○丸山和也君 丸山でございます。
今日は、この
公訴時効の廃止という重大な
法案に対して非常に問題が多いという気持ちを抱きながら幾つか
質問させていただきたいと思っています。
まず、私つらつら、この前も
質問ちょっとしたんですが、考えてみますと、やはりこの
法案で最大の
問題点というのは、いろんな先生からも、特に民主党の先生からは実質反対だという意見の
ように思えるいろんな
質問がされているんですけど、やはり
問題点というのは、前にも言いました
ように、やっぱり永遠に
公訴時効が完了しないということになると、実際問題としては、むしろ
捜査があるいは摘発していくのが後送りになっていくんじゃないかと。いつでもできるわと、簡単に言えば、そういう形で、これ人がやるものですから、組織がやるものですから、そういう形で、むしろ逃げ得を許さないというより、事実上放置されていく
可能性が非常にあるんじゃないかと。これが一点。
それから、度々言われています
ように、
証拠が時の
経過とともにかなり
散逸していくと。これは、十分補完する体制をこれから考えると言われても、現実問題としては時の
経過には勝てない部分がかなり出てくると思うんです。
それと関連しまして、やはり今、
松岡議員並びに
松野議員も言っていましたけど、やっぱり
冤罪が生まれる
可能性は高くなってくると、これは否定できないと思うんですね。
こういう
三つの問題がある中で、やっぱりやや強引に、性急に
改正が行われ
ようとしていると。だから、私はこれは、ある
意味で一種の、言葉は適当かどうかも分からないけれども、ややポピュリズム的な、世論の動向に迎合しているんじゃないかという気がするんですね。凶悪犯の報道とかいろいろありますから、あるいは直前に
時効が完成したとか、こういう例が過大に報道されますと、それはやっぱりけしからぬなとだれだって
思いますから、そういうのが
犯罪被害者の会の方のこれは熱心な活動と相まみえて、ややそれに
刑事司法の骨格を決める方針が引きずられているんじゃないかと、ここにやっぱり
危険性が最大あると思うんですね。やはりそれは、哲学が欠けているからだと思うんですよ、この問題に対する。
それで、これは永遠に許さないということは、やっぱり
一つの原理主義なんですよ。
一つの原理主義なんですよ。例えば、日本にそれが合うかどうかという問題もある。例えば、日本は戦争のときに鬼畜米英と言っていた。一億玉砕と。要するに子々孫々まで全滅してでも米英と戦うんだと。ところが、戦争に負けると、ころっと親米になったと。これは、やっぱりパレスチナとかイスラエルとか、ああいうところからは考えられない発想なんですよ。あり得ない。だから、日本は
基本的に原理主義的発想というのはなじまないんですよ。それはも
うそこから、原理主義の中からやっぱりテロリズムも生まれてくるんですよ。
ところが、日本というのは、ある程度のけじめを持って、物事は終わりとして新たな一歩を踏み出そうという、こういう連綿とした日本の歴史、文化というのがあるんですね。そういうところをやっぱり日本的文化とか伝統に根差した刑事政策をやらないと、早晩やっぱり僕は失敗していくと思うんですよ。そういう
意味で、この
改正というのは非常に幼稚な
改正だという気がするんですね。
だから、何といいますか、私は前に言いました
ように、
公訴時効に関しては、もちろん
被害者の感情もありますし、それから
DNAを中心にした
捜査方法の格段の進歩とか、いろいろありますから、
基本的には
延長でいくべきだと思うんですね。それを一気に廃止と、重大
事件について、というのはややおかしいと思っています。
それで、先般、参考人からもいろいろ出まして、その中で、資料を若干引用させていただくんですが、あすの会ですか、それで殺人罪の
時効について百四十二人回答があって、廃止するべきだ、九五%だとありましたね。それから、殺人罪以外の
犯罪の
時効については八三・九%、これも廃止すべきだと。要するに、
犯罪被害者の方が、我々は
被害者の遺族ですと訴えて、これは廃止したらどうでしょうかと、どう思われますかと聞けば、それはそうですよ、やっぱり同情もしますし、悪いやつはやっぱり
処罰した方がいいと、こういうレベルのと言ったらおかしいけれども、単純明快な、同情的回答なんですよ、こういうのはね。だから、これが九五%あるから、あるいは八三%あるからということで、即もうやっぱり
改正しなきゃならないということでは、やっぱり国の骨格を決める
制度としていかにも拙劣なんですよ。
だから、それはるるもう民主党の議員がいいことをおっしゃっているんですよ。それで、民主党さんもそういう見解だったと僕思っていたんだ、
基本的には。それが、どうしたことか、季節が変わるところっと変わるという、変わっているのかどうか知りませんけどね。だから、これは、
大臣、心してこの
法律はやっぱり提案していただかないと、
千葉大臣がこれをやったということであるいは汚点になるかも分からない、将来的に、と私は思っているんですよ。
そういうことで、例えば、このアンケート、もう
一つあります。遡及適用を認めるべきかというのが九九%、九九・二%遡及させるべきだと。これも、本当にじゃ憲法論議、罪
刑法定主義を
理解した上で言っているのかどうかと。いや、やっぱり
犯罪を犯したやつはもうとにかく今からでも
時効はあっても遡及されて、
改正とともに遡及されたらいいんだという、まあ逃げ得は許さないという非常に漠然とした一般常識を余り大なたで本当の
刑事司法という細かなところにぼんとぶち込んでいくということは、僕はやや世論に、世論をやっぱり指導すべき立場もあると思うんだけれども、指導されている
ような気がするんですけれども、いかがでしょうか、
千葉大臣。