そして助け出す、この二点に絞って集中的にやっていこうと。もちろん、地域地域の警察において、実行犯あるいはまた既に分かっている実行犯で北朝鮮にいる者の引渡し、こういったものは徹底的にやっていくことは今までと何も変わらないところでございます。  また、安否の問題につきましては、先生御指摘のとおり、既に死亡したと返事のあったものは、私どもは死亡してはいないと考えておりまして、これらの実際生存されているというきちっとした証拠を見付け出していく、あるいは確認していく、このことにも全力を挙げてまいります。  以上でございます。
  33. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございました。  死亡したと伝えられている人々を生存しているということで交渉していただけるということで、そこは是非よろしくお願い申し上げます。  次に、外務大臣にお伺いいたします。  先日、外務大臣からの御説明の中で、拉致問題そのものについて触れてくださいましたのが調査の問題でございましたので、今日はその点についてお伺いいたします。  二〇〇八年八月に合意した北朝鮮による全面的な調査のやり直しについてでございますが、このやり直しを強く求めていくとのことでございました。ただ、北朝鮮は、これまでに何度か再調査を約束し、その都度、八名死亡、他は未入境といった回答で誠意ある回答をしてきませんでした。調査のやり直しを強く求めると同時に、その調査自体、調査体制、調査内容についてまずしっかりとした条件を付け、それを基に交渉していくことが必要であろうと考えております。  調査のやり直しを求めるに当たってどのような方針で臨まれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  34. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員御指摘のように、拉致問題については、二〇〇八年八月の日朝間の合意に従い、北朝鮮による調査のやり直しが早期に開始され、生存者帰国につながる成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めているところでございます。  この二〇〇八年八月、これはもちろん民主党政権ではございません、たしか福田政権だったと思いますが、その折に調査のやり直しの具体的態様についても突っ込んだやり取りを行った結果、北朝鮮側が実施する拉致問題に関する調査に関して次のとおり日朝間で合意したというふうに承知をしております。  全体で五つあります。第一点、生存者を発見し帰国させるための拉致被害者に関する全面的な調査となること。第二点、調査にはすべての拉致被害者が対象となること。第三点、調査は権限が与えられた北朝鮮調査委員会によって行われること。第四点、北朝鮮側は調査の進捗過程について日本側に随時通報し、協議を行うこと。調査の過程で生存者が発見された場合に、日本側に伝達され、その後の段取りについては日本側と協議し、合意されること。第五点、北朝鮮側は、日本側関係者との面談、関係資料の共有、関係場所への訪問などを通じて調査結果を直接確認できるよう協力すること。以上五点でございます。  拉致問題の一日も早い解決に向け、具体的な行動を北朝鮮から引き出すべく、引き続き関係国とも連携しながら全力で努力してまいる所存でございます。
  35. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございました。そのような条件をしっかりと確約を取った上で、北朝鮮が改めて白紙に戻した調査を行ってくれるように、是非強い毅然とした対応を、交渉をしていただきたいと思っております。  もう一点、これは質問ではなくていいんですが、その際、日本側がとる措置、制裁解除等の措置があると思いますが、この点についてはまたいずれ質問の機会を与えていただけたらと思います。特に、万景峰号等の船舶入港については北朝鮮側も非常に強い関心を持っておりますが、これは被害者帰国ということがはっきり見えた時点まで解除できないと私どもは思っておりますので、その辺り、これから御検討いただきたいと思っております。  この後は、では塚田先生にお願いいたします。
  36. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党・改革クラブの塚田一郎でございます。今日は久しぶりの参議院での拉致特別委員会ということで、横田御夫妻、そして増元さんも傍聴席の方にお越しをいただいております。  私は、横田めぐみさんと同じ小学校、中学校を卒業いたしました。今から三十二年前でありますが、寄居中学校二年生のとき、横田めぐみさんは一年生に在学をされていました。御承知のとおり、本当に長い歳月がめぐみさん拉致からたったということで、今日御出席の横田御夫妻ともこの間何度もお会いをして、私も国政に臨むに当たり、この拉致問題、本当に多くの家族の皆様が一日も早い帰国を待ち望んでいる、その全員の早期帰国に向けて全力で取り組むことをお誓いをしてこの場に立たせていただいているわけであります。  中山先生からもお話がありましたとおり、与野党超えて、政権が替わっても、まさにこの問題は最優先の取組として鳩山内閣にも全力で取り組んでいただきたい、その思いをまずお伝えをしたいというふうに思います。  最初に、私から岡田外務大臣お願いがございます。ブルーリボンを付けていただけないでしょうか。我々、この思いを共有する者すべてブルーリボンのバッジを付けさせていただいております。御家族からもそういうお話があったかどうかは存じませんけれども、やはり外交の最前線に立って、この日本の大きな懸案事項である拉致問題を解決するという意思を世界に向けて示していただくためにも、私は外務大臣に是非ブルーリボンを付けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  37. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) いろいろな考え方があると思います。ブルーリボン、ほかにも様々なリボンがございます。  ただ私は、私の信念として、議員バッジも含めて、そういったものは最低限しか付けないというふうにしております。ですから、議員バッジも国会に入るときと議員会館に入るときだけでございます。それ以外はすべて取り払っております。それが私のスタイルでございますので、その点については御理解いただきたいと思います。
  38. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 岡田大臣の政治的な信念は分からないわけではございません。しかし、少なくともこの拉致問題にかかわる外務大臣をお務めの間、私は是非このブルーリボンを付けていただきたい。なぜならば、大臣がこのブルーリボンのバッジを付けて海外に行かれることが、まさに日本がこの拉致問題を全力で取り組んでいるということの大きな表れになるわけですから、是非そのことをお願いしたい。  残念ながら、鳩山総理も、今日拝見をする限りではブルーリボンのバッジ等を付けていらっしゃらないわけであります。その意味で、中井大臣、是非、総理を含め閣僚の皆様にこのブルーリボンのバッジを付けていただきたいということの御要望をいただけないでしょうか。
  39. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 塚田議員から御要望のありました点、二十九日、四閣僚で会合をとお願いしていますが、岡田さんが海外へいらっしゃっておりますので、先ほど岡田さんとはお目にかかりました。官房長官総理には、改めてお話のありましたところ申し伝えます。
  40. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  先ほど中井大臣から、新しい拉致問題対策本部は四人の体制の大臣でやられるという御説明がありました。確かに、機動的に動いていただくためにこういう陣容というのは当然考えられるかなと私も思います。しかし、それぞれのその四名の大臣が、鳩山政権そして日本政府として一貫をした主張を持って統一して臨んでいただかないと問題が大きい。  よく閣内不一致ということを鳩山内閣は指摘をされておりますが、私はちょっと気になる点がまずございます。それは、いわゆる日朝平壌宣言に対しての御評価が大臣の御発言で食い違っているということであります。  これは、去年の十二月八日の毎日新聞の夕刊であります。中井担当大臣がインタビューにお答えになっていらっしゃいます。僕は平壌宣言は認めていません、ミサイルを飛ばし、核実験までやり、明らかに違反しているんだから。ただ鳩山総理は踏襲するおつもり。総理民主党代表のときは、何だあの宣言って言っていたのにというようなコメントをされているわけであります。これは御発言ですから、大臣になられてからの。  つまり、平壌宣言については今どのようにお考えなのか。これは認めていないという立場で今の担当大臣をお務めなのか、まずこの点をはっきりお聞きしたいと思います。
  41. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 小泉元総理がああいう行動をお取りになって、被害者の一部の方がお帰りになった。その後、御家族の方も帰った。このことについて、僕は高く評価をいたしております。  しかし、そのときに結ばれた平壌宣言がその後の交渉を本当に難しくしているんだということは、もう塚田先生、十分御存じのとおりだと。また、日朝間の交渉もここで終わっているじゃないか終わっていないじゃないかという繰り返しになってなかなか出口見付からない。これで年月が打ち過ぎたと私は思っています。  条約でも何でもありません、両首脳の宣言でありますから。自民党の方はなかなかお言いにくいかもしれないけれども、私みたいな政権交代した拉致担当大臣があえて申し上げる。外務大臣外務大臣として、交渉の一貫性ということもあるんでしょう、そういう中でお考えをいただければいい。しかし、私は拉致担当として、ここをぶち破らないとなかなか新しい展開は開けないかなと、こう考えて、閣内不一致とかそういうことではなしに、この問題解決のためには、あえてここをおしかりをいただいても言うんだと、こんな思いで申し上げているところであります。
  42. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 中井大臣のおっしゃること、私よく理解できます。高校無償化法案の件についても、中井大臣は自らの思いをきちっと担当大臣としてお伝えをされているというふうに私は理解をしておりますし、しかしながら、やはり外交ですから、日本という国がどういう形で外交交渉してくるかという前提の問題であります。  そこで、岡田大臣にお伺いをしたいんですが、確かに私は小泉訪朝二〇〇二年というのは大きな成果があったと思います。しかし、今御指摘のとおり、日朝平壌宣言そのものはこの拉致の問題を明確には表現していない。これは非常に大きな問題だということの御指摘は以前からありました。ここで、新しい政権になって、今、中井大臣がおっしゃるとおり、そういう意味ではもう一度この問題を改めて取り組む一つのチャンスでもあるわけであります。普天間基地の移転問題も、新しい政権においては新しいアプローチをということで臨まれているわけですから、この際、鳩山政権、この日朝平壌宣言も含めて新たな見直しも含めた、特に拉致問題を前面に出したそういう交渉をやっていくと。宣言そのものも見直すことも必要じゃないかという御意思はおありでしょうか。
  43. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 二〇〇二年の小泉訪朝に伴う日朝平壌宣言、確かにあの時点で、私はたしか政調会長をしていたかと記憶をいたしますが、民主党としては拉致問題について十分触れていないということをもって批判をいたしました。  しかし、今の時点で考えれば、そういう不満は残るものの、平壌宣言そのものは評価し得るものだというふうに私は考えております。したがって、日朝平壌宣言に従って拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る、こういう方針に変わりはございません。  拉致の問題そのものは、先ほど申し上げました一昨年夏の、八月の全面的な調査という合意がいったんはできたわけでありますので、その約束をしっかり実行するようにと強く求めていくことが突破口になり得ると。その調査をせずして北朝鮮側が拉致の問題について違う主張をしたとしてもそれは認められないと。しっかり調査をする、そのことを実行させていくことが私は突破口になるというふうに考えているところでございます。
  44. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 大臣、それでは新しい政権としての新しい切り口というのはどういうことになるんですか。私はその辺をもう少し、今までの形を踏襲をして全体としてやっていくというのであれば、それは今お話があった平壌宣言もそう、あるいは福田内閣でのいろいろな調査の問題もそうということになると思いますが、それは今までどおりこの形でやっていくということの理解でよろしいのか。それともここは違うんだというところがあるのであれば、是非明確にお示しをいただきたいと思います。
  45. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 福田政権のときに、調査をやり直すということを北朝鮮側は認めたわけであります。その後、この調査は進んでおりません。福田政権から麻生政権に替わったことがその原因なのかどうかということは、これは推測しかありませんので、私は断定することはいたしませんが。そして、もう一回政権が替わって鳩山政権になった。私はこの調査を再開させる、そのチャンスがあるというふうに思っております。それがスタートだというふうに考えております。
  46. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 それでは、先ほど質問も出ましたけれども、日朝実務者協議、二〇〇八年六月に行われたこの実務者協議において、拉致問題について日本側からはすべての拉致被害者帰国、真相究明、被疑者の引渡し等を改めて要求をしという形になっています。以前から、この三番目の被疑者の引渡し等について、新しい政府は方針を変えたのではないかという問題提起もあるわけですが、この内容も含めてきちっとそのまま踏襲をしてこの形でやっていくということでよろしいんですか。
  47. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 確かに、我々のその文書の中には三番目の点は書いてありませんが、基本的考え方は変わっておりません。
  48. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非その点を、どこに書いたということではなくて、政府交渉上ではきちっと堅持をしていっていただきたいということを強くお願いをさせていただきたいと思います。  今日は大変限られた時間ですので、次の質問に入らせていただきます。  この問題、大変に長い歳月、今お話をしたとおり流れております。その中で、一つの突破口が二〇〇二年の日朝平壌宣言のそのベースになる日朝首脳会談だと。その宣言自体については、私も今申し上げたとおり、もう一度考え直す余地はあるなというふうに考えておりますが、いずれにしても、この会談で初めて金正日総書記が拉致を認め謝罪をし、被害者皆さん帰国をされたという大きな進展につながったことも事実であります。  過去を検証して新たなアプローチ、切り口に臨むということがやはり大切でありますから、なぜこのとき北朝鮮拉致を認め、こうした前進が得られたのか、このことについてどのように両大臣御評価をされるのか。その辺のところ、いわゆる二〇〇二年の小泉訪朝での拉致の進展があった背景をどのように分析されるのか、両大臣から御説明いただければと思います。
  49. 中井洽

    国務大臣中井洽君) もちろん日本政府の、あるいは当時の与党の多方面からのアプローチ、これが功を奏したんだろうと、こう思っておりますし、また、いろいろなことがあったということも聞いておるわけでございます。  私、就任しまして、幾つかの国の大使にお目にかかって、今まで以上に拉致問題の解決をと、こうお願い申し上げましたところ、ある国の大使は、私に対して、金正日氏は約束を果たしたが、日本側は約束を果たしていないんじゃないですか、中井さんと、こういうお話があったことも事実でございます。  しかし、私どもは、そういうことではなしに、あの時点で拉致が認められたということを契機に、やはり真っ正面から問題解決、こういったものに取り組むんだと、改めて困難な問題に挙げてやっているわけでございます。  したがって、当時のような工作あるいは当時のような交渉が私どもでできるかどうかは別にいたしまして、岡田さんのおっしゃる表舞台、六か国協議での協議、そして私ども調査、私どものまた安否確認、こういったものと組み合わせて新しい方途というものを考えていきたいと今思っております。
  50. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どうしてあのときにああいう結果になったのかというのは、これは我々、北朝鮮側がどう考えたのか、金正日氏がどう考えたのかというのは、これは憶測でしか物が言えませんので、余り憶測で物を言うべきでないというふうに思います。当時の国際情勢あるいは北朝鮮国内情勢もあったというふうに思います。  ただ、こういう見方もあると思います。北朝鮮のような国で拉致というものを不十分ながら認めるというのは、これはよほどのことだろうという見方もできると思います。それはやはり、そのことが北朝鮮にとってメリットがあると、そういうふうに判断したから平壌宣言を結び、そして、拉致の問題について不十分ながら認めたというふうに見ることができるかと思います。  そのメリットというのは、やがて国交正常化され、そして経済協力といいますか、そういったものについても担保されるということが一つの彼らにとってのメリット。そのためには拉致の問題を解決しなければいけないということで、不十分ながら一部そのことを認め、そして返したと、そういうことではないかというふうに思っております。
  51. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 今、岡田大臣から、北朝鮮が認めるということはよほどのことがあったんだろうと、何らかのメリットがあったというような御指摘だったと思います。私、やっぱりあのときの国際情勢というのは一つ大きな要因だったと思います。  いわゆるブッシュの前期の政権がスタートして、北朝鮮、イラク等、悪の枢軸ということで外交的にも大変に名指しをして、そうした国を批判をし、またイラクへの侵攻等、そのことの是非どうこうではありませんが、そういう現実の中で常に北朝鮮はアメリカを意識をしているわけでして、この状況の中で北朝鮮はかなり追い詰められた局面もあったんではないだろうかと。  そこで、当時、日本に目を向ければ小泉政権が比較的安定をした政権としてあって、かつブッシュと小泉の連携が非常に緊密であったという日米の関係があった。こうした背景の中で、NHKのドキュメンタリー等でも取り上げられましたけれども、むしろ日本を取り込むことで、この米朝の関係そのものも正常化するような意図があったのかもしれない。もちろん、これも私の考え方ですから、現実にはどうだったか分かりませんが、やっぱりそうした背景を我々はひとつ認識しておく必要があるのかな。  そこから言えることは、まず北朝鮮と対峙するときに、第一前提としては強固な日米関係、これが非常に重要になると私は思います。さらには、外交交渉上、北朝鮮日本のそれはいろいろしのぎを削る交渉もあったんでしょう、詳しいことは分かりませんけれども。さらに、日本自体が政治的にも安定をしている、こういう要素があったときに初めてああいう私は北朝鮮が譲歩をするような展開になったんではないかなと思っているんです。  したがって、是非、普天間基地の移転問題だけではありませんが、日米の関係がしっかりするということは、日本の外交全般、対北朝鮮の問題についても非常に重要なことでありますから、この点も理解をしていただいて、こうした日米の関係を早期に、まあ今も一生懸命やっていただいているんだと思いますけれども、強固なものによりしていくという方向に是非外務大臣には御努力をいただきたいというふうに思います。
  52. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員おっしゃることは非常に大事なことだというふうに思います。  ブッシュ政権の末期にやっぱり日米のベクトルは合ってなかったというふうに思います、テロ支援国家の解除が突然なされたり。今幸いにして、この北朝鮮の問題に対して日本とアメリカと韓国、この三か国のベクトルは完全に合っておりますし、三か国の連携というものは完全にできておりますので、そこは非常にいろんな問題を考える際に大きなプラスであるというふうに感じております。
  53. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 大臣、そうおっしゃるとは思います。当然同じベクトルの方向に向いていただかなければこれは困るわけでありますから。そうでありますけれども北朝鮮がそれをきちっと認識しなければ物事は進みません。  したがって、今安易に交渉しても私は足下を見られる可能性も十分あるという懸念も持っているわけでありますから、北朝鮮にとってそれがきちっとした連携で、ある意味脅威であり、そうした形が整ってこなければ、我々は、これは強固だと、日米は安定していると幾ら言っても、相手のあることですから、私はそういうところを是非御理解をしていただきたい、意識をしていただきたいというふうに思います。  最後に、もう残り少ないので、一点だけ。  圧力がなければ北朝鮮交渉自体が進展をしないということは中井大臣、もう十分御存じのことであります。また、政府の様々な経済制裁措置の期限が到来をいたします。政府においても御検討されておると思いますが、この問題が一切進展をしていない状況においては、圧力を決して弱めることがない、そのような思いを、この制裁の延長等も含めて、決意をお聞かせいただきたいと思います。
  54. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 制裁に関しましては、私は民主党時代から強硬論者でありまして、民主党対策本部長をしていますときにもかなり厳しい制裁案を作り、いまだに党の案として懐に持っているわけでございます。  現在、内閣において、制裁の期限切れを見越してどういう形で行くかという調整をいたしております。その中で私も一、二申し上げて、更に実効あるものにしていきたいと、こう考えておりますので、超党派皆さんにおかれましても、是非、御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
  55. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今、中井大臣が言われたことと同じであります。今の段階で制裁を緩めるという選択肢は、私はないと思っております。
  56. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 時間が来たのでこれで終わらせていただきますが、最後に、委員長にも御要望させていただきたい。  なかなか時間が足りない中で、まだまだお話ししたいことはたくさんあるんですけれども、是非今後も、中井大臣は当然でありますし、外務大臣も、岡田大臣も同席の下、この委員会開催されるようにまた特段の御配慮をお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  57. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間でございます。  岡田大臣、貴重な時間の中おいでいただきましてありがとうございます。  岡田大臣にお伺いしたいと思いますけれども、御承知のように、二〇〇六年の北朝鮮による初めての核実験後で国連の決議一七一八、また二〇〇九年の二回目の実験後での採択された決議一八七四に基づいて実施された制裁が各国ごとによって違うわけでありますけれども、現在までの実績はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
  58. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 安保理決議を受けての諸外国の対応の詳細については、それぞれの機会をとらえて、関係国や国連との間で意見交換情報収集を行っております。貨物検査に関しては各国とも現行法で対応し、また、新規立法の要否や対処すべき官庁との分担を含めた検討作業を行っているものと承知をしております。
  59. 風間昶

    ○風間昶君 具体的に、国の、例えば海路とか空路とかを含めて、どのジャンルをどうやっているとかということは把握されていらっしゃらないんですか。
  60. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どこまでお話しするかということですが、例えば米国及び韓国における船舶検査の国内法制について申し上げると、以下のとおりであります。  米国の沿岸警備隊は公海上も含め警察権の行使が可能である一方、海軍は法執行活動に携わる例もあります。韓国については、韓国海洋警察は国内法令に従い、外国船舶が韓国の領海及び接続水域を通航する際、韓国の平和、公共秩序などを損なう行為を行った嫌疑が認められる場合、停船検査、検索、拿捕、その他必要な命令や措置を行うことができるということでございます。  また、北朝鮮の船舶は、韓国北朝鮮の間の合意に基づいて南北海運航路と呼ばれる航路上での武器等の輸送が禁止されており、武器輸送等を行った疑いがある場合には、韓国海洋警察は該当船舶に対して停船、乗船検査を行うことができるということになっております。
  61. 風間昶

    ○風間昶君 私が伺っているのはそういう実施要項じゃなくて、制裁の実績はどのようになっているのかということをどのぐらい把握されているのかというふうに伺っているんですが。
  62. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) お答えを申し上げます。  国連安保理一七一八委員会において、国連安保理決議一八七四号違反の可能性があるケースが提起され、同委員会として調査を行っている事例は実際にはあるというふうに承っております。  実際には事例はあるというふうに思いますが、事実関係においては同委員会によって調査が行われているところであり、関係国との間の申合せにより、実際はありますが、詳細について申し上げることについては差し控えさせていただきたいと思います。
  63. 風間昶

    ○風間昶君 私、副大臣をお呼びしたつもりは全くありませんので、間違わないでください。私は大臣伺いたいと思っているんです。大臣が把握されているかされていないかということが極めて大事なことだから、私は大臣お願いをしたわけであります。  それで、今まさに二〇〇九年の国連決議一八七四以降もうこれで、九年の二月からですから約一年たつわけですけれども、もちろん事実関係はあるにしてもつまびらかにできないということの今答弁でございましたが、そうすると、各国が行っている制裁は北朝鮮に対して効果があったとかなかったとかということは言えないことになりますが、その点、外務大臣はどのような認識をお持ちですか。
  64. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 具体的に事例として挙がっているかどうかをもって、効果があったかなかったかということを判断することは必ずしも適当でないというふうに思います。そういう可能性があるということをもっても、北朝鮮側にかなりの、そのことが自制を強いることになるということも考えられると思います。
  65. 風間昶

    ○風間昶君 この決議の実施に必要な国内法の貨物検査特別措置法、まだ制定されていないのは御案内のとおりでございます。  国連決議の採択には日本は極めて積極的であった。しかし、にもかかわらず、決議の実施という点での、法作りも含めて非常に消極的になっているというふうに思わざるを得ないわけです。そういうことであれば、これは国際的にも理解が得られづらいんじゃないかというふうに思いますから、是非、この効果が上がったとか上がっていないとか言えないというんだったら、じゃ効果がなかったと思っているから法制定に積極的でないのかとも取られるわけでありますから、いずれにしても、法案を早期に成立させるということは極めて大事な問題で、これが言わば具体的な圧力の行使になるわけでありますので、きちっとやっていただきたいと思います。そういう意味では、閣法と自衛隊の役割が明記されている野党案の方が、二つありますけれども、私は野党案の方が北朝鮮に対しては強いメッセージになるというふうに思っております。  三月十五日の衆議院拉致特別委員会中井大臣が御発言されております。所管外でありますがという前置きをしつつ、「一日も早く国会でいい話し合いをしていただいて、検査法の法案を通す、これらも含めて北朝鮮に対する制裁、包囲、こういったものをきちっとやっていく、これが大事であろう」というふうに自らのお考えを示されましたが、岡田外務大臣はどう思っていらっしゃいますか。
  66. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私も、法案を早く国会で御審議いただき、そして一刻も早く成立をさせたいというふうに思っております。さきの国会においても、是非審議していただきたいということを申し上げたところでございます。所管が異なりますので、私の立場からなかなか言いにくいところはありますが、是非国会において、審議の順番などもそれぞれあるとは思いますが、この国会中に必ず成立させるように御審議をお願いしたいと思います。
  67. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  次に、六者会合について、現時点で私は報道ベースでしかつかんでないんですけれども、先月の二十七日、二十八日と連続して報道が、議長国である中国が本会合開催に向けた予備会合を関係国に示唆している旨の報道があります。六者協議に予備会合案、六者再開進展の兆しということの報道がありますが、これは事実かどうかを伺いたいと思います。  また、六者会合の開催の話は、当然日本も六者に入っていますから、日本に、いつだれに打診があったのかお聞かせいただければ有り難いです。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、六者会合そのものの再開について何か具体的な話があるわけではございません。そして、メディアはいろいろ報じますが、必ずしも正しくない報道もございます。具体的な、詳細な各国との間のやり取りというものは明らかにできないことは御容赦いただきたいと思います。  ただ、日本とアメリカ、韓国あるいは中国も含めて、というとロシアはどうなっているのかと言われますから、まあロシアも時には、お互い緊密に連絡を取りながら早く六者会合を開催できるように現在懸命の努力中でございます。ただ、私いつも、そういう議論のときに、先日もボスワース特別代表にも説明に来ていただきましたので申し上げたんですが、六者会合そのものが目的ではないと、これを開くことは必要だけれども、それで終わりではないので、そこできちっと成果を上げることが重要であると、そういうふうに思っております。
  69. 風間昶

    ○風間昶君 大臣は六者会合そのものずばりの話をしましたけど、私、伺ったのは、その前の予備会合の関係国へ示唆しているような報道があったが、それはどうなんですかということを伺ったんですが。
  70. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) そのことに関しては、ここで中身についてお話をすること、あるいは予備的会合が、そういう議論があるのかどうかということについてもここで明らかにすることは控えたいと思います。
  71. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  じゃ、恐らく、この報道は二月の末ですから、予測されるのは、いずれにしても、この報道ベースで質問するのはどうかとは思いますが、少なくとも北朝鮮の首席代表が二月の九から十三に中国に行って、武大偉朝鮮半島問題特別代表らと会談したというふうに記載がございます。それで、その後、この一週間後あるいは十日後にこういう記事が出たのかなというふうに思いますが。  それはそれとして、今月に入って三月九日、日本側が齋木アジア大洋州局長が訪中して、武さんあるいは外務次官さんと会談していますけれども、このことは恐らく、この六者会合の予備会合についてどうだったんでしょうかという話を聞いたかどうかは分かりませんが、きっとそのことが話になったんだと思うんですけど、これもつまびらかにできませんか。
  72. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 明確に方針が決まった場合にはもちろんお話をさせていただきたいと思いますし、説明もしたいと思いますが、物事が決まるまでの間いろんなことがあります。特に、北朝鮮を相手にしているときには様々なことがあり、そしてそれがうまくいかなかったり、相当忍耐力を要する交渉だというふうに思っておりますが、したがって、途中のことについて一々コメントすることは控えさせていただきたいと思います。
  73. 風間昶

    ○風間昶君 私は、その途中のことについて大事だから伺っているんですよ。どのような報告を受けたのかということを含めて、もう一度御答弁いただきたいと思います。
  74. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど答弁申し上げましたように、予備的会合そのものが今議論になっているかどうかということも含めて、内容について触れることは差し控えさせていただきたいと思います。
  75. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  先ほど来の中井大臣の平壌宣言についての、その後の交渉に支障を来していると、正しい言い方ではないかもしれませんが、そんなふうに私は受けたわけです。それをぶち破らないと駄目だというふうにまさにおっしゃいました。  じゃ、ぶち破るにはどうしたらいいのかということのお考えを中井大臣にお伺いしたいと思います。
  76. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 私は、六者協議が始まったときに、日朝間の問題は平壌宣言の精神を基に二国間でという一項が入っているのを見て、当時の外務省に、野党ながら、これはどうして入ったんだと申し上げたことがございます。その後、六者会談でいろんな動き、経過は今日までありましたが、日本側が本当にこの拉致の問題で北朝鮮との交渉、悪戦苦闘しているのはここのところだろうなと思っております。それを前政権下でようやく調査委員会をつくりましょうというところまでおやりになった。これはこれで本当に細い細い糸の上の道のような、綱渡りのような私は交渉だったんだろうと思っています。しかし、それとはまた別だと、拉致解決は、というのが私の思いでございます。  岡田さんが外相としてこの六者協議の場で本当に御苦労なさるんだろうなと思っております。そこへ向けて、補強なり情報なりお出しすると同時に、全く私どもの集めた情報やルートで、きちっとしたこの拉致だけの話合い解決、これができないものか、最大限、総理からも突破口を開けと言われていますから、もがいてみたい、それが私の今の思いです。
  77. 風間昶

    ○風間昶君 前段の大臣の御発言、私、全然聞いていませんのであれなんで、どういうぶち破るための方策ありやなしやというふうに伺っていますから、今もがいているって、今、まさにもがいているだけですかね。
  78. 中井洽

    国務大臣中井洽君) もがかないと何もできませんので、もがいて苦しんで一生懸命道見付けて頑張っていきたいと。簡単にこうすりゃできるとかああすりゃできるというんなら、今までももう既にできておるんだろうと思っています。難しさを分かって私どもはやっておりますし、どうぞ御理解の上、御支援のほどをお願いいたします。
  79. 風間昶

    ○風間昶君 先ほど中井大臣は、拉致対策本部も去年の十月二十七日に開いて四大臣に絞ってスタートしたというお話を得々とされましたけれども、一回もその後開いてないんじゃないですか。  先ほどちらっと塚田先生の御質問に、二十九日に四閣僚の会合をという話がちょっと出ましたけれども、またもう一つは、四月に新たに事務局長任命というお話が出ましたけれども、これ本当に、待っていらっしゃる家族の人が逆に帰らぬ人になってしまわない前に、きちっと大臣の下、大臣会合をやればいいという話じゃないですけれども情報、あらゆる話合いのチャンネルをきちっと持ち込みながら、制裁は制裁でというふうに大臣はおっしゃっておるわけですから、特定の人を拉致するような大臣ではなくて、これはごめんなさい、ちょっと話が混乱を私がしていますが。  御本人がむしろ北朝鮮に行くぐらいの、行ってそれできちっと解決してくるような、そういう決意を含めて、この北朝鮮問題解決に向けての取組をどうリードしていくのか、大臣が。決意伺いたい。
  80. 中井洽

    国務大臣中井洽君) おしかりでございますが、お話を聞いておると、私の話もお聞きいただきながらおしかりをいただいているかなと思っております。  就任いたしまして、大臣になりましたが、官僚機構が私の下にあるわけではありません。全部内閣情報室との兼務でございます。これらの人員をどうするか、組織をどうするか、予算をどうするか、すべて見直しやチェックやさせていただいた上で、ようやくこの四月に事務局長もつくり、そしてメンバーも十人以上情報担当を増やし、そして予算も三倍以上の予算を計上させていただいて、過般の審議でお認めをいただいて、いよいよ正式な体制としてスタートを切らせていただくわけでございます。  しかし、この間、従来おやりいただいた皆さんも含めて過去の経緯をお出しいただく、同時にいろいろとおっしゃってきていただくところを追跡する、そして調査する、こういったことを既にもう始めておりまして、五年間もう少しやりようがあったんだろうなと、しかし、それは平壌宣言という下ではなかなかやりにくいことだったんだろうなというのが私の実感でございます。  したがって、この平壌宣言は平壌宣言でまた六者協議等でお話をいただくけれども、私は拉致解決ということを目指して頑張らせていただく。もちろん、私が行って返してくれるんならいつでも行きます。鳩山総理もそういう思いでおられます。そういう意味では、御指摘を踏まえて、間違いなく早期に解決できるように頑張る決意であります。
  81. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  82. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  まず、中井大臣に事実関係だけ確認をさせていただきたいと思います。  国家公安委員会委員長記者会見要旨というものを持っております。国家公安委員会のホームページから取りました。  二月二十三日の記者会見で、記者の方から、高校無償化の関係で朝鮮学校の取扱いについて大臣の御所見、お考えをお聞かせくださいと、こう問われて、中井大臣は、川端文科大臣懇談しましたときにこの件について私の方から申し入れてございます、これは制裁をしている国の国民ということになっていますから、そこのところは十分考えてやってほしいということを申し上げたところであります。  それから、二十六日の記者会見で、またマスコミの方から、朝鮮高校の無償化反対について理由を含めてお考えをお願いしたいのですがと問われて、中井大臣は、国家として拉致問題に絡んで制裁措置をやっている国の国民でありますから、これはどうなんだろうということは、川端文科大臣に昨年十二月、強く申し入れたところでございますと、こうお述べになっております。  この二回の記者会見で述べたことは事実でしょうか。
  83. 中井洽

    国務大臣中井洽君) おっしゃるとおりでございます。
  84. 山下芳生

    ○山下芳生君 もう一点、確認をさせていただきます。  大臣が二回の会見で、制裁をしている国の国民、それから拉致問題に絡んで制裁をやっている国の国民と述べているのは、北朝鮮国民のことでしょうか。
  85. 中井洽

    国務大臣中井洽君) はい、私はそういうふうに認識をいたしております。
  86. 山下芳生

    ○山下芳生君 そうすると中井大臣は、朝鮮学校の生徒あるいは教職員は北朝鮮国民であるから無償化は十分考えてやってほしい、これはどうなんだろうと川端文科大臣に申し入れたということになります。(発言する者あり)いや、なります、なります。違うんですか。
  87. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 北朝鮮の学校は朝鮮総連の組織下にあります。そして、教職員の給料等はすべて朝鮮総連から賄われているんだと私は認識しております。また、学校の先生そのものは朝鮮総連の幹部の方々だと、このようにも私は認識をいたしております。また、数十年にわたって北朝鮮から多額のお金が送られて運営されている学校でございます。もとより、父兄の方々もお金はお払いになっているでしょう。そして、その中で教育されている中身は、日本の憲法でもなければ何でもないんではないですかと、全く北朝鮮人としての教育がなされている。  これはこれで、僕はやめておけとも一回も言ったことはありません。存続するなとも言っておりません。自分たちのお金で自分たちの民族の学校をおやりになる。私は小さいときからそういうことを認識してまいりました。  しかし、そこへ今回、新たに学校への補助金として今回の無償化のお金が日本の税金から行くということについてはいかがなものかと申し上げているわけでございます。
  88. 山下芳生

    ○山下芳生君 そらしちゃ駄目ですよ。記者会見で大臣がおっしゃったのは、制裁をしている国の国民ということをおっしゃったんですよ。それは北朝鮮国民だと今おっしゃった。ということは、朝鮮学校に行っている子供たちがそういうことだという認識に基づいて川端文科大臣に申し入れたんですよね。
  89. 中井洽

    国務大臣中井洽君) はい。
  90. 山下芳生

    ○山下芳生君 今確認いたしました、はいとおっしゃった。  そうすると、法務省に確認します。朝鮮学校の生徒、教職員は北朝鮮国民ですか。
  91. 田内正宏

    政府参考人田内正宏君) 法務省といたしましては、おっしゃられた学校の教職員、生徒が北朝鮮国民かどうかということは把握しておりません。
  92. 山下芳生

    ○山下芳生君 じゃ、問いを変えます。日本にいる永住外国人の中に北朝鮮を国籍とする者はいますか。
  93. 田内正宏

    政府参考人田内正宏君) 外国人登録上、国籍欄に朝鮮という記載をすることがございます。これは、韓国が国籍として認められなかった時代からの歴史的経緯等によりまして、朝鮮半島出身者を示すものとして用いているものであります。  したがいまして、朝鮮の記載は、何らの国籍を表示するものではなく、もとより、いわゆる北朝鮮あるいは北朝鮮籍を意味するものでもございません。他方、韓国という記載もございますが、これは韓国の国籍を表示するものとして用いております。
  94. 山下芳生

    ○山下芳生君 今の答弁ではっきりしたと思います。日本にいる永住外国人の中に北朝鮮を国籍とする者は一人もいないんですよ。ということは、朝鮮学校の生徒にも教職員にも北朝鮮を国籍とする者、すなわち北朝鮮国民などいないんですね。これは事実なんですよ。(発言する者あり)これ大臣、いや、ちょっと待ってください、質問しているんですから。  川端大臣に申し入れたときの大臣認識朝鮮学校の云々かんぬんは北朝鮮国民であるからと、この認識はその時点で間違っていたと、お認めになりますね。
  95. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 朝鮮総連の……
  96. 山下芳生

    ○山下芳生君 そんなこと聞いてないですよ。
  97. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 幹部の中には北朝鮮の議会の議席を持っている方がおられるじゃありませんか。
  98. 山下芳生

    ○山下芳生君 そんなこと聞いてないって。
  99. 中井洽

    国務大臣中井洽君) じゃ、国民じゃないですか。あなたは朝鮮総連の方は北朝鮮国民じゃないとおっしゃるが……
  100. 山下芳生

    ○山下芳生君 国民じゃないですよ。
  101. 中井洽

    国務大臣中井洽君) だって国会議員しておるじゃないですか、朝鮮総連の幹部の方は。
  102. 山下芳生

    ○山下芳生君 何を言っているんですか。ちゃんと冷静に私は議論したいんですよ。
  103. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 冷静に答えていますよ。
  104. 山下芳生

    ○山下芳生君 いや、だからもう一度言いますけど、二月二十三日と二十六日の記者会見で、さっきおっしゃったように制裁している国の国民ということになっていますから、そこのところは十分考えてやっていただきたいというようなことをおっしゃっていますよね。これは北朝鮮国民だということはさっきお認めになった。しかし、北朝鮮国民という生徒は一人もいないんですよ、朝鮮学校にはね。その限りではこの認識、間違っていたでしょうと。
  105. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 僕は朝鮮人民共和国と一度も言ったことはありません。常に北朝鮮と言っております。その言い方が悪いということならおしかりはいただきますが、ずっとそういう用語を使って今日までやってまいりました。
  106. 山下芳生

    ○山下芳生君 そんなこと聞いてないですよ。違うんですよ。
  107. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 今、日本北朝鮮人たちには日本へお越しいただくのを拒否している、制裁しているわけです。そういう意味で、私は東アジアサッカー選手権のときも、これは私の立場としては違うでしょうと申し上げたわけでございます。日本にいらっしゃる永住者の方を差別せいとは何も言いません。しかし、日本にいて向こうの教育、向こうの思想、そして向こうのお金ということであるならば、何も日本のお金使わなくていいでしょうと申し上げているだけでございます。
  108. 山下芳生

    ○山下芳生君 委員長、注意してください。質問に答えてないですよ。答えてないですよ。  私が聞いたのは、川端文科大臣に申入れしたときの認識、制裁している国の国民であるから十分考えてやってほしいと、この発言のときの認識は、だって、朝鮮学校北朝鮮国民は一人もいないんですから、間違っているでしょうと。間違ってないんですか。じゃ、朝鮮学校北朝鮮国民がいるんですか。
  109. 前田武志

    委員長前田武志君) 中井大臣質問に答えるように。
  110. 中井洽

    国務大臣中井洽君) それじゃ、その北朝鮮の朝鮮総連の人はどこの方ですか。あそこにいらっしゃる学校の子供さん、それは韓国籍、お父さんが韓国で籍を移されている方とかいうのは承知していますが、しかし、北朝鮮の子弟を教育されるための学校でしょう。
  111. 山下芳生

    ○山下芳生君 違いますよ。それは認識が違う。大臣、これは基本的なことが分かってないよ。いや、本当、分かってないですよ。  じゃ、法務省、確認します。朝鮮総連の方々北朝鮮の国籍を持っている方ですか。
  112. 田内正宏

    政府参考人田内正宏君) 外国人登録上我が国は北朝鮮を国家承認しておらないところから、北朝鮮という国籍を外国人登録では使っていないということでございます。
  113. 山下芳生

    ○山下芳生君 だから、そうなんですよ。それを大臣北朝鮮国民とおっしゃったんだから、北朝鮮国民はいないんですよ。(発言する者あり)いやいや、中井さん、そうじゃないの。じゃ、これは……
  114. 中井洽

    国務大臣中井洽君) それは朝鮮人民共和国の方へ聞いてくださいよ。そうしたら日本にいる朝鮮総連の人や大半の朝鮮人学校におられる方は我が国の人民であると言うに決まっておるじゃないですか。日本に問い掛けてどうするんですか。もう法務省なんかいつでもこんな答弁ばっかりするんですよ。北朝鮮へ聞いたら、絶対自分の国の国民だと言うじゃないですか、我が同胞と言っているじゃないですか、違うんですか。これがれっきとした国民じゃないですか。僕はそれ悪いと言っていませんよ、何にも迫害しろとも言っていませんよ。ただ、北朝鮮に対しては制裁加えておるんだからと申し上げています。
  115. 前田武志

    委員長前田武志君) 中井大臣中井大臣、冷静にお答え願います。
  116. 中井洽

    国務大臣中井洽君) はい。
  117. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、日本にいらっしゃる朝鮮総連の方であれ、どんな外国人の方であれ、北朝鮮の籍を持っている人は一人もいないと、これは事実なんですよね。国交ないんですから、(発言する者あり)そう、国交ないんですから、ないんですよ。ないのに、大臣認識は、あたかも朝鮮学校に行っている子供たちが北朝鮮の子供だということを、こう言っているから、これは事実と違うでしょうと。(発言する者あり)じゃ、聞いたの、そんなことを。今のはできないでしょう。できないのにそんなことを言っていいんですか。
  118. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 私の認識の方がはるかに進んでいるのかなと思っていますが。国籍があろうとなかろうと、日本におられて、向こうのお国の方、当然向こうのお国の方じゃないでしょうか。日本人でもないんですし、韓国籍でもないんだし、台湾籍でもないんだろうし。当然、向こうの国から見て、僕はそれでいいんだと思っていますよ。そして、日本に特別永住という格別の資格を持ってお住まいになって生活を営んでいらっしゃる。僕は、この認識、何にも変わりません。
  119. 前田武志

    委員長前田武志君) 中井大臣、時間が過ぎておりますので、短く御答弁願います。
  120. 中井洽

    国務大臣中井洽君) ああそうですか。
  121. 山下芳生

    ○山下芳生君 もう終わりますけれども、なぜ北朝鮮籍の方がいないのか。今朝鮮という登録はあります。韓国という登録もある。これはやっぱり、戦前の一九一〇年の日韓併合、朝鮮併合からずっとこういう歴史的経過があって、そして植民地支配が終わった後、朝鮮籍というものにしたけれども、朝鮮戦争が起こって、帰るところがなくなって、朝鮮という国なくなったから、朝鮮籍というのはありますけれども、それは北朝鮮籍とは違うわけですよね。  だから、中井大臣北朝鮮の国籍持った人は一人もいないんです。その誤った認識に基づいて文部科学大臣に申し入れるようなことは、私は撤回すべきだと主張して、終わります。時間が参りました。
  122. 前田武志

    委員長前田武志君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  123. 前田武志

    委員長前田武志君) この際、便宜私から、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・改革クラブ、公明党及び日本共産党の各派共同提案による北朝鮮による拉致被害者に対する万全の支援及び拉致問題の解決促進に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     北朝鮮による拉致被害者に対する万全の支援及び拉致問題の解決促進に関する決議(案)   北朝鮮による拉致は我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、未曽有の国家的犯罪である。我が国はすべての拉致被害者の安全を確保し、直ちに帰国させるとともに、拉致に関する真相の究明と拉致実行犯の引渡しを強く要求している。   これらの点にかんがみ、参議院においては、これまで複数回にわたり拉致問題の解決を求める決議を行ってきたが、この際政府に対し改めて、平成十四年に帰国した拉致被害者及びその家族に対する支援措置に万全を期すとともに、拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの不動の立場から北朝鮮との間で粘り強く協議を進め、次の諸点に留意し、拉致問題の抜本的解決の促進に遺漏なきを期すことを求める。  一、平成十四年に帰国した拉致被害者及びその家族並びに今後帰国する拉致被害者等の自立及び生活基盤の再建等に資するよう、国、地方公共団体、民間団体等の連携に留意し、支援策の実施に十全の対応をすること。  二、政府は、適時適切に、拉致被害者支援法改正後の実施状況帰国した被害者生活基盤の再建等の状況及び補償の問題、未帰国被害者状況等を勘案の上、被害者支援について万全を期すこと。  三、政府認定に係る拉致被害者以外で、拉致の疑いのある事案についても、その真相究明に積極的に取り組むとともに、拉致被害者認定を進めること。  四、拉致問題に関与した責任者等の厳正な処罰の執行とその報告、具体的な再発防止策の確立、拉致被害者に対する損害賠償の確実な履行について、北朝鮮に対し強く求めること。  五、政府拉致問題がいまだに全面解決に至っていないことを踏まえ過去の検証を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に対し、岡田外務大臣及び中井国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岡田外務大臣
  125. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 外務省としては、ただいまの決議の御趣旨を踏まえつつ、生存者方々の一刻も早い帰国につながるような成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めていくことを含め、今後とも全力で取り組んでいく所存です。
  126. 前田武志

  127. 中井洽

    国務大臣中井洽君) 政府におきましては、本日の決議の趣旨も踏まえて、拉致問題対策本部の下、拉致被害者に対する支援に努めるとともに、すべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく最大限の努力を尽くしてまいります。
  128. 前田武志

    委員長前田武志君) 外務大臣は退席していただいて結構でございます。     ─────────────
  129. 前田武志

    委員長前田武志君) 北朝鮮当局によって拉致された被害者等支援に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長城島光力君から趣旨説明を聴取いたします。城島光力君。
  130. 城島光力

    衆議院議員(城島光力君) ただいま議題となりました北朝鮮当局によって拉致された被害者等支援に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  本案は、平成十七年四月から、五年間にわたり、帰国した拉致被害者及びその家族支給され、これらの者の自立や生活基盤の再建などに重要な役割を果たしてきた拉致被害者等給付金について、支給期限が本年三月に到来することから、帰国被害者等がいまだ脆弱な生活基盤の上に置かれている現状にかんがみ、これらの者の自立をより確かなものとするため、支給期間を更に五年間延長しようとするもので、その内容は次のとおりであります。  国は、北朝鮮当局によって拉致された被害者であって帰国したもの及び帰国し、又は入国した被害者の配偶者等が本邦に永住する場合には、当該帰国被害者等に対し、拉致被害者等給付金を十年を限度として毎月支給するものとする。  以上が本案の提案の趣旨及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  131. 前田武志

    委員長前田武志君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  北朝鮮当局によって拉致された被害者等支援に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  132. 前田武志

    委員長前田武志君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 前田武志

    委員長前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十八分散会