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2010-05-27 第174回国会 参議院 国土交通委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年五月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十五日     辞任         補欠選任      植松恵美子君     下田 敦子君      大石 尚子君     金子 洋一君  五月二十六日     辞任         補欠選任      下田 敦子君     植松恵美子君      脇  雅史君     佐藤 正久君  五月二十七日     辞任         補欠選任      佐藤 正久君     丸川 珠代君      西田 実仁君     山下 栄一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         椎名 一保君     理 事                 広田  一君                 室井 邦彦君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 草川 昭三君     委 員                 植松恵美子君                 金子 洋一君                 川崎  稔君                 輿石  東君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 藤本 祐司君                 山下洲夫君                 米長 晴信君                 岡田  広君                 荻原 健司君                 佐藤 正久君                 丸川 珠代君                 山下 栄一君                 山内 俊夫君                 渕上 貞雄君                 藤井 孝男君                 大江 康弘君                 長谷川大紋君    国務大臣        国土交通大臣   前原 誠司君    副大臣        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        外務大臣政務官  西村智奈美君        国土交通大臣政        務官       三日月大造君        国土交通大臣政        務官       藤本 祐司君    事務局側        常任委員会専門        員        畠山  肇君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       三澤  康君        経済産業省貿易        経済協力局長   柴生田敦夫君        海上保安庁長官  鈴木 久泰君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号  等を踏まえ我が国実施する貨物検査等に関す  る特別措置法案(第百七十三回国会内閣提出、  第百七十四回国会衆議院送付) ○特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五  条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止  の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 椎名一保

    委員長椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、大石尚子君及び脇雅史君が委員辞任され、その補欠として金子洋一君及び佐藤正久君が選任されました。     ─────────────
  3. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国実施する貨物検査等に関する特別措置法案及び特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件の両案件の審査のため、本日の委員会内閣官房内閣参事官三澤康君、経済産業省貿易経済協力局長柴生田敦夫君及び海上保安庁長官鈴木久泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国実施する貨物検査等に関する特別措置法案及び特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件の両案件を一括して議題といたします。  両案件趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党佐藤正久です。  前原大臣質問をしますのは、これで二回目ということになります。前原大臣国土交通大臣、また非常にいいポストに就かれたなと。特に安全保障の分野が分からないと、この国土交通大臣というのはやっぱり非常に私はいけないと思っています。海上保安庁を統括するだけではなく、いろんな民間の輸送機関も場合によっては統括する、また、この前あった沖ノ鳥島の保全とか、いろんな面が多分あると思います。そういう意味で、今回いろんな議論をさせていただきたいと思います。  ただ、今回の法案、申し訳ないんですけれども、語弊があるかもしれませんが、非常に中途半端な法案だと。恐らく、前原大臣もそう感じているんではないかなと思います。やっぱり一つの問題は、なぜ特別措置法なんだと、なぜ一般法ではないんだと。これは前原大臣野党時代からも、やっぱり一般法という部分にもこの船舶検査、言われてきたと思います。  前原大臣、なぜ今回のこの特定貨物検査、この部分一般法ではなく特別措置法なんでしょうか。
  7. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 佐藤委員にお答えをいたします。  今回の法律案は、安保理決議第一七一八号、それから一八七四号に基づきまして、この中身について日本もその役割を担うということで、これに限った法案ということで特別措置法としていたわけでございますが、今後、これはまさに佐藤委員がよくおっしゃっているように、安全保障議論というのは与党、野党、あるいは政党に関係なく行っていかなくてはいけないわけでありますし、この船舶検査というものをしっかりやれるような体制を抜けがないような形で行っていくことというのは大変重要なことだと思いますので、この特別措置法というものが将来の一般法議論を封じるものではございませんし、まさに与野党を超えて一般法議論というのは行っていくべきものだと考えております。
  8. 佐藤正久

    佐藤正久君 今回、北朝鮮事案というものを受けて、やっぱりこれ一般法議論するいい契機だと思います。我が自由民主党は、今回、自衛隊の海外における派遣というものも踏まえまして一般法、これを出させていただきました。その中にも船舶検査を入れさせてもらっています。  やはり、大臣政府としても船舶検査一般法という形で今後検討すべきだというふうに考えておられませんか。
  9. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 関係省庁と相談をしてということになりますけれども、私は、日本安全保障あるいは警察活動の充実ということを考えれば、一般法というものは当然検討していかなくてはいけないと、また、検討するだけではなくて、そういったものの整備は必要だと、このように考えております。
  10. 佐藤正久

    佐藤正久君 全くそのとおりで、今回のこの法律ではなぜ中途半端かといいますと、国連決議に限ったものしかできないと。今まさに韓国の哨戒艦撃沈事件を受けて、またこれからいろんな動きがあるかもしれない。まさに安保理の方で、場合によったら新たな決議が出るかもしれない。それで、また違う形の船舶検査がなされたら、この法律では対応できないんですよ。  であれば、一般法というものの形を作って、その中で実施計画をそれぞれの時の安保理決議に基づいて作っていくというものが非常に大事で、仮に新しい国連決議船舶検査を、この受忍義務というものが課された場合は、これは旗国同意がなくても検査ができるということになると思います。そういう部分対応できないという観点では非常にこれは中途半端だという指摘をさせていただいております。  また、これが、国会が開催されない限りは、新たな国連決議で今回の一八七四を超えるという部分があったとしても日本政府対応できない。鳩山総理が先頭に立つと言う割には、実態的にはそれに付いていくことができないと、非常に中途半端だと。政権取られてからもう八か月もありました。前臨時国会においても、これは検討して提出できたと私は思います。そういう面におきまして、やはり今後、政府の方でもいろいろ検討をしていただきたいというふうに思います。  また、もう一つこの法案が中途半端でよく分かりにくいのは、本法案周辺事態法との関係であります。これ、周辺事態認定された後も、この審議されている法案というのはまだ法的拘束力は有効だという認識でよろしいでしょうか。
  11. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 周辺事態というのは、周辺事態に当たると認定をされたときに周辺事態法の適用になって、またそれに基づく船舶検査が行われるということになるわけでございますが、この法律立て付けとしては、例えば周辺事態認定されたとか、あるいは武力攻撃事態が起きたということのときにこの法律の根拠がなくなるということは書いてございませんので、そういった事態においてもやれるということについては委員のおっしゃるとおりでございます。
  12. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、大臣の御認識をお伺いします。  じゃ、周辺事態認定された後、政府周辺事態下における船舶検査法、これを発動したという場合、この法案における海上保安庁運用自衛隊船舶検査運用、どういうような形で切り分けをするという御認識でいらっしゃいますか。
  13. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 周辺事態認定をされた場合に行われる船舶検査活動法というものは、これは海上自衛隊が行うということになるわけでございます。周辺事態認定をされるケースとしては六類型が言われているわけでございますけれども、どういった状況下でこの周辺事態認定をされるかということにもよりますし、また、この船舶検査周辺事態認定に基づいて行う場合は海域設定するわけですね。そこについていわゆる船舶検査を行うということになりますが、この本法案につきましては海域とかは設定をされておりません。より緊張感のあるところについては海域設定をして海上自衛隊船舶検査を行うということになろうと思いますし、また、若干緊張感がそういった海域よりも劣る地域においては、当然ながら本法案に基づく、いわゆる、この法案にかかわる行為というものが、検査というのができることになるわけでございまして、そういう意味においては、情勢を見て、危険度を見て、また海域、どの地域で行うかということの中での役割分担というのが行われることになると思いますが。  いずれにしても、繰り返しになりますけれども、周辺事態認定をされた場合においてもこの法案はできるし、周辺事態法認定をされた船舶検査というのは海域を指定されますので、そこにおいて海上自衛隊がやると、こういう切り分けになろうかと思います。
  14. 佐藤正久

    佐藤正久君 今話を聞いても非常にあいまいなんですよ。だから、今六類型もあって、その場合に周辺事態認定されると言われました。じゃ、その場合におけるその実施区域というのは周辺事態法の方では認定されています。この法案においては実施区域のようなものは認定されておりません。  だから、どっちが前、後ろとか、あるいは北、南とか、いろんなパターンがあると思います。これについてのいろんなパターンにおけるシミュレーションというものは政府の方でなされたんでしょうか。
  15. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) いや、安全保障専門家佐藤委員に少しぶしつけかもしれませんが、こういうものはあいまいの方がいいんじゃないですか。あいまいという意味は、海域を指定せずに、そういった不審な船が出てきたときにどこにおいても対応できると。それは、国連決議においてすべての国連加盟国がそういった当該船舶に対して対処をするということですから、この周辺事態法に基づく周辺事態認定をされた場合は、海域設定して、その海域しか海上自衛隊船舶検査をできないわけですから。この今御議論いただいている法律というのはどこでもできるわけですよ。だから、それは、逆に言えば、明確な役割分担として、またこういう法律を担保しておくことの重要性というのはその面で出てくるんじゃないかと私は思っておりますが。
  16. 佐藤正久

    佐藤正久君 私の質問は、そういうことでいろんなケースについてシミュレーションをやったんですかと言っている。それはいろんなパターンがあるのは私も分かります。だから、場合によっては、今言われたように、海上自衛隊実施区域というのは、恐らくこの周辺事態法においては領海に近い恐らく公海上と、事態からすると領海に近い公海上において実施区域というものを指定しながら多分やっていくというパターンが普通だと思います。今回の本法案はそれが自由ですから、だから、場合によってはいろんな、逆に事態に、発生しているところに近い方で海上保安庁の船が船舶検査をやり、あるいは日本に近い方で海上自衛隊がやるというパターンもあると思うんです。そういういろんな部分というのはやっぱり事態に応じていろいろ違うと思います。  だから、その部分シミュレーションをやっぱりやっておかないと、起きてから考えると、あいまいなのはあいまいと、これはメッセージでいいですよ。だけど、実際上はどうなんだということをやっておかないと、そんな机上の空論で連携なんかできませんから。ましてや、周辺事態米軍が入ってきます。今回の法案においても米軍が関与する可能性もあります、近くで。やっぱりそこの部分というのはシミュレーションをやっておくべきだというのが私の指摘で、それはやっているんですかという質問です。
  17. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) シミュレーションというよりは、これは自衛隊海上保安庁が絶えず連携をして、そしてある意味共同行動を取っているというのは一番委員御存じだと思うんですよ。例えば、佐渡沖北朝鮮不審船のときは、あれは海上保安庁が一義的に当たりましたけれども、対応できないということで戦後初めて、自衛隊法が作られて初めて海警行動ということで自衛隊法八十二条が発令されたわけですね。  ということは、逆に言えば、近くに海上自衛隊はスタンバイをしていてくれたからスイッチがすぐにできたということであって、あのときも既に海上保安庁海上自衛隊との緊密な連携というのは取れていましたし、奄美沖のあのいわゆる銃撃事件ございましたよね、海上保安庁北朝鮮不審船の。あのときも、当然ながら、何かがあったときには、海上警備行動発令されれば海上自衛隊がその任務を当たってくれるということで連携は取っておりますし、すべてにおいて、様々な事案においては、いつ不測事態が生じて、今回のこの貨物検査法に基づいてはかなり、旗国同意とかあるいは船長同意とか、そういうどちらかというと拘束力に弱いところがありますので、この法律の流れの中でなかなか自衛隊法の八十二条というところまで行くかどうかは分かりませんけれども、しかし、常に連携をしながら、もし不測事態が生じたときには、海上保安庁では対応できないと判断した場合には、これは自衛隊にお願いをすることになるわけですから、緊密な連携は絶えず取ってきているし、これからも当然ながら連携は取らしていただくということでございます。
  18. 佐藤正久

    佐藤正久君 なかなか質問に答えていただけないようですけれども、シミュレーションをやっているかどうかということを聞いているだけなんです。過去のやつはいいんですよ。  今法案において特に大事なものは、平時から周辺事態認定されたと、シームレスで動くって非常に大事で、そこにそごがあってはいけないわけで、今回、平時における今までの連携とも違う立て付けになっていますから、シームレスでいくためにはそこはシミュレーションをある程度やっておかないといけないと。そこをやっていますかという質問であります。イエスかノーかでいいぐらいの答弁だと思いますけれども。
  19. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 委員のおっしゃるシミュレーションというのがかなり具体的なものを指しているのかどうなのかというところが私は若干ちょっと理解ができませんが、繰り返しになりますけれども、あらゆる場面を想定して関係機関連携をしながらやっていくということは、当然ながら調整をしています。だから、そこは自衛隊におられた佐藤委員もよく御存じのことで、そこはお互い国を守るためにできている組織で、こんなときに縦割りでタコつぼに入っていたらいかぬわけですから、ちゃんと連携をしながらやるということであります。
  20. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、具体的にお伺いします。  じゃ、今回、海上自衛隊海上警備行動発令をして、海上保安庁がこの法案に基づいて動いているという形で連携をする、まあ特例なケースかもしれませんけれども、どういう対応が考えられますか。
  21. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 海上警備行動発令をされた場合は、不審船というか対応する船舶に対しては自衛隊が行うということになるわけでありますけれども、例えば、何が起こるか分かりませんよね。つまりは、そこのスポットだけなのか、あるいはテロ活動なりがいろんなところで起きてくるかは分かりませんので、そういう意味では、十一管区ありますし、様々なところで情報収集を一義的に警察活動としてやっている海上保安庁というものが情報収集をし、それを絶えず自衛隊に対して情報提供を与えるということも必要でございましょうし、また、その周辺海域において海上保安庁も何らかの警戒監視活動をやるということは当然のことだというふうに思います。
  22. 佐藤正久

    佐藤正久君 ちょっと認識が違うかもしれませんけれども、今、海上警備行動発令されたら海上自衛隊がやるというふうに言われましたけれども、防衛大臣海上自衛隊はこの海警行動において、特定貨物検査、これはできますか。私はできないと思っているんですけれども。
  23. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) できません。海上警備行動、今委員おっしゃったようにできません。
  24. 佐藤正久

    佐藤正久君 できないんですよ。海上自衛隊は今回の法案にあるような貨物検査はできないんです。じゃ、海上警備行動発令されたときに海上自衛隊はどういうふうな支援をやるということを想定されているかということを今問うているわけで、そこは前原大臣のイメージが違うとやっぱり現場の方が混乱してしまう。  もう一度お願いします。どういう支援が具体的に海上自衛隊に期待されますか。
  25. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 少し整理してお話ししますと、そういう北朝鮮なりの、まあ北朝鮮と言い切ってしまうのはいかがかと思いますが、北朝鮮特定船舶というか、北朝鮮の船がある場所に存在をしていると。そして、それについて、この法律に基づいて、いわゆる旗国同意を得て貨物検査をしようということになるわけでありますけれども、それがはねのけられる、拒否をされると。そうすると、今度は船長の承諾ということを求めても、それについては当然ながら拒否をされる。
  26. 佐藤正久

    佐藤正久君 簡潔に。
  27. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) いや、でも……
  28. 佐藤正久

    佐藤正久君 自衛隊自衛隊支援を聞いているだけなんです。自衛隊支援はどうなりますかということを聞いているんです。
  29. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) いやいや、つまりは、先ほど委員がおっしゃったのは、貨物検査の話をされているんでしょう。先ほど榛葉大臣答弁されたように貨物検査自衛隊はできなくて、八十二条というのは、海上警備行動というのは、例えば、今私が何を言おうかとしていたのは、こういう指示に基づいて、拒否をし続けて、そのまま何も普通しないんですけれども、例えばその北朝鮮の船が無理やり体当たりをしてくるとか、あるいは例えば発砲してくるとか、そういうふうな場合においてはもちろん海上保安庁としてできる限りのことはこれは正当防衛でやると、いわゆる警職法七条の準用でやるということになるわけでありますけれども、しかしそれを超えた何かが起きようとしているときには、これは対処できないということで自衛隊に出てもらうという、これは万が一にもそういう立て付けになっているわけですけれども、そういった状態において貨物検査をするということを前提に考える方が、なかなかそういうことになっていない、もうそれを超えた事態になっているから海警行動自衛隊にお願いするということになっているんじゃないでしょうか。
  30. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、もう一つ具体的に聞きますけれども、そういう貨物検査をやるときにそういう海上保安庁能力を超えるというような抵抗があったというときに、海上自衛隊護衛をしながら、護衛をしながら貨物検査をするということは、これは法的に可能でしょうか。防衛大臣、お願いします。
  31. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 少し話を整理しますが、防衛省自衛隊ができることは、今、前原大臣がお話しになりましたが、基本的には、様々な情報を収集してそれをきちっと海上保安庁に提供すると。そして、先ほど言ったように、激しい抵抗があった場合、これに対して海上保安庁では対応し切れない場合に自衛隊対応すると。しかし、これは基本的には商船を対象としていますから、正直申しましてそのようなことは私はアンライクリーだと思っておりますが、万が一の際には海上自衛隊対応できるというふうになっているわけでございます。  委員お尋ねの、共に、護衛をしながら海上保安庁検査するということでしょうか。しかし、その場合は……(発言する者あり)海上保安庁がですね。当然、調査、そして検査海上保安庁がやります。しかし、海上保安庁対応し切れない威嚇であるとか様々な行為が起こっている際に、自衛隊が行って、そこでまた海上保安庁検査するということは、実質的にそういうことが起こり得るのか。法的にはこれはできると思います。しかし、そのようなケースというのは極めて私はまれなケースというか、頭の体操としても相当激しい頭の体操だなというふうに思っています。
  32. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、非常にそこの部分が、今回自衛隊項目を削ったことによって、やっぱり日ごろからそれは、さっき言ったシミュレーションというのはそういうところなんです。今回、前政権のときに出したところから自衛隊項目は削除したという部分において、あとは海上警備行動対応しますというのが現政権の今までの答弁なんです。  じゃ、そういう能力を超えた場合、能力を超えた場合、いろんなときに、じゃ、海上自衛隊海上警備行動対応しますと。じゃ、その具体的な内容はどうなんですかという部分がまだ今まで明確になされてないから今聞いたわけで、非常にあいまいなんですよ。  法的には今可能だと言われました。ある程度一段落したら、その対応が一段落したらまた海上保安庁が乗り込むかもしれません。今多分そういうケースを言われたんだと思います。だから、いろんな面で、この部分、じゃ、八十二条を使うときはどうなんだと。  また、距離的な問題もあります。海上保安庁検査をしていて、海上自衛隊がたまたまそばにいればいいですけれども、その距離を、海上自衛隊がすぐ駆け付けるための、そのための言わばやっぱり閣議決定という手続を踏まないといけないんですよ、海上警備行動発令するためには。そこの部分を埋めるために、閣議決定、どういうような対応海上自衛隊としては取らないといけないと。海上自衛隊海上警備行動発令していくためには閣議決定が必要なんですよ。海上保安庁の船と海上自衛隊が離れていたらすぐには対応できないわけで、さらに、近くにいてもこれはお伺いを立てないとできない。  これを対応する、それを現場が困らないようにするために、どういう今閣議決定の仕方というのを想定されていますか。防衛大臣、お願いします。
  33. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) どういう閣議決定の仕方と言われましても、それは大臣にちょっとお答え願うしかないんですが、我々は、そういった船舶検査をしている際に、当然常に海上自衛隊は様々な行動を、情報収集等含めましてやっております。事態が緊迫してまいりますから、当然、必然的に海上保安庁だけではなくて海上自衛隊船舶も、護衛艦なりもやはり近傍に自然に私は行っているということになりますので、その辺の時間的なタイムラグというのは、先ほど不審船事案の件も御紹介がございましたが、私は心配ないだろうというふうに考えております。
  34. 佐藤正久

    佐藤正久君 心配あるんですよ。それは全く認識、副大臣、間違っています。今までそういうことがあったからこそ、私が承知している範囲でも、迅速な閣議決定手続というのがまずあって、それは電話であったり持ち回りでもやったりするということもあるんです。  さらに、あらかじめ考えるような事態においてはこれはあらかじめ閣議決定を行っておく、その方針を出すということも法的には可能だというふうな認識でおります。だから、その部分のことをやっぱり考えておかないと、副大臣がそこの部分を承知していなくてこの法案を通す、非常に私は心配になってきます。やっぱりここの部分というのは、海上自衛隊部分を削るんであれば、しっかりそこはどうするんだと、現行法で対応するんであれば、その手続というのはいかに迅速にやるかと、ここは考えていただかないと私はいけないと思いますよ。  もう一度お願いします。
  35. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほど榛葉大臣答弁されたとおりで私は全く問題がないと思っております。  といいますのも、この法律で想定されるのは北朝鮮の商船ですよね、商船。それで、北朝鮮の商船を、海上保安庁が近づいて、そしていわゆる貨物検査をやろうということについては、当然ながら関係機関には話は行っているわけですね。先ほど榛葉大臣が言われたように、そういうものを受けて、ある程度の距離において海上自衛隊が待機をしてもらうということになろうと思いますし、この法律については旗国同意が必要ですし、船長同意も必要ですし、恐らくノー、ノーなんでしょう。そして、ノー、ノーと言って、我々が強制的にやるわけではないわけですよ。ノー、ノーと言われたら、何も我々は、後に付いていくぐらいで、別にそれを強制的に乗り込んでやるということじゃないわけですね。それであるにもかかわらず向こうが何かを仕掛けてきたときに緊迫感が生まれるということの中で自衛隊が絡んでくる可能性というのは出てくるわけですね。  それで八十二条という可能性が出てくるということなんですが、二つ簡単に申し上げたいのは、一つは、この自民党さんが出された法律も確認規定だけであって同じなんですよ。だから、この法案がそういうものがちゃんとできないというふうなことをおっしゃるんであれば、自民党が出された法案も同じようにできないんです。つまりは確認規定ですから、自民党さんが出された法案というのは確認規定ですから。この法案がそれが不備だとおっしゃるんであれば、それは確認規定で書いてあっただけのそちらの法案でも同じことなんです。  それと同時に、海警行動の場合においての閣議決定というのは、先ほどこれは佐藤委員がおっしゃったように持ち回りでできますので、平成十一年のあの不審船事案でも持ち回りの閣議決定で迅速にやるということでありますので、何かがあれば我々も迅速な閣議決定を持ち回りなどでやるということでございます。
  36. 佐藤正久

    佐藤正久君 確認規定なのは分かっていますよ。  これは、できないと言っているんじゃなくて、自衛隊というのが削除されたことによってその分の意識が少なくなってしまうと、いざというときに対応できないと。まさに副大臣が今その閣議決定の仕方を明確に答弁されなかったということに、一つの多分端緒なんですよ。そういうふうにやっぱり普通の人が見て海上警備行動を迅速にしないと大臣が言われるように間に合わないわけですよ。今大臣が言われるように、ずっと近くにいるというのを想定しているというんであれば、初めから自衛隊海上保安庁がワンパックというふうなイメージにもなるわけですよ。  そういう部分というのは、多分防衛省は、海上保安庁と近くにいつもいるという発想はないかもしれません。大臣がそう今言われましたけれども、近くにいるいない、そういう発想はないかもしれません。いろんな面で現場の方が困らないようにやっぱりシミュレーションをやっておくことが非常に大事で、特に今までの経験上一番問題なのは中央なんですよ。中央の方がやっぱりそこが手続が遅いために、この前の弾道ミサイル発射の誤報にあったように、やっぱりその部分って非常に、いざというときに今まで一番訓練をしていないのが中央ですから。この規定を落とすことによってそういう意識が低くなる、それによってそごが起きるというのを一番心配しているんです。  じゃ、次の質問に移りますけれども、時間がないので。  海上保安庁の船がずっと動いています。そのときに自衛隊から水とかあるいは食事、こういうものを受領するということは可能でしょうか。
  37. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 基本的には、海上保安庁海上保安庁で独立した組織で様々な状況に対応するべく準備はしておりますので、法律的にそれを妨げているという法律はないと思いますけれども、基本的には海上保安庁が独自にしっかりとそういう準備を行って対応するということだと思います。
  38. 佐藤正久

    佐藤正久君 一応法的には可能だというふうに言われました。ただ、海上保安庁の船というのは海上自衛隊と比べるとやっぱりそこの長期間の活動という面で劣るのは大臣承知のとおりだと思います。ただ、そこで水とか補給をもらってしまう、部隊からもらってしまうということになると、いつもの議論になる後方支援と任務の一体化という部分議論が出てくるかもしれない。まさにこの検査活動に海上自衛隊が参加するという部分にも当たるかもしれない、ないかもしれません。その辺りの議論というのもやっぱりいろいろやっていただきたい。そこの部分というのは、私何回も言いますけれども、今回の確認規定を落としたということによって、落としたということによってそこの部分がそごが実際起きないようにしないといけないということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。  以上です。     ─────────────
  39. 椎名一保

    委員長椎名一保君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、西田実仁君が委員辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。     ─────────────
  40. 米長晴信

    ○米長晴信君 民主党の米長晴信です。  今非常に激しい論戦を聞いておりましたけれども、本法案は国連安保理の一八七四、これに基づく貨物検査、これに国内法の不備があるということでやっている法案でございまして、例えて言うならば、因数分解を解いているときに微分積分の話をしたというような印象を受けたんですけれども、ただ、それは微分積分も当然国としてやっていかなきゃいけないわけで、その部分周辺事態の対処を含めた一般法、これを議論すべきだということを大臣自身がおっしゃったわけですから、それはそれでいいかというふうに思います。  ただ、今議論されていたのは、北朝鮮のいわゆる不審船的な武装したものをどう対処するかというような議論まで深く入ってしまいましたけれども、実は、問題なのは一八七四で押さえなきゃいけないという部分で、一般の商船、先ほど大臣北朝鮮の商船と、北朝鮮のというまくら言葉付いていたけれども、そうじゃなくて、完全な第三国のしかも荷主が実は分かっていないようなそんな事例が多い、それにすら対処できないと。一般の商船のようなものを情報に基づいて検査するということも不備があるということでございますから、ちょっとここは基本に返って、まず今の現行法上どういった不備があるから本法案提出しなきゃいけないかと、改めて確認をさせていただきたい。
  41. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 米長議員にお答えいたします。  現行法の下では、北朝鮮特定貨物については検査、そして提出、保管等の措置を行うことができないために、今般当該措置を可能とすべく立法措置を講ずることにしているところでございます。  じゃ、例えばどのようなことが現行法では対応できないかということでございますけれども、内水、領海におきましては、我が国に寄港するが、我が国への輸出輸入貨物を持たない船舶への立入検査とか、あるいは我が国領域内を通過して北朝鮮と第三国間を往来する船舶への立入検査でありますとか、あるいは公海上では、旗国同意の下、外国船舶を立入検査するとか、まあ様々な項目においてこの法律がなければできないというものがございますので、立法措置をとる中でできるだけその穴をなくしていくということがこの法律の趣旨でございます。
  42. 米長晴信

    ○米長晴信君 ありがとうございます。  資料一で添付したのが国交省の方からいただきましたこの法案の網羅するところとするものを表しているフローチャートでございまして、今の説明どおり、内水、領海公海とそれぞれの対処が分かりやすく書いてあるかというふうに思います。  その中で、一番左の二重の箱になっている部分公海においては旗国同意がありなしとあって、ない場合は旗国が、これ我が方の範疇の外かもしれませんけれども、旗国船長に回航を指示するかしないかという部分がありまして、これは一般的には、第三国の国が自分の国のところに回航を指示するということは、普通、常識的にはそうなるというふうに思うんですけれども、ただ、その旗国北朝鮮自身だった場合、これは北朝鮮が回航を指示するというふうにも思えませんので、この場合は、この安保理決議に基づいてこういった貨物検査等を実行するときにどのように対処されるのか、どのようなことが考えられるのか、教えていただきたいんですけれども。
  43. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) 今、委員、この資料、御提出いただいた資料一に基づく一番左側のケースですね、これは公海における対処なんですけれども、これは法案の第三条二項に基づいて、旗国同意及び船長等の承諾を得た上で貨物検査等実施することとなります。  仮に旗国同意を与えない場合については、安保理決議第一八七四号に基づいて、旗国というものが当該船舶に対し検査のために適当かつ都合の良い港に回航するよう指示する義務を負っている。義務を負っておりますので、その義務を履行しない措置を行う場合は、そういった措置をしない場合については、そのような不作為について安保理に報告をしてその履行を求めるということになると思います。
  44. 米長晴信

    ○米長晴信君 それがやっぱり北朝鮮だった場合に、なかなか命令に従うかどうかという部分もあるんですけれども。  じゃ、ちょっと質問付け加えまして、今日は西村政務官にも来ていただいていますけれども、我が国は法の不備があって本法案を提出をしているわけでございますけれども、例えば、この一八七四履行に当たって、各国、現行法でいけるのか、あるいはどういった措置をしているのか、ちょっと御紹介いただければというふうに思います。
  45. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 安保理決議を受けての諸外国の対応でございますけれども、国連等の場で様々な機会をとらえて、各国、関係国との間で意見交換や情報収集を行っております。  貨物検査に関しては、各国とも現行法で対応し、又は新規立法の要否や対応すべき官庁の分担を含めた検討や作業を行っているようでございます。  例えば、米国、韓国、EUは現行法で対応できるとしておりますほか、ロシアについては新たに大統領令を策定して対応してきていると承知いたしております。
  46. 米長晴信

    ○米長晴信君 各国、現行法ないし例えば大統領令のような、国によって対処は異なるかと思いますけれども、仮に北朝鮮船籍が回航を指示したけれども従わないといった場合に、どこか公海上あるいはどこかの国の領海あるいは内水で抜け道があるような状況なのか、あるいは、各国の法律北朝鮮船籍、給油とか補給とかいうことができないような仕組みに、これ網羅できているのかどうか、御所見をお伺いしたいと思います。
  47. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 貨物検査実施に関連する情報でありますけれども、様々な場をとらえて情報収集を行っているということは先ほど申し上げたとおりなんですけれども、旗国同意を取り付ける手段等につきまして、一般的に、一般国際法上の規則や慣行はございません。安保理決議第一八七四号にも言及はないという状況でございます。
  48. 米長晴信

    ○米長晴信君 次に、その対象となる積荷については北朝鮮特定貨物ということで第二条の一号に規定していますけれども、いろいろ、分かりやすいミサイルですとかそういうものが入っているんですけれども、最後に武器その他の物資であって政令で定めるものというのがあるんですけれども、これは具体的にどんなものを想定されておりますか。
  49. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) 今お尋ねの武器その他の物資であって政令で定めるものというものについては、これは大きく二通りのものがあると考えております。  一つは、通常兵器ですね。通常兵器については、我が国としては、通常兵器の国際輸出管理レジームでありますワッセナー・アレンジメントの軍需品リスト、これが国際社会における相場観というものを示すものであると判断いたしまして、政令においてはこのリストに基づいて具体的な品目を規定するという考えであります。  もう一つありますのは、奢侈品、これは北朝鮮への輸出が禁止されている奢侈品というものもこのその他の物資というもので政令で定めることになると思うんですけれども、これについては、国連安保理の制裁委員会においてその範囲を明確化するための議論が今継続しているんですけれども、この制裁委員会における議論等を踏まえて、我が国が既に輸出規制の対象としております、例えば牛肉、キャビアですとか、たばこですとか、そういった奢侈品を貨物検査の対象品目として指定すべきかどうか、現在検討をさせていただいているというところでございます。
  50. 米長晴信

    ○米長晴信君 特定貨物というのは一応そういう定義で進めるということですけれども。  では、今度は、これを取り締まるに当たって前提が第三条に書いてあると思いますけれども、北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当の理由、これがあるときに貨物検査実施するということですけれども、認めるに足る相当の理由というのは例えばどういうものか、教えていただきたいと思います。
  51. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) 認めるに足りる相当な理由というものをまず言い換えますと、そのような北朝鮮特定貨物を積載している疑いがあるという具体的な情報がある場合ということになろうかと思うんですけれども、例えば、これは外国の関係当局ですとか我が国関係省庁からもたらされた、その船舶の仕向け港、どこに行くのかということ、仕出し港、どこから来たのかということ、また、貨物の内容、何を積んでいるのかといったような情報を総合的に判断いたしまして、その船舶が先ほど御質問いただきました様々な北朝鮮特定貨物というものを積載していると認めることが相当である場合というものを指して考えております。  疑わしいだけではこれなかなか検査に踏み込めないといった議論もこの国連安保理決議を定める過程であったというふうに伺っておりますので、合理的で確かな情報に基づいて判断をしてまいるということでございます。
  52. 米長晴信

    ○米長晴信君 今判断をしてまいりますということですけれども、もっと細かい話ですけれども、これ情報源がどこかにもよる、どういう事案かにもよるかと思いますけれども、もたらされた情報というのは、この法案を行使するに当たって、我が国においてはどういったところに情報が行って、だれがどういう判断をしてこの検査に踏み切るのか、それを簡単に教えていただきたいと思います。
  53. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) この情報情報源というものを一概に申し上げることというのは性格上困難なんですけれども、これ例えば海上保安庁ですとか税関自らが直接情報を入手する場合もあるでしょうし、外国のそれぞれの関係当局ですとか我が国関係省庁が得る情報もあろうかと思います。そこで得られた情報をそれぞれの関係省庁間、当局間で持ち寄って調整、共有、分析をする必要があるものですから、これは内閣危機管理監が議長を務めます局長級の関係省庁連絡会議というものを開催するなどしてその分析等に努めることとしております。
  54. 米長晴信

    ○米長晴信君 この後、予定では、仮に見付かった船が武装していて、逃げた場合どうするかというようなことをお伺いしようと思っていたんですけれども、それについてはかなり深く佐藤委員の方が質問をされたので。  この質問は、閉じるに当たって、今朝の民放のニュースでたまたま、去年、グルジアの飛行機がタイにおいて拘束されて大量の兵器を積んでいたという事案がありまして、ようやく半年以上たってグルジアに返還されると。それをよく調べてみますと、やっぱりその積荷が幾重にもダミー会社みたいなものを通じた契約になっていて、なかなか本当の荷主といいますかが分からなかったような、やっぱり巧妙にこういった輸出入をしようという動きがございますんで、この法案しっかり作ったからには、日本も国際社会の一員としてしっかりと取締りをしていただきたいというふうに思います。  時間が少々ありますんで、せっかくですので、今、私の出身の県内で自然災害がありまして、それについてちょっと触れさせていただきたいというふうに思います。  資料の二番なんですけれども、これ、山梨県の南部の方に早川町というところがあるんですけれども、昨日のNHKのニュースでも報じられているんですけれども、この中央やや上に災害現場と。災害現場自体は、これは航空写真ですので相当小さくて見えないんですけれども、この辺に土砂崩れがありまして県道が完全に遮断をされて、八十三世帯百六十人が陸の孤島で陸路を絶たれているという状態になっております。  いったんちょっと三番、次のページ一緒に見ていただきまして、幸いにして、ここの寸断されているところをつなぐところに雨畑湖というダム湖がございまして、細々と今船を使って物資の搬出入及び通勤する人とか通学する子供の支援をしていると。ただ、こんなところ、元々ボートないですから、三人乗りで、操縦する人以外は二人ずつ運ぶという、細々とやっているという状況でございます。  ちょっと二番目に戻りまして、この辺一帯は今東西を結ぶ道が、国道五十二号というのがこの辺においては幹線道路というふうになっているんですけれども、この五十二号自体も非常に山合いにありまして、非常にそういった雨に弱いという状況になっております。例えば、ここの五十二号においては、今雨がたくさん降った場合に未然に事故を防ぐために事前通行規制をするわけですけれども、この南の方の南部町辺りというのは連続雨量が二百ミリでもう通行止めになってしまう。身延町、もっと現場に近い方ですね、ここに至っては百五十ミリの連続降雨で道路自体が通行規制、止まってしまうという状況になっております。  今回の災害現場は、幸いにして土砂によって人的な被害はないわけですけれども、当然のことながら雨でそもそも五十二号が止まってしまっている。こういう状況においては、万一これが人災につながっていた場合に、それを救出する、救助する、そういった活動の手が現場に向かうのに非常に困難という状況になっております。  そこで、一つ指摘をさせていただきたいのが、このすぐわきに我が県が最も強く要望している高速道路の一つでございますけれども、中部横断自動車道と。これは、有名なのは、君は太平洋を見たか、僕は日本海が見たいというキャッチフレーズで、これ、ずっと日本海側から静岡の清水港方面までつなげている部分で、ちょうど今増穂インターというところから六郷インター、ここまで今着工が進んでいるという状況ですけれども、ここから先の部分、ここがこの沿道で最もそういった自然災害が起こりやすい山の谷合いの部分でございまして、ここに高速道路ができるか否かというのがこういった自然災害が発生したときの死活問題にもなり得る重要な区間でございます。  こういった状況をちょっと報告をさせていただきながら、大臣に、こういった自然災害抱えている地域に高速道路を通すという部分についての是非といいますか、思いについて大臣に所見を伺いたいというふうに思います。
  55. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 米長委員の選挙区、特に国道五十二号線のこの縦に通っている道というのは、まさに中央構造線の近く、フォッサマグナの近くで非常に地形が脆弱なところでございまして、そういう意味では、雨が降ると土砂崩れなどが起きやすい要警戒地域であるという認識を持っております。  山梨県内の国道五十二号線には百三十三基の監視カメラを設置しておりますし、また山梨県内の国道五十二号線には三十二基の道路情報板を設置をして、通行止め等の情報を道路利用者へ提供するとともに、機敏に危険な崩落等が生じた場合には通行禁止実施をしているところでございます。  今お尋ねの中部横断自動車道というものについては、静岡県の静岡市から長野県の佐久市に至る約百三十六キロメートルの高速自動車国道でございまして、東名、中央、上信越自動車道とネットワークを形成することによりまして、沿線地域連携強化、産業振興等に資する大事な路線だというふうに思っております。特に、中央道と東名を連絡する区間につきましては、今申し上げたように、並行する国道五十二号に雨量による事前通行規制区間が三か所存在することから、中部横断自動車道と国道五十二号が一体となって災害時等の広域な救急救援ルートとして機能することが期待をされているところでございます。  現在供用されているものは除きまして、供用予定で申し上げると、静岡の吉原ジャンクションから富沢までの二十一キロについては、これは有料道路として平成二十九年度供用予定で今事業を進めているわけであります。それから、六郷—増穂、これは十キロでございますけれども、これは平成二十八年度供用予定ということで、これも有料道路を予定をしているわけであります。そして、先ほど委員がおっしゃったその間ですよね、つまり六郷—富沢の間、これは新直轄でやらせていただこうということで、おおむねこの平成二十八年、二十九年度の供用予定に間に合うようにこちらも新直轄として事業を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
  56. 米長晴信

    ○米長晴信君 心強い御支援のお言葉、ありがとうございます。  BバイC算定の三原則以外にも、こういった自然災害、命の道路につながるということを大きく評価をしていただきまして、是非御協力いただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  57. 椎名一保

    委員長椎名一保君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤正久君が委員辞任され、その補欠として丸川珠代君が選任されました。     ─────────────
  58. 草川昭三

    ○草川昭三君 公明党の草川であります。  平成十六年に船舶油濁損害賠償保障法が改正されました。これにより、外国籍の総トン数百トン以上の一般船舶はPI保険が締結されていなければ日本の国内の港に入港したり出港したりすることができなくなっています。  この背景には、北朝鮮船籍の船舶が保険契約を締結している割合が低いということから、北朝鮮船舶入港を阻止する目的もあったと思われます。  ところが、この改正案が結果的に悪用されているケースが見受けられます。私は、この問題を去る五月十一日の当委員会において海防法改正案の審議の際も取り上げましたが、改めて問題提起をしたいと思います。  それで、第一番目に海上保安庁長官にお伺いをしたいと思いますが、船主責任制限法では一般船舶から流出をした燃料油による汚染の除去費用は責任制限の対象にならないとなっています。このことから、私的財産権の侵害による損害賠償請求が発生しない海上において起きる油による海面の汚染や、海底に沈んだ重油といった環境損害の除去にかかわる費用は、船主の責任制限ができないとなっているわけです。  海防法では、船舶から大量の油などの排出があった場合にはその船舶の所有者は防除措置を行わなければならないということになりますが、それでよろしいのか、お答え願いたいと思います。
  59. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、海洋汚染防止法第三十九条では、船舶から大量の油等の排出があったときはその船舶の所有者は排出油等の回収など必要な防除措置を講じなければならないこととされております。
  60. 草川昭三

    ○草川昭三君 おっしゃるとおりでありまして、海上保安庁長官答弁は、油を流出させた一般船舶の所有者は常識的な範囲で技術的に可能な限り油の回収、汚染の除去を行う義務があるという御答弁だと思います。  ところが、十六年の油濁法改正後、油流出の現場でどういうことが起きているかということを今から申し上げますので、これは国交大臣から是非、現場の動きでございますので御答弁を願いたいと思います。  平成十六年に油濁法、船舶油濁損害賠償保障法が改正され、それまではタンカーだけが対象になっていたこの法律に一般船舶という新しい概念が加わりました。一般船舶が油流出事故を起こした場合、PI保険でてん補され、金額は油濁法三十九条五の三項によりまして、人損を含む場合の船主責任制限額になりました。これを逆手に取って、油漏れを起こした一般船舶側は、事故原因や損害賠償の有無が確定していない事故発生段階で、どうせ保険に入っているんだから余分な作業をする必要はないという、まあ当然の経済的な考え方を持つんでしょう、本来、油を排出させた船舶に課せられた義務である海面や海底のクリーニングを迅速に行わなくなってきているわけです。その結果、油による汚染の範囲が広がることになります。  関係者によりますと、平成十六年の油濁法改正で一般船舶油濁損害という概念が入る前までは、事故後、時間がたって汚染範囲が広がれば広がるほど費用がかさみますので、事故を起こした船舶側は事故発生当初の段階から一生懸命に海面や海底のクリーニングをやってきたと言います。  事故の現場で法改正が裏目に出ているのではないでしょうかというのは前回から繰り返し私が述べていることでございますが、この点についてどのような見解か、お答え願いたいと思います。
  61. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 草川委員にお答えをいたします。  これは先般の国土交通委員会でも御答弁をした中身でございますが、改めて答弁をさせていただきます。  委員が今おっしゃったように、平成十六年の油濁損害賠償保障法の改正は、日本入港するタンカー以外の外国船舶等に対して、燃料油による油濁損害賠償義務の履行に必要な保険の締結を義務付けたものでございます。これは、平成十四年に茨城県の日立港で座礁した貨物船チルソン号等の事例において、船舶から流出した燃料油の回収等について、船主が責任を果たさず、これを代執行した地方自治体に多大な費用を生じ、大きな社会問題となったために行われたものであります。  以上のとおり、同法改正は第三者賠償義務について新たに保険加入を義務付けたものであり、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、海防法に基づく船主自らが講ずる油防除措置にかかわる責任について、法改正の前後において何ら変更はございません。  仮に、今委員がおっしゃるように、一部の船主に法改正の内容を誤解して積極的な油防除措置を行っていない実態があるとすれば大変遺憾なことでございまして、海防法に基づき、船主に適切に対処していただきたいと考えているところでございます。
  62. 草川昭三

    ○草川昭三君 是非、今の大臣答弁を現場で活用する、対応するように御指導をお願いを申し上げたいと思います。  少し話題を変えまして、今日的なことになりますが、内閣官房にお伺いをします。  五月二十四日、政府は、朝鮮半島情勢の緊迫を受けて安全保障会議を開き、情勢分析と日本政府対応を協議しておりますが、その概要について簡潔にお答え願いたいと思います。
  63. 三澤康

    政府参考人三澤康君) 御指摘の五月二十四日の安全保障会議でございますが、五月二十四日午前、李明博韓国大統領が哨戒艦の沈没事案について演説を行ったということを受けまして、同日の三時から総理主宰の下で関係閣僚集まって安全保障会議を開催いたしました。  会議の中では、外務大臣防衛大臣から情勢報告をいただき、引き続き、二十日の連立及び関係閣僚会合以降、本事案を受けて関係各省が行っている措置につき報告がございました。その上で、さらに我が国がとるべき措置について、対応について協議を行いました。  この協議を受けて、鳩山総理から閣僚に御指示をいただきました。主として四項目ございました。まず最初に、韓国を強く支持していくという立場から、国連安保理との対応や国際社会との連携、特に韓国、アメリカ、あるいは日米韓の連携を強化していくということでございます。二つ目は、我が国として新たな対北朝鮮措置の検討を早急に開始することということでございます。三つ目は、まさにこの御審議いただいています貨物検査法案の早期成立に向けて全力で取り組むことということでございます。最後に、引き続き情報収集を強化していくと。国民の安全、安心の確保に万全を期していくということでございました。  以上でございます。
  64. 草川昭三

    ○草川昭三君 外務省に続いてお伺いをいたしますが、韓国の大統領は、今答弁がありました五月の二十四日、哨戒艇が魚雷攻撃で沈没したと断定をした調査報告を踏まえまして、国連憲章違反である、朝鮮戦争の停戦協定など合意を破壊したという談話を発表されまして、これは北の攻撃を軍事的挑発と断じておりますが、中国側はどのようにこれを受け止めているか、外務省の見解を求めたいと思います。
  65. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) お答えいたします。  中国側の反応でございますけれども、中国は、外交部の記者会見などを通じて、韓国哨戒艦沈没事案の犠牲者に対して哀悼の意を表した上で、今般の韓国側の調査結果については、科学的かつ客観的な調査をすることに賛同するとしつつ、韓国が発表した調査結果については現在中国は評価中であるという姿勢を示しております。その上で、中国は、関係国が冷静、自制を保ち、関連の問題を適切に処理することを望む、局面が緊張し、エスカレートすることは避けなければならない、これは朝鮮半島の南北双方の根本的利益に合致するとともに、関係国の利益にも合致する旨を表明しております。
  66. 草川昭三

    ○草川昭三君 非常に政治的な態度だと私は思いますが。  続いて外務省にお伺いをしますが、この大統領談話を受けて、制裁措置として北朝鮮貨物検査実施の厳格履行を求めておられますが、今まで韓国はどのような制裁をやっていたのか、具体的に分かった点だけ御報告願いたいと思います。
  67. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 韓国側の措置でございますけれども、国連安保理決議第一七一八号及び一八七四号に基づいて、主に次のような措置を実施してきたと承知しております。  一つには、船舶検査体制を確立し、実施すること。二つには、軍関連及び核、ミサイル、大量破壊兵器計画関連の特定品目の北朝鮮への輸出禁止措置を実施すること。三つ目には、奢侈品の輸出を規制することでございます。
  68. 草川昭三

    ○草川昭三君 防衛省にお伺いをいたしますが、哨戒艇撃沈事案は各国の専門家が参加をし客観的な調査をしたが、客観的に見てどの程度の分析能力があったのか、あるいは検証能力、まあ大変これは失礼な言い方になりますが、どの程度のものかをお答え願いたいと思います。
  69. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 草川先生にお答え申し上げます。  今般の韓国哨戒艦沈没事案の原因を調査してきた合同調査団というものがございまして、これ大学教授である民側の団長を始めとして、アメリカ、イギリス、オーストラリア、スウェーデンを含みます軍民の各種専門家で構成をされているものでございます。この合同調査団ですが、科学捜査、爆発類型分析、船体構造管理、情報分析のこの四つの分科会に分けて、各分野の専門家が関連物質の成分分析でありますとかシミュレーションを含めまして、物証と科学的検証に基づく客観的な調査を実施をしたものと承知をしております。  このような調査団の人員構成や調査方法に加えて、我々といたしましても、政府といたしましても、韓国側から十分に説明を受けて、この調査内容を報告を受けてまいりました。  こういったものを踏まえますと、今回発表された調査結果については、韓国政府として、合同調査団の信頼性ある分析、検証能力に基づいて、客観的かつ合理的な判断を行ったというふうに認識をしております。
  70. 草川昭三

    ○草川昭三君 続いて外務省にお伺いをしますが、日韓外相会談が五月の十六日でございますか、開かれたと思うんですが、この外相会談でこの問題はどのように取り上げられておられるのか、簡潔に御答弁願いたいと思います。
  71. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 十六日の日韓外相会談でございますけれども、このときはまさに韓国政府を始めとする調査団による調査が進行中でございました。大臣にこの哨戒艦沈没事案について柳明桓長官から調査の現状等について説明がありまして、それに対して岡田大臣から四十六名の方のお見舞いを申し上げるとともに、韓国政府として各国の専門家が参加した客観的な調査を実施していることを評価したいということを述べ、さらに我が国として、極めて困難な状況の中で毅然かつ冷静に対応されておられる韓国に深い敬意を表しつつ、韓国を支持し、必要な協力を惜しまない旨を伝達しております。その上で、今後の対応ぶりについては、日韓あるいは日韓米で引き続き緊密に連携していくことで一致をいたしております。
  72. 草川昭三

    ○草川昭三君 続いて、今月末に予定をされております日韓首脳会談の中心的な議題は今のことも含めてどういう扱いになるのか、あるいはまた、かねてから問題になっている竹島問題等々もこの首脳会談の議題になるのかどうか、お答え願いたいと思います。
  73. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 今月末に予定されております日韓首脳会談でございますけれども、そこにおいては、哨戒艦の沈没事案、そして北朝鮮情勢、また日韓二国間の関係等について議論されることになると思いますけれども、詳細については現在調整中でございます。
  74. 草川昭三

    ○草川昭三君 じゃ、続いて内閣官房にお伺いをいたします。  今回の韓国大統領が国民に向けて行われました談話を見てみますと、北朝鮮に謝罪と関係者の処罰を要求し、国連安保理に問題提議をする一方、今後、北朝鮮が韓国の領海、領空を武力侵犯をした場合に自衛権を発動するという内容で、非常に厳しいものがありますが、これは日本安全保障に直接かかわる問題でもあります。  既に政府は対北全面禁輸、人的往来・送金規制等々を実施をしておりますけれども、送金の全面停止や資産移転禁止の対象拡大など制裁強化を図るべきではないだろうかと思うんですが、内閣官房の御答弁を求めます。
  75. 三澤康

    政府参考人三澤康君) 御指摘のとおり、北朝鮮措置でございますけれども、これまで北朝鮮措置については、政府として、拉致、核、ミサイルといった諸懸案をめぐる北朝鮮対応を見つつ、また国際社会の動きを見て政府としていろいろ検討してまいりましたが、特に今回、北朝鮮がこのような行為を行った、強行したという契機に、改めて北朝鮮をめぐる情勢も総合的に勘案して、五月二十四日に開催された安全保障会議では、総理から我が国としての新たな措置の検討を早急に開始するようにと指示がございました。  この指示を受けて、まさに現在、政府部内において具体的な追加措置の内容を検討しておるところでございます。可及的速やかに結論を得たいというふうに考えておるところでございます。
  76. 草川昭三

    ○草川昭三君 今度は国交省にお伺いをするわけですが、既に特定船舶入港禁止に関する特別措置法に基づき北朝鮮の全船舶入港禁止していますが、同法によりますと、北朝鮮寄港船や北朝鮮チャーター船についても入港禁止できることとされています。これらの船舶入港禁止の対象を拡大し、制裁を強化をしていませんけれども、なぜか、お答え願いたいと思います。
  77. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 草川委員指摘のとおり、特定船舶入港禁止に関する特別措置法では、北朝鮮寄港船や、あるいは北朝鮮チャーター船についても入港禁止できることとなされているわけでございまして、現在、北朝鮮に対する制裁強化について各関係省庁において検討をしているところでございます。  これは極めてセンシティブな問題で、また、総合的に判断をしなくてはいけないテーマだと考えております。例えば、入港禁止船舶の見直しについて申し上げれば、その対象を寄港船舶に拡大する場合、十港、寄港船舶については提出をするようにということになっておりますけれども、大体、北朝鮮、いわゆる寄港船舶については海上保安庁ですべて立入検査を行っておりますけれども、現在においてもですね、大体四割ぐらいが中国の船でございます。ということになりますと、中国との関係、これどういうふうに考えるかという外交的な問題、あるいは国連安保理における常任理事国である中国との関係をどう考えるかというトータルの配慮が必要になってまいりますので、そういうものをすべて含めて、どうしていくかということを目下検討しているところでございます。
  78. 草川昭三

    ○草川昭三君 ここは非常に前原大臣の指導力、指導性の発揮されるところだと思うので、ここは確かにおっしゃったようにいろんな関係はあると思いますが、流れというのはあるわけですから、その流れにきちっと沿った意味で積極的な対応を是非要望したいと思います。  経産省にお伺いをします。  日朝間の貿易動向でございますが、平成十七年には年間約百五十億あった輸入品目は、現在ほぼゼロになっております。海産物が四十億五千万ですか、石炭が十九億三千万等々あるわけでございますが、日本の店頭に並んでおりましたカニが、大口消費を結構しておると思うんですが、第三国経由で日本に輸入をされているのではないかという指摘があるわけです。北朝鮮産のカニの第三国経由での輸入についてどのような対策を取っておられるのか、お答え願いたいと思います。
  79. 柴生田敦夫

    政府参考人柴生田敦夫君) お答え申し上げます。  北朝鮮からの輸入につきましては、第三国経由のものも含めまして禁止ということでございます。このため、北朝鮮からの迂回輸入が行われることのないよう、国内事業者に対しまして、迂回輸入が外為法違反であるということの周知を徹底しておるところでございます。  一方、違反であると知りながら偽装して北朝鮮からの輸入を行う事業者への取締りにつきましては、警察、税関等の関係機関とも連携いたしまして厳格に対応しております。これまでも、ウニ、アサリなどの北朝鮮からの不正輸入の事案を摘発し、一定期間輸入を禁止する行政制裁を実施しているところでございます。  政府といたしましては、これらの措置を総合的に講じることにより、違法輸入が行われることがないよう、関係省庁が緊密に連携して厳格に対応していくこととしております。  以上でございます。
  80. 草川昭三

    ○草川昭三君 防衛省にお伺いをしますが、五月の二十四日の安全保障会議で、総理は非常に厳しい指導を関係省庁にも求めております。国連安保理北朝鮮制裁決議を行い、経済封鎖が実施をされた場合、当然日本にも支援要請をされる可能性があります。具体的には、米韓の包囲網を逃れた北朝鮮船舶の追跡や検査などが想定されると思いますが、どのような対応を立てておるのか、お答え願いたいと思います。
  81. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 草川先生にお答え申し上げます。  韓国政府から調査結果が公表されたのが、五月の二十日でございました。同日の午後に、北澤防衛大臣より防衛省の幹部に対しまして、自衛隊の態勢について改めて点検をすること、引き続き情報収集活動に努めること、警戒監視活動に万全を期すことといったような直接指示を行ったところでございます。  この大臣の指示と、先日の五月二十四日の、先ほども話がございましたが、安全保障会議における総理からの、引き続きこの予断を許さない状況の下、情報収集を強化するなど、国民の安全、安心の確保に万全を期せという、こういった指示を踏まえまして、防衛省といたしまして引き続き必要な態勢を取っているところでございます。  加えまして、今朝帰ってまいりましたが、北澤防衛大臣がアメリカのゲーツ国防長官とこの問題についても議論をし、連携を取っていくという話をしたところでございまして、引き続きまして日韓米の三か国でしっかりと連携をし、一層の対応の強化を図っていきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、関係各国、加えまして国内の関係省庁ともしっかりと連携を取りまして、漏れのないようにしっかりと対応してまいりたいと思います。
  82. 草川昭三

    ○草川昭三君 国土交通省にお伺いをしますが、先ほども佐藤委員の方からも御発言があったわけでありますが、この国連安保理決議によっては、今回の法案では検査を拒んだ船舶を近くの日本国内の港まで誘導することができる内容になっています。大変難しい問題ではありますが、具体的な対応はもう準備をされておるのか、これは海上保安庁ですか、お答え願いたいと思います。
  83. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) 海上保安庁では、現在でも外国船舶に対する立入検査を年間七千五百件ほどやってございますし、それから、英語だけで通じない場合がありますので、韓国語、中国語、ロシア語を話す国際捜査官というのを四百八十名ほど配置してございます、全国各地。  そういう体制で立入検査をしっかりと実施して、それで洋上ではなかなかうまくいかないという場合は、回航命令を出して日本の国内の港へ連れてきて、そこできちっと検査をするということで今諸準備を進めているところでございます。
  84. 草川昭三

    ○草川昭三君 最後に、もう時間がありませんので、外務省にお伺いをしますが、二〇〇五年の十月に米英の捜査当局は北アイルランドで、精巧な偽百ドル札、スーパーノートを北朝鮮から購入し流通をさせた疑いで関係者を逮捕しています。  言うまでもなく、通貨偽造は国家制度を根幹から揺るがす重大な犯罪行為であることは言うまでもありません。偽札造りは、拉致と同じく、北朝鮮の体制に深く根差した本質的な問題だと指摘をされたのは当然のことだと思います。  マカオの銀行に対する米国の金融制裁は、北朝鮮による偽ドル、麻薬、大量破壊兵器など数々の違法取引で得た利益の資金洗浄に対するものだとされていますが、このときの金融制裁はどうなってしまったんですか。その後、米国は、金融制裁の解除を六か国協議再開の条件とするという北朝鮮の要求に屈し、二か国間交渉に応じ、北朝鮮口座の全面凍結解除、中国銀行への全額移管に合意をしているわけでありますが、この間の経緯と現状を御説明願いたいと思います。
  85. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) お答えいたします。  マカオにありますバンコ・デルタ・アジアでございますけれども、米国は、二〇〇五年九月、このバンコ・デルタ・アジアを主要な資金洗浄の懸念がある金融機関として認定をいたしました。米国は、二〇〇七年二月の六者会合においてこのバンコ・デルタ・アジアに関する金融問題を解決する意思を表明し、その後、二〇〇七年四月にマカオ当局は米国との調整を経て北朝鮮関連口座の凍結を解除いたしました。同年六月に北朝鮮関連口座の資金の北朝鮮への送金が実現し、北朝鮮もバンコ・デルタ・アジア問題が解決したとしております。  米国による本件の措置は、通貨偽造や資金洗浄から米国の金融システムを防御するためのアメリカの金融当局による法執行上の措置でございます。米国政府が本件措置を解除いたしましたのは、あくまでもそのような法執行上の観点から行ったものでございます。米国の国内法に基づく判断につきまして我が国としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  86. 草川昭三

    ○草川昭三君 以上です。
  87. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  まず、基本的なことでございますが、提案理由にもございましたけれども、入港禁止処置について、なぜ延長するのか、延長する理由はどこにあるのか、お伺いいたします。
  88. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) お答えいたします。  北朝鮮は、拉致問題について二〇〇八年八月の日朝合意に従った調査のやり直しなどについて具体的な行動を取っておりません。また、核、ミサイル問題についても、昨年のミサイル発射や核実験を実施するなど、解決のための前向きかつ具体的な行動が取られていないということでございます。  こうした北朝鮮をめぐる諸般の情勢を総合的に勘案すれば、対北朝鮮措置を継続することが必要であるというふうに判断をいたします。このうち、本年四月十三日が期限であった北朝鮮船舶入港禁止及び北朝鮮との間の輸出入禁止の措置については、かかる情勢にかんがみ一年間継続することとしたものでございます。
  89. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、この間、入港禁止処置を実施する中で、日本として北朝鮮との関係についてこれまでどのような努力をなされてきておるのでしょうか。さらにまた、一年間延長するということですが、今後どのような取組をなされるのでしょうか。具体的にお教え願いたい。
  90. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 今まで繰り返し申し上げていることのまた繰り返しになるかもしれませんけれども、政府としては、日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針でございます。  この諸懸案の一日も早い解決に向けて具体的な行動というものを北朝鮮から引き出す必要があります。そのために、引き続き関係国と連携して最大限努力してまいりたい、これまでも努力はしてまいりましたが、これからもしてまいりたいと考えております。  拉致、核、ミサイル、いずれも容認できない問題でありまして、この度の措置延長を含めて、国連安保理決議第一八七四号などに基づく措置や我が国独自の措置を着実に実施していきたいというふうに考えております。    〔委員長退席、理事吉田博美君着席〕  また、一年延長することによる意味といいますか、そのことの結果についてお尋ねがありましたけれども、先ほど申し上げたように、この諸懸案の解決のために重要なことは、やはり何といっても、北朝鮮に対して解決に向けた具体的な行動を取ることこそが自らの利益になることであるということを理解させることだと思います。そのために、経済的効果に加えて、具体的な行動を求める我が国の立場を明確にすることに意味があると私は考えております。
  91. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 延長することによっていかに実効性があるのかについてお伺いいたしますが、一年間延長することによって北朝鮮との関係改善に関してどの程度実効性を持つとお考えでしょうか。
  92. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) お答えをいたしますが、特定船舶入港禁止特措法に基づく北朝鮮船舶入港禁止措置により、平成十八年十月十四日以降は、北朝鮮船舶我が国への入港実績はゼロとなっております。対北朝鮮措置の北朝鮮経済全体に対する効果を確定的に評価することは困難でありますけれども、北朝鮮の厳しい経済状況と併せ考えた場合に、こうした措置は北朝鮮に対して一定の効果を及ぼしていると考えております。  加えて、北朝鮮に対する措置の政治的意義にも着目いたしますれば、今般延長した特定船舶入港禁止措置法に基づく北朝鮮船舶入港禁止措置も、北朝鮮に対して諸懸案の解決に向けた具体的な行動を引き続き求める我が国の立場を明確にする効果があると、このように考えております。
  93. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 改めてお伺いをいたしますが、本年の四月九日の閣議決定では、その他入港禁止実施について必要な事項として、必要な人道上の配慮を行うとありますが、必要な人道上の配慮とはどのようなことを想定されているのでありましょうか。また、法令の執行に支障を及ぼさないようにするとは、どのような場合を考えられているのでしょうか。    〔理事吉田博美君退席、委員長着席〕
  94. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 閣議決定中の文言についてでございますけれども、必要な人道上の配慮を行うと確かにございます。これは、災害や事故など緊急に入港を必要とする場合を想定したものでございます。  また、法令の執行に支障を及ぼさないようにするという文言についてでございますが、これは、北朝鮮船舶に対して捜査を行う必要が生じた場合に、捜査上の観点から本邦の港に入港させることなどを想定しているものでございます。
  95. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 これまで入港禁止に関する閣議決定を見ますと、平成十八年十月の閣議決定から、必要な人道上の配慮、法令の執行に支障を及ぼさないようにするという決定がなされておりますけれども、この間、これらに当てはまるような具体的な事実はあったのでしょうか。
  96. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) お答えいたします。  平成十八年十月十四日以降、北朝鮮船舶の本邦港湾への入港は確認されておらず、法令の執行に支障を及ぼさないようにするために北朝鮮船舶入港させた実績はございません。
  97. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 貨物検査についてお伺いをいたしますが、法案では、貨物検査を行うのは、我が国の内水、領海又は公海にある船舶北朝鮮特定貨物を積載をしていると認めるに足りる相当な理由があるときとしていますけれども、北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由をどのように確認されるのでございましょうか。また、だれがその判断をされるのでしょうか。次にまた、どのような指揮命令系統でなされるのでしょうか。公海における検査については旗国同意が必要とされていますが、どの時点で同意を取り付けるのでしょうか、お伺いをいたします。
  98. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) 四つのことを問われました。  まず一つ目。北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由があるときといいますのは、これは積載している疑いがあるという具体的な情報がある場合を指しておりまして、そのような関連情報をどう確認するのかということなんですけれども、この情報源についてその性格上一概に申し上げることというのは困難なんですが、海上保安庁や税関自らが直接情報を入手する場合もあるでしょうし、例えば、外国の関係当局ですとか我が国関係省庁からその船舶の仕向け港、仕出し港、貨物の内容等の情報がもたらされる場合が想定されると考えております。  また、だれが判断をするのかということなんですけれども、北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由の判断は海上保安庁長官又は税関長が行うこととしております。なお、海上保安庁長官又は税関長がこれらの判断を行うに当たっては、もたらされた具体的な情報の分析等について関係省庁間の連携といったものが必要でありますので、内閣危機管理監が議長を務めます局長級の関係省庁連絡会議を開催するなどいたしまして、知見を有する省庁の協力を得て関連情報の収集の調整、共有、分析等に努めることとしております。  また、指揮命令系統はどうなっているのかということなんですが、法案の第三条にありますように、北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由があるときは、海上保安庁長官海上保安官に、そして税関長は税関職員に検査のための必要な措置をとらせるという指揮及び命令を発するということにさせていただいております。  また四つ目。旗国同意を取り付ける場合、公海上において旗国同意を取り付けることにつきましては、先ほど申し上げました関係省庁連絡会議における分析等を踏まえて、当該船舶北朝鮮特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由があることを海上保安庁長官が判断した時点で、外交ルートを通じて当該船舶旗国同意を取り付けることとさせていただいております。
  99. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 領海及び公海においては船長等の承諾を得た上で検査をすることにしていますが、承諾を得られない場合、指示に従わない場合はどのような対応をされるのでしょうか。また、法案では従わなかった者に対して罰則を科するようになっておりますが、このような場合において、どのような罰則を科せるのでありましょうか。
  100. 三日月大造

    大臣政務官三日月大造君) 委員指摘のとおり、領海又は公海におきまして船長等が承諾しない場合には、船長等に対し、最寄りの港などに回航命令を発して、回航させて、その場所で検査をすることとなります。  仮に、これ、回航命令に従わない場合につきましては、海上保安庁長官による命令に従わないということをもって罰則、これは一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金というものを科すことによって、その実効性を担保しております。
  101. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 同意の問題についてお伺いしますが、そもそもここで言われている同意はどのようなものを言われているのでしょうか。また、書面で行うものか、それとも口頭でよいものか、お教え願いたい。
  102. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 同意についてでございますけれども、書面か口頭か含めて、旗国同意を取り付ける手続や形式につきましては一般国際法上の規則や慣行はございません。安保理決議第一八七四号にも、その点言及はございません。  どういう形式でということで、具体的に申し上げますと、旗国から同意を取り付ける際には、慎重を期す観点から、外交当局を通じまして明確な同意の意図を表明する口上書などの外交文書を取り付けるといったことが考えられます。しかし、同時に早急な対応が求められることも事実でありますので、これはなかなかどちらというふうに限定はできないところではないかと思います。  いずれにいたしましても、一般国際法上の規則や慣行はございません。個別具体的な状況に応じて関係国にとって最もふさわしい形式が選択されることになりますが、対象となる船舶旗国が、我が国が円滑な検査実施のために必要な措置をとることに同意していることが明確に示されるということが重要であります。
  103. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 旗国同意が得られない場合は、じゃどのように対応されるのでしょうか。
  104. 西村智奈美

    大臣政務官西村智奈美君) 公海上における船舶への検査等について当該船舶旗国同意しない場合でありますが、これは安保理決議第一八七四号に基づいて、当該旗国当該船舶に対し検査のために適当かつ都合のよい港に回航するよう指示する義務を負っております。また、そのような措置をとらない場合には安保理の制裁委員会に報告されることになります。
  105. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 最後になりますが、検査は必ずしも安全な状態であるとは限らないと思うんであります。それで、相手の側から抵抗や武力の行使なども考えられるわけでございますが、このような場合、どのような対応をされるのでしょうか。検査に当たって武器を使用してくる場合もあるでしょうし、その場合どのような対応をされるのでしょうか。また、検査員に対する安全確保はどのようになされるのでしょうか、お伺いをいたします。
  106. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) まず、検査に当たっての武器の使用でございますけれども、貨物検査実施するに当たって、最終的には海上保安庁で準用する警察官職務執行法に従いまして、必要と認める相当な理由がある場合には、事態に応じて合理的に必要とされる限度において武器を使用することも可能だと考えております。  しかしながら、今回の貨物検査の目的というのは、北朝鮮に対する特定貨物の出入りを制限するということでありますので、基本的には、必要最小限度ということで、警告弾の使用、あるいは進路規制など、武器使用以外の強制措置を用いてまず停船をさせようということで取り組むということだと思っております。  それから、立ち入る際の海上保安官の安全の問題でございますが、これは個々の事案に応じて必要な装備を装着させるということで、通常、立入検査やっておりますが、今般の貨物検査については、不測事態も予想されますので、基本的には防弾・防刃仕様の救命胴衣、これは弾やナイフが貫通しないようにできておる、特殊な繊維でできておる救命胴衣でありますが、これ、あるいは防弾ヘルメット等を装着させ、武器も携行させるということで対応したいと思っております。  さらに、対象船舶付近で待機する巡視船艇等においても、万一の事態に備え、立ち入った海上保安官を援護するために武器の準備をさせておくということで対応したいと思っております。
  107. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  108. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 他に御発言もないようですから、両案件に対する質疑は終局したものと認めます。  国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国実施する貨物検査等に関する特別措置法案の修正について吉田博美君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉田博美君。
  109. 吉田博美

    ○吉田博美君 私は、自由民主党、新党改革及びたちあがれ日本の各会派並びに各派に属しない議員大江康弘君及び長谷川大紋君を代表して、本法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  まず、その趣旨について御説明申し上げます。  内閣提出の本法律案は、政権交代前に自公政権が提出し、衆議院を通過した後、衆議院解散のため廃案となった北朝鮮特定貨物検査等に関する特別措置法案と目的、内容等を同一とするにもかかわらず、題名からはあえて北朝鮮の三文字を消し去るとともに、海上保安庁貨物検査に際し、同庁のみでは対応し切れない激しい抵抗を受けた場合に、自衛隊が所要の措置をとるものとするという部分をわざわざ削除したものになっております。私たちはこれらの問題を衆参両院において再三再四質してまいりました。  これに対し、政府は、法律案の名称変更について、基本的性格を表した題名にしたと説明しておりますが、北朝鮮や国際社会に対する我が国の強い意思やメッセージ性を損なってまで変更した理由としては納得できるものではありません。また、自衛隊の措置に関する規定の削除について、政府は、確認的規定であるから削除しても自衛隊の任務や権限に変更が生じないと説明していますが、確認的規定ではあっても、それが北朝鮮に対する強いメッセージとなり、また、自衛隊が出動できる場合を明確にする規定となると考えます。時あたかも、韓国海軍の哨戒艦の沈没事案が発生し、その原因は北朝鮮の魚雷攻撃であるとの調査結果が公表されたところであります。私たちは、以上の観点から、国民に不安を与えることのないよう、ここに修正案を提出することとした次第であります。  以下、修正案に沿ってその内容を御説明申し上げます。  第一に、本法律の題名を北朝鮮特定貨物検査等に関する特別措置法とすることとしております。  第二に、海上保安庁による検査等に関し、同庁のみでは対応することができない特別の事情がある場合においては、自衛隊関係法律の定めるところに従い、海上における警備その他の所要の措置をとるものとする旨の規定を追加することとしております。  以上が修正案の趣旨であります。  何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  110. 椎名一保

    委員長椎名一保君) これより両案件及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国実施する貨物検査等に関する特別措置法案の採決を行います。  まず、吉田君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  111. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 少数と認めます。よって、吉田君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  112. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件の採決を行います。  本件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会