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橋本聖子君 ありがとうございます。
鈴木副
大臣は御
自身も
スポーツをずっとされて現場のことがよく御理解いただいている、だからこそしっかりとやっていただけるんだというふうに思っておりますので、是非お願いをしたいというふうに思います。
やはりこの
スポーツというものの
経済効果というものを
考えると、
日本も長野
オリンピックはすばらしいものがありました。そこにはなぜ
経済効果があったのかというと、やはり
選手が強かったんですね。それに尽きるのではないかなというふうに思います。やはり本物をしっかりと育てなければいけないというのが私
たちの思いであるんですけれども。
そうしたことを
考えると、今回の開催国でもあったからこそですけれども、
カナダ・チームはオン・ザ・ポディウムといういわゆる表彰台独占計画というものを立てまして、これは大変なプレッシャーも与えたということですけれども、結果的には大変な
メダル獲得でありました。三十個を超えたということで、その
活躍というものが、地元だということも含めて大変な
経済効果をもたらしたということについては、やはり強いチームをつくるということがイコール
経済効果というものにつながっているんではないかなというふうに改めて思いました。
やはり
競技スポーツというものが強くなっていくことには下支えが必要でありますし、またそれによって頂点が伸長すれば、当然生涯
スポーツですとか学校体育といったすそ野も広がっていくというふうに思います。
先ほど、
草の根とそしてまたトップというものの垣根を取ってということでありますけれども、まさにやはりこれからはそういった一体化させて、そしてそこにまた新たな
市場が広がっていくということになれば、そこにまた雇用が生まれるという
循環型にもなっていきますので、そういった
スポーツの未知のといいますか潜在力というものをもっと
文部科学省は引き出す
努力をしていただければ有り難いというふうに思っております。
また、
マルチ・
サポートの中にも
お話しいただきましたけれども、私
たちは今、
選手を鍛え上げる、心技体、
肉体も大事だけれども、心もそして
技術も大切だということで、過去の
経験を生かしながら
基本的なことを忘れずに
努力をしているところですけれども、ただ、今の時代は、医療とそして
科学技術の
サポートなしに
選手を育てることはできないというような、そんな時代になってきております。
今回も韓国と
中国の
活躍というものは大変目覚ましいものがありました。今までにないすばらしい
活躍を今回韓国勢は示してくれたわけでありますけれども、これにはやはり、
一つには国の支えというものがしっかりとしていたということと、
強化策というものがしっかりとしていた。これは当然、国が支える、そしてまた民間と
一つになって韓国の
強化対策というものが組み込まれているものですから、これが功を奏してといいますか、大変な
メダルラッシュでありました。
ただ、私
たちはこれをうらやましいとか悔しいとかという思いも多少はあったんですけれども、ただ、やはりお隣の韓国、
中国、ある
意味で体格も同じような
部分がありますので、私
たちもやればできるんだという
希望に満ちた
部分でお隣の国の
活躍を見させていただいたということでもあります。
また、
中国というのは、八〇年から九〇年に比べて近代
スポーツ競技のレベルが飛躍的に進歩を遂げているんですけれども、これは単なる人口ですね、数の力ということだけではなくて、
中国が挙国体制の下に
科学技術のアプローチというものを今回しっかりとやってきたということが、だんだんと今までの近年にわたるすばらしい
中国の発展というものがあるんではないかなというふうに思っていますけれども。
ここ半世紀ぐらいのことですけれども、体や運動に関する科学的知見が蓄積されてきて、そして
経験に頼ってきたトレーニングに科学的な分析が加えられるようになったということで、まさに、最初は東欧圏が先行していた
政策なんですけれども、それを西欧諸国が追うように発展をしてきまして、今では本当に
科学技術の
サポートなくして私
たちの戦いはできないというようなことになっております。
今回も新しい枠組みの中で、例えば道具への開発費ですとかあるいは研究費というものも見ていただけるというようなものがありましたので、これを大変期待をしているところなんですけれども、道具ですね、シューズ、ウエア、トレーニングの機器ということ、これは最先端の今
技術が使われているんですけれども。
ちょっと諸外国の
お話をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、例えば着るものですね。いろいろな規定があって、なかなか本当にこれはすばらしいと思っても、それぞれの
競技団体で国際ルールによって使ってはいけない器材、あるいはウエア
部分でも繊維ですとか、そういうものがあったんですが、少しまだ記憶に新しい
部分におきましては、スピード社のレーザー・レーサーという
北京オリンピックで大変な話題を集めた水着が御記憶にあるというふうに思いますけれども、あれは
日本でなぜできなかったのかということをあのとき
指摘されたんだと思いますが、実は、
日本の三大メーカーと言われるところはそれだけの
最先端技術というのは実は持っているんですね。でも、自社で相当なお金と研究を掛けてやられてきていたわけですけれども、実はなぜ
北京オリンピックではそれがスピード社に置いていかれてしまったかといいますと、情報不足だったということが
指摘をされております。
国際
オリンピックとそしてまた国際水泳連盟とのあらゆる国そしてまたあらゆるメーカーとの密接な関係というものが、情報交換がやはり
欧米諸国というのは日ごろからされていることによって、そういったものが開発をしてもこれは改定できそうな
部分までいくんではないかというような、そういう情報
戦略もすべてやってきた成果であるというふうに私どもは
考えておりまして、まさに
オリンピックの誘致の問題もそこの
部分かというふうに思いますけれども、日ごろからのやはり情報というもの、情報収集ですとかコミュニケーション、そういうものがこれからすべてを取り巻く
環境整備の中には必要になってきた時代だというふうに思っております。
例えば、パフォーマンスの
向上を追求していくと
アスリートの限界を超えた道具も作っていかなければいけない。
一つ、これは、開発をされた途中ですべての
選手が使うことができなかったとはされていますけれども、
カナダでは例えばスピードスケートの五百メートル
競技で、テレビで見ていただいたかというふうに思いますけれども、長島圭一郎
選手と加藤条治
選手が銀と銅を
獲得させていただいたと。
あの
競技というのは、大体
世界記録が三十四秒ゼロなんです。百メートルを九秒二、三で入ったとすると、二十四秒台で四百メートルを通過するということになりますと、最高速度は約六十キロになりまして、あの小さなコーナーを回っていったとすれば、一人の
選手が例えば体重が七十キロでそしてそこに六十キロのスピードで突っ込んでいくと、自分
自身の体重の約三・五倍ぐらい両足に負担が掛かる。
それをどのように最短距離で滑走していくかというところに今度は
技術が組み込まれていく。それには、やはり少しでも風の抵抗をなくする、風との戦いになるものですから、ユニフォームも大変な研究をされて、風洞実験をしまして、風を自分
自身の体にまとわり付かないように突起物を付けまして、よく言われるモーター
スポーツでのスポイラーですとかウイングというんです、そういうものと同じような原理のものをユニフォームに付けまして、そして風が自分の体を巻かずに逃げていくような状況にさせるというようなユニフォームを着て、今回ミズノ社が開発したもので私
たちは戦いをさせていただいたんですが。
そういった
一つ一つの分析をしていきますと、例えば六十キロで五百メートルを滑走するとなると、一メートルを大体百分の六で通過するものですから、百分の二というまばたき
一つの、
金メダルを逃したあのパシュートも、距離にすると目に見えるんですね。私
たちはその百分の二という重みというものと距離の長さというものを身をもって感じているものですから、
一つ一つの積み重ねが千分の一を短縮し、そしてそれの積み重ねが百分の二という大きなものにつながっていくと換算すれば、これは
選手の頑張りと同時に、その能力を最大限引き出す
科学技術というものがドッキングされなければとても
メダルというものに届いていかないというようなことになります。
また、もう
一つ、
質問よりも報告の方が長いかなというふうに思うんですけれども、現状をやはり理解をしていただきたいなという思いもあるものですからちょっとお時間いただいているんですけれども。
例えば、今タレント発掘、
人材育成、今ジュニアの時代から諸外国はどの
選手がどの
スポーツに適性しているかということを分析して
選手の発掘をしております。
日本もやっとあらゆる場所で
サポート体制、タレント発掘事業の中で
JOCと、これはもちろん
文科省から、そして
JOCが受けて、そして福岡ですとか北海道ですとかあらゆる
種目のタレント発掘事業というものを今やらせていただいているんですけれども、その中には、例えば面白いデータ分析がありまして、それは
選手の血液型ですとか、あるいは親御さん、また二代、三代さかのぼった、血統というものでしょうか、よく競走馬では血統というものが重要視されて、私の実家も競走馬を
育成している牧場なものですから血統にはとても
関心があるんですけれども、ただ、この血統というのは、東ドイツの文献を見させていただきますともう
人間の方が血統は顕著に現れていくと。だからこそ、そこの
部分にも追求すべきだというのがもう東欧、東ドイツの時代からでは相当そこに視点を当てた研究も行われてきたという現状があります。
今回メダリストになった
選手を、たまたまですけれども、分析をしますと、
日本でいえば、五つの
メダルで七人の
選手がメダリスト、誕生したわけですけれども、例えば全員が末っ子なんです。個人
競技者で
活躍するのは、いけるかという人もいますけれども、別に長男長女は落胆しないでいただきたいと思うのは、長男長女は比較的団体
スポーツですばらしい成績を上げているというデータもありまして……(発言する者あり)ちなみに私は末っ子のB型なんですが、実はメダリストの……(発言する者あり)そこにくるわけじゃないですよ。メダリストの過去のデータを見ますと、個人
競技でいえば末っ子のB型が多いというふうにされておりまして、ただ、それはちょっと余談かもしれませんけれども、そういった分析もすべてこれからやっていかなければいけないわけです。
風の抵抗というものも
考え、あるいは血統というものを
考え、今タレント発掘の中では、特にこれはドイツが成功した例ですけれども、陸上
競技をやっている
選手のパフォーマンス力がすばらしいけれども陸上には向かない、それをスケルトンの
選手にして
メダルを取ったりですとか、そういうふうにして情報交換をしながら、
一つの
競技団体ではなくてすべての
競技団体から、どのようにこれからチーム・ジャパンをつくり上げていくかという
サポート体制もこれから必要になってきます。
そのことを
考えたときに、今冬版のナショナルトレーニングセンターがありません。私
たちは、やはりいろんな場所に
競技場がありまして、一か所に冬の
スポーツあるいは水辺の
スポーツをまとめるということは不可能でありますので、今
文科省では
競技別拠点としてトレーニングセンターの位置付けをいろいろなところにしていただいているんですけれども、ただ、雪の質、氷の質、そして、例えばスキーであると、これからはそういった空洞実験もしなければいけない、風洞実験もしなければいけない、そして
栄養学も分析していかなければいけない。あるいはまた、極端にいえば血統もということになったりですとか、あるいはスキーでいえば、ワックスの研究もこれからは相当な力を入れていかなければいけない状況になっていくんですが、
競技別拠点とはまた別にして、ウインター
スポーツの盛んな、例えば北海道ですとかあるいは長野ですとか、そういうようなところにナショナルトレセン、夏版はありますけれども、冬季版のナショナルトレセンというものがこれからは必要になってくる時代がもうそこに来ているんではないか。諸外国を見ますと、もう既に完成され、そしてもう成果が現しておられます。
そのことについて、これからどのようなビジョンをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。