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大門実紀史君
大塚さんおっしゃってもらったとおり、
金融庁に既にこれは公益通報として、朝日に報道されるまでもなく、情報として、
資料として伝わっていたと。公益通報として受理されるというのは大変信憑性の高いものだけでございます。ですから、受理されたというから非常に信憑性の高いものだったにもかかわらず、朝日に報道されるまで表に出なかったということでございます。
これは、内部告発は我が党にも寄せられまして、実は不払隠しは、この朝日で報道されたいわゆる別病院、ほかの病院の問題だけではございませんで、例えば、病院で死亡した場合の請求案内漏れ、これが七千五百件、入院途中請求というのがあるんですけど、これの案内漏れが三万件、いろいろほかにもあるということでございます。全部一々、今日は全体像だけにしておきますけど、請求案内漏れの合計件数は三十万件以上ございます。これを、払うべきものを支払漏れというふうに今までの
実績からカウントすると、約七万件以上、四十億円を超える支払漏れの
可能性があると。その一部を朝日が報道したということでございます。
今申し上げた、ほかの病院死亡とか入院途中請求は後日一つ一つ取り上げていきたいと思いますが、今日はちょっと全体像の話に絞りたいと思いますけど。何があったのかということで時系列的に経過を
説明いたしますと、
資料の二枚目にございますが、これ第一生命の内部
資料でございますけど、元々何があったのかというと、第一生命の不払隠しの大本には会社の方針として請求主義と、請求が来たもの以外払わないというようなものがあったということでございます。契約者本人が気が付いて請求して申請したものだけ、来たものだけ払うと。これは元々おかしい話でございまして、〇七年当時、この考え方が大問題になりました。つまり、給付に見合う保険料を取っているくせに請求来たものだけ払うということは、払われなかった分は保険会社の不当利得になるわけですね。これが大問題になったわけでございます。
実は、内部
資料とか見ますと、昔は第一生命もそうではなくて、払える
可能性のあるものは契約者にきちっと連絡して払うということが行われてきたわけです。ところが、九八年のこの
資料、回議書のときからもう請求案内は廃止をしますと、請求来たものだけ払いますというような方針を正式に会社として決めてしまったわけです。そのため、第一生命は多大な支払漏れを抱えるといいますか、放置することになったわけでございます。
それで、
資料三枚目に、この
委員会でもこの問題がずっと問題になりましたので、時系列的に書いてございます。全部触れませんが、要するに二〇〇五年当時に明治安田の問題を始めとして不払事件が発覚して、この
委員会でも何度も取り上げられたということです。二〇〇七年の二月に
金融庁が各
大手生保にちゃんと支払漏れとか案内漏れについては調査しろと、報告しろという命令を出しました。それに対して十月五日に
大手生保、第一生命も含めて、報告書を
金融庁に提出をいたしました。二〇〇八年七月一日になって
金融庁が、
大手十社、第一生命も含みますけれ
ども、
業務改善命令を出したということでございます。支払漏れ、案内漏れにきちんと
対応するようにというふうな
業務改善命令でございました。
この公益通報が、二〇〇九年三月二十三日に
金融庁に一回目の公益通報がされたわけですけれ
ども、この内容というのは、要するにこういう
業務改善命令を受けても改められていないと、第一生命がですね。むしろ、二〇〇七年十月五日の報告そのものが、先ほど言いましたような意図的に支払
可能性の高いものを除外して報告していると、虚偽の報告であるというふうな内部告発でございます。ちなみに、虚偽の報告をするとこれは大変重い罰則が付いておりまして、懲役一年以上、三百万円以上の罰金でございますから、これはもう大変重い処分で、なるものをやったということでございます。
業務改善命令を受けた後も放置されているので、公益通報された職員の方というのは本当に善意な方でございまして、やっぱり会社としてこのままでいいのかという、契約者の
立場に立つ第一生命になってほしいというもうそれだけで、その一念だけで身の危険まで冒して公益通報されたわけでございます。
ところが、二〇〇九年六月三十日に第一生命が社員総代会にて株式会社への転換を決議をいたします。二〇〇九年九月二日から十月二十三日、
金融庁が第一生命に立入
検査をいたします。十二月には公益通報その二、まさに今回朝日が報道した別病院問題を中心にした公益通報のその二がされます。二〇一〇年一月二十六日に、
金融庁が第一生命の組織変更、つまり株式会社化を認可をいたします。同じ日に、
金融庁から公益通報者に、公益通報による調査は終わりましたという通知をしております。二月初めに、
金融庁より、昨年九月、十月の
検査結果が第一生命に通知をされております。何の処分もございませんでした。つまり、内部告発
資料がありながら全くおとがめなしと、この不払隠しを事実上容認したことになるわけでございます。
二〇一〇年二月二十二日、
金融庁が第一生命の有価証券届出書ですね、これは上場に必要なものですけれ
ども、それを受理して、同じ日に東証が第一生命の上場を承認したわけでございます。同じ日に公益通報の二回目が
金融庁と消費者庁にされております。そして、三月十日、第三回目の公益通報が証券取引等監視
委員会にされております。そして、あした、あさって四月一日、第一生命はこのままいくと上場する予定ということが全体の流れでございます。
私が
指摘したいのは、これだけの内部
資料ですね、もうだれが見てもかなり確実な
資料でございます。これを持ちながら、
金融庁はなぜ去年の九月、十月の立入
検査で何のおとがめもなしということになったのか。先ほど
大塚副
大臣は、朝日の記事、つまりこの
資料が事実であれば問題だというふうに副
大臣はおっしゃいました。その事実かどうかを確認できたはずですし、したはずですけれ
ども、
金融庁は、立入
検査でおとがめなしということは、
大臣と違って、特に朝日が報道した別病院の件については問題なしという
判断をしたのか、
検査局長、いかがですか。