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山田俊男君
舟山政
務官、大変御
説明ありがとうございました。
ところで、私の言うのは、そういう国民合意の前の段階の苦しい構造改革の
取組があったと。そして、今いろいろまだ課題を抱えておりますけれ
ども、今の水準のそれなりに食べていける経営体をつくっていると。もちろんそれに対して様々な、今もありましたけれ
ども、共通
農業政策も含めた財源なり
支援が講じられているわけです。その前の段階の
取組を一体どんなふうにちゃんと評価するか、
考えるか、
政策としてどう
推進するかというのが大事じゃないかというふうに私は申し上げたつもりなんです。
ところで、私
自身もヨーロッパの
農業団体との
関係で
幾つかショッキングな、かつ大変示唆に富んだ経験をしております。これは、いつもあっちこっちで言うものだからもうお聞きになった人は多いかもしらぬのですが、
大臣には言ったことないんで、これは申し上げようというふうに思うんですけれどね。
WTOその他の交渉で、ヨーロッパの
農業団体と我が国の
農業団体はかなり親密な連携を取っております。その際、あるとき、ヨーロッパの
農業団体の
関係者が、
山田さん、
日本という国は不思議な国ですねと。外務省が来て、経済
産業省が来て、マスコミの
関係者が来て、経済界の皆さんが来ると、
日本というのは貿易立国だ、だからこそ
農産物も自由化の例外じゃないんだというふうにおっしゃるというんだよ。
一方、
農業団体が行って、
農林水産省が行って、それから
生産者団体が行くと何と言うかといったら、
自給率が四〇%だと、
食料の安全保障のために
国内の必要な
農業生産はきちっと守らなきゃいかぬのだということをおっしゃると。
一体、
日本という国は、両方来るわけですから、で、両方聞くわけですから、
日本という国は不思議な国ですね、それで独立国と言えるんですかといってしゃくに障ることを言われるわけだ。
こっちもしゃくに障るから、しゃくに障るから、こっちも、ヨーロッパだって物すごい
農業予算を掛けているじゃないですか、共通
農業政策の中で。だから、そのことについてしっかり批判を言われるでしょうというふうに言ったら、確かにもっと節約できないかというふうには言われると。だけど、三つの国民合意の要件があるという。
一つは、安全、安心をヨーロッパの
農業、
農業者は届けてくれている。GMO食品を結局はヨーロッパへ出すことについては様々な制約を彼らは講じています。長い間裁判闘争をやりながらも、それを守っているんです。ホルモン剤入りの食肉についても、これを
流通することについて強い要求の中で頑張っている、このことについて国民合意がありますというんです。
二つ目は、ヨーロッパの農村は本当にきれいだと、この農村景観を維持しているのは
農業者ですということについて国民合意がありますと。
三つ目は、あの
二つの世界大戦を経験した、その中で、結局は大変な飢餓と、それと
食料自給率の
向上の大事さというのをヨーロッパの国民は経験しました。だから、
農業のありようについて国民合意がありますよと、こう言ってるわけです。
まさに必要なのは、そういう合意に向けてどんな
取組がちゃんとできるかということなんです。としたときに、私は、どうぞ、担い手のありようについて一等先に申し上げたように、この基本計画、さらに、後で議論します
戸別所得補償の仕組みについてもそうなんですけれど、手を打っていくための手だてとして、ちゃんとより有効な対策を打ったというふうにおっしゃるんだったら、どういう
農業経営をつくり上げていくのかというイメージをちゃんと出すべきじゃないんですかということで申し上げているわけでありますので、この点をちゃんと
大臣の意見をここで聞いておきたいんです。